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【銀英伝】ヨブ・トリューニヒトを描いてみた

今日は銀英伝を紹介する上で避けては通れない、ヨブ・トリューニヒトを描きました!
嫌われる事の多いヨブさんですが、そのキャラ性は強烈で認知度の非常に高い人物です。見たくないのに、何か気になって見てしまう、そんなイメージを形にしました☆彡

※この記事は、『銀河英雄伝説』を紹介する中でたくさんのネタバレが含まれます。主観やオリジナル要素も多いので、お気をつけください。


◆ヨブ・トリューニヒト

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トリューニヒトは自由惑星同盟の政治家です。
見た目は俳優のように整っており、その容姿と人の心をつかむ演説によって民衆の支持を得たと書かれています。

クリーンなイメージの一方で、暴力団体「憂国騎士団」とつながりがあり、不平分子潰しに余念がありません。
また、支持率を得るために、人気のある魔術師ヤンと結託しようと笑顔で接近しました。でもヤンに拒絶されると考えを一変させ、制裁してしかるべき、とサディスティックな面を見せます。

恥を知らない利己主義者
彼の最も優れている点は、責任追及を逃れる保身の才です。状況が変わったら、自分の基盤であっても平気で切り捨ててしまいます。
例えばトリューニヒトは元々、民主主義万歳を唱えて同盟国民を戦地に送ってきました。ところが失政が明らかになって国民からの追及が激しくなると帝国へ逃亡し、そこで民主主義を悪しざまに言います。態度を一変させて、新たに権力を得ていく様は図太さを通り越しています。
……彼はもしや、鋼メンタルの持ち主なのでは?

ということで、彼の言動には一貫性がなく矛盾が目立ちます。無責任な発言を繰り返すこんな人が国のトップになったら大変です。トリューニヒトの外面にだまされないよう、冷静にファクトチェックできる人になりたいです。


◆トリューニヒトの立ち絵と、惑星同盟の政治形態について

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トリューニヒトをデザインするために、彼の住む政界を図にまとめてみました。トリューニヒトの権力欲さえ暴走しなければ、民主政らしい政治形態だと思います。

自由惑星同盟は、銀河帝国から離反した国です。だから帝国との敵対が宿命づけられています。そのため同盟政府には、帝国との協調を探る外交オプションがなく、戦争のみが選択肢に上がらざるを得ません。勝利が国民を喜ばせ、政府支持率も上がるという仕組みを150年に渡って続けてきたことになります。

戦争時には、国民は統制され、指導者層の権益が圧倒的に強くなります。だから最高権力を手にすると、国民の経済も、情報も、思想さえもコントロールする事ができるのです。
トリューニヒトは、そんな「他者の人生を左右できる万能感」に魅入られていたのではないだろうか。推察になりますが、彼のデザインに込めたのは「権力への執着」です。

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トリューニヒトは苦手なキャラだから、何度もため息をつきながらちょびちょび絵を描きました。しかし時間をかけたぶん愛着がわいてしまって、複雑な気持ちです。

今回は政治的な事を多く書きましたが、現代にヨブさんみたいな政治家はいないと思います。あくまでフィクションです。
著者の田中芳樹さんは歴史に詳しく、過去の出来事をうまく取り入れるので、人物にリアリティを感じます。尊敬する作家の一人です!

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※この記事は、田中芳樹さんの作品の版権管理会社「らいとすたっふ」の二次利用規約に則した創作をしています。規約をよく読んで、大丈夫だと思う表現をしたのですが、もしお気づきの点があればフィードバックしていただけると幸いです。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。


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