データに基づく支援を目指す、パートナーサイト構築のプロセス
LayerXの守岡と申します。1年半前にLayerXに入社しました。現在はバクラク事業のマーケティングチームに所属し、パートナーアライアンスのマーケティング業務に携わっています。
パートナーアライアンスのミッションは、パートナーと協力して、自社だけでは届けることのできないお客様にサービスをお届けすることです。私はマーケティングの担当をしていて、以前は「パートナーマーケティング」と呼んでいましたが、役割を広げ、マーケティングの枠を超えていくため、現在は「パートナーグロース」と呼んでいます。
アライアンス組織の中でのマーケティングの役割は様々で、企業によって異なっている印象です。
当社におけるパートナーグロースの役割は大きく分けて3つあります。
1.新規パートナーとの接点を作ること
2.パートナーとの共同施策による商談機会の創出
3.パートナーにバクラクをスムーズにご紹介いただくためのご支援
昨年「3.パートナーにバクラクをスムーズにご紹介いただくためのご支援」の基盤となるパートナー向けのサポートサイトの構築に取り組みました。(以降パートナーサイトと呼びます。)
パートナーサイトはクローズドなサイトなため、情報が少なく、手探りで作り、すでに「もっとこうしたい!」をたくさん感じているので、これからパートナービジネスに関わる方やパートナーサイトの構築を考えている方のお役に立てればと思いnoteを書きます!
パートナーサイト構築の目的
当社におけるパートナーサイトの役割は大きく分けて下記の2つです。
パートナーへの情報提供の場
計測ができる仕組みを作り、パートナーの求めている適切な支援を行う
弊社はスピード感のある開発が強みなこともあり、半年に1度プロダクトが生まれます。その中でパートナーに適切な情報提供を行うためにはどこにどんな情報があるかが一目でわかるようなポータルサイトが必要です。
法制度などのトレンド情報から、サービスのご紹介の方法に至るまでパートナーがここを見ればバクラクの全てがわかるという状態を目指して構築し、運用をしています。
また、情報掲載をするだけでなく、パートナーのアクセス情報や資料のダウンロードなどのアクションデータを通してパートナーが必要としている情報が何か、支援が必要なパートナーを人単位で把握できるようにしていきたいと考えています。
現在計測ができる状態が整いつつあり、今後アクションデータに合わせた支援を進めていきます。
パートナーサイト構築の手順
ここからはサイト構築の過程をご紹介します。
今振り返るとこうしておけばよかったという反省点も取り入れていますので現時点でできていないことも含まれていますが参考になれば幸いです。
1.対象と目的の明確化
どのようなパートナーに向けて
どのような情報をどうやって提供するか
パートナーと言っても様々な業種があり、さらにパートナーが支援されてるお客様の業種・職種も様々です。バクラクが解決する経理業務に明るいパートナーなのか、そうでないのかによっても提供する情報が異なります。サイトを作るにあたっては誰を対象にするかを定めることをお勧めします。
対象がきまったら次にパートナーが製品をお客様にご紹介し、受注するまでをフェーズごとに分け、どのような状態になっていると良いかのゴールを定義します。ゴールの定義ができたら必要な情報と、提供する方法を洗い出し、パートナーサイトに置く情報を設計します。
ベースの設計はセールスイネーブルメントの考え方が参考になりました。
2. パートナーサイトで実現したいことを洗い出す
次にパートナーサイトで実現したいことを洗い出します。弊社の場合は下記を実現したい事項として設定しました。
アカウントの招待・サインアップまでの導線が簡単
資料・動画などのコンテンツの掲載ができる
サイトへのアクセス数、コンテンツのDL数などのアクションデータを計測できる
取得したデータをもとに自動的にアクションが取れる など
初めてパートナーサイトを作る場合は「そもそもどんな活用ができるのかがわからない」というケースもあると思います。私もそうでした。弊社はたまたまパートナーサイトを活用していた経験のあるメンバーがいたため、やりたいことが考えられましたが、経験のあるメンバーがいない場合は他社のパートナーアライアンス部門の方に聞いたり、プラットフォームを提供しているベンダーに事例を教えてもらうこともお勧めです。
すべてを一度に構築することは難しかったので、フェーズごとに期間を区切り実装していきました。パートナーへの公開は「資料・動画などのコンテンツの掲載ができる」段階で行いデータ周りは公開後に整備していきました。
弊社はプラットフォームをつかって構築しましたが、リリースまでに3ヶ月程度かかりました。
3.プラットフォームの選定
ゼロから開発するか、プラットフォームを活用するかを検討し、弊社はプラットフォームを活用し構築することにしました。パートナーサイトは「コミュニティプラットフォーム」というカテゴリのプラットフォームで構築することができます。いくつかのプラットフォームを比較検討しSalesforceのExperience Cloudを採用しました。
選定基準は以下です。
マーケティングオートメーションツール(MA)・営業管理ツール(SFA)との連携がシームレスであること
専門的な知識がなくてもサイトの更新ができること
弊社はSFAをSalesforce、MAはAccount Engagement (旧Pardot)を導入しているため、連携を重視して決めています。ただリリースしてからもSalesforce側のチューニングが必要になることが想定できたため社内にSalesforceアドミンがいるということも考慮ポイントでした。
機能だけでなく運用も含め検討することをお勧めします。
これからの展望
これからはデータと人の手を介した支援で、最速でパートナーに必要な情報を届けていきたいと考えています。
振り返ると「もっとこうすればよかった」が止まりませんが、伸び代と捉え、より多くのパートナーにとって有益な場所になるよう一つずつ改善していきたいと思います。
最後にアライアンスグループでは一緒にグロースしてくれる仲間を募集しています!
パートナーアライアンスの経験は不要です。
チャネルのスペシャリストではなく、フルスタックなマーケターとして色々な施策に取り組みたい、戦略から考えて事業を伸ばしていきたいと考えている方にぴったりなお仕事です!ぜひ一度カジュアルにお話ししましょ〜!