カタカナ語の深淵
カタカナ語は外来語‥‥という印象がもたれています。もとになっている外国語の単語と同義なのだろうという連想も働きやすいものです。
たしかに「ストレス」は英語でも stress で、この両者は(ちょっと使い方は違うものの)少なくとも「類義」とは言えると思います。しかし、外来語ではないカタカタ語もあります。
ハイテンション
この歌で、AKB48の女の子たちは「間違い英語 関係ねえ」と歌いますが、私は「ハイテンション」は「間違い英語」ではないと思います。
「ハイテンション」は英語とは無縁の、純粋の日本語(秋元語?)です。日常的な日本語で《高揚した状態》《やる気に満ちた状態》を指すことばが他にあるでしょうか? (もしかすると、あるかもしれないですけど‥‥。)
英語の high tension は全く別のもので、《ロープなどがピンと張っている物理的状態》のことです。これが心理的転用を受けて high-tension jobs(高い緊張の継続を強いられる仕事)のように使うことがあります。
グローバリゼーション
これとよく似た現象ですが、日本では駅の表示が多国語表示になるだけのことを「グローバリゼーション」と呼んだりすることがあります。「教育のグローバル化」といった謎の言葉も飛び交うようになりました。
英語の globalization は基本的に、経済が地球規模の単一体になっていく現象のことです。国や地域で独自の規格をもつのではなく画一化が行われます。市場に様々な国の企業が参入する市場開放や、移民・難民を含めて様々な背景をもつ人がともに働く労働環境への変化などがその中心です。国境を越えて安い労働力を探す資本は競争を加速させ、モノも労働力の低価格化が進み、一方で、廃棄物の増加や環境破壊が加速しています。また人的交流が活発化した副産物としてパンデミックが生じやすくなっています。
さて、ここで問題です。
問題4
白黒つけるのがなじまない社会問題
このような社会問題は問題3と同じで、白黒をはっきり言うことは難しいものです。指定語数にもよりますが、
というように、賛否両論からアプローチするのがいいでしょう。
計画性が大切
是か非か、いずれかの内容について、まとまったことをひとつ書こうと思うと50〜70語は必要になります。もし80語くらいの指定語数なら、一方は割愛することになります。「是」か「非」かいずれかしか展開できないような語数が条件として課されているのですから、本来は答案を次のように始めた方がいいです。
たとえば「是」を展開してやろうと始めたものの、論点整理もせずに悪あがきしているうちに残りがあと20語くらいになってしまったら、仕方がありませんからこう書いて締めくくるしかないでしょう。
もちろん、これは答案を未完成にしないための苦肉の策です。この2つを見比べると同じことを書いていても、全く印象が異なるのがわかると思います。できれば、このような結語を書かないで済むように答案の設計図をしっかり立ててから書き出すようにしたいものですね。
さて、今回は100語以上の語数が用意されていますから、両論併記で行くべきです。
英文を読んで材料の仕込み
例によって、まずは英文を読んでみましょう。少し長いですが、その分しっかりと経済用語の使い方が身につくと思います。
次はプラスの側面について
次はマイナス面です。
最後にglobalization の将来像について
お疲れさまでした。
では、globalization は是か否か、自分なりの咀嚼と自分なりのことばで解答を書いてみてください。(解説は次回)