アナログ巌流島
本文
船島(ふなしま)、通称巌流島。
宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘が行われた場所だ。
他にもこれにちなんだ決闘が行われていたという。
俺は物理学者だ。
とある青年と決闘の約束をした。
この巌流島でだ。
決闘の場ならここがふさわしい。
あろうことかあいつは遅刻して、2時間遅れで始まった。
まるでオリジナルのようだな、とか思いながら。
決闘方法は物理学実験だ。
とある物事に関する物理的な変化をいかなる量で測定できるかだ。
つまるところ、アナログな測定方法を用いてどちらがより良い結果を出せるか。
決闘開始:実験開始。
内容割愛
負けてしまった。
波型は明らかにあいつの勝利を示していた。
あいつの方が優れていただと……?
液体がほとばしる。
俺側の波型はだんだん低い値になっていく。
あいつは去っていった。
俺は意識を失った。
あいつは教授の地位まで上がったらしい。
俺が巌流だったというのか。
所詮噛ませ犬だったのか。
あいつの華やいだ裏の俺の最期は誰も知らない。
参加企画
参照
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