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我々はどこへ行くのか

未知の国への通路を探して我々は夢を見るのか。
たとえばユートピア、その原義は「よい場所」あるいは「ない場所」にあるという。夢に見るそれはどこまでも理想的だが、それは絶対に到達しえない場所である。
ゼロ地点を目指す。あらゆる対象から解放される束縛から逃れ得る場所。純粋な精神状態はそのままでは現実社会に組み込みえないので、やはり夢の中にだけ展開する。
世間には常識(のように見えるもの)で満ち溢れている。もちろんそれがあるから生きやすくなる時もあるが、それが全てではない。パラドクスという言葉があるが、その原義は「常識を外れる」ことにあるという。逆説の逆説は常識に戻るのかといえばそうではない。逸脱というスキャンダラスな世界は同時に鮮やかな逆転世界である。

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