気まぐれな学校　お題：理科室まがった

本文

生徒指導の先生が入学式の時に言った言葉が脳内で再生される。

「いい？この学校は気まぐれだからね。特に理科室は気を付けて」
「この理科室はいろいろあってね。へそ曲がりなのよ」

理科室がへそ曲がりという話は聞いたことがなかった。
最初こそびっくりしていたが、やがて気にも留めなくなった。

しかし。
何もしないのにカギがかかる体育倉庫や人がいないのに喋る放送室…

霊障は皆無。

次第に理科室のことが気になってきた。
私は理科室を目指す。

実験室に入る。
何の反応もない。
そう思ったとき。

準備室の扉がひとりでに閉まった。
その扉をノックしてみる。

扉は開かない。

もっと知りたいだけ。
そう伝えてみた。

それでも開かない。

諦めて戻ろうとしたとき。

準備室への扉が開いた。

また閉められるかな。

今度は入れてくれた。

用事を終えて出ると、準備室の扉は強くしまった。
「もう来ないでね」と言わんばかりに。

ツンデレだな。

そう思ったのは私だけだろうか。

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