【銀英伝】ヤン・ウェンリーを描いてみた
銀英伝おもしろいなあ。ヤン提督、好きだ~!!
『銀河英雄伝説』は田中芳樹さんのSF小説で、アニメや宝塚など多岐に渡って愛されている作品です。何を隠そう、私もこの作品に影響を受けた一人です!
ということで、不朽のスペースオペラ銀英伝のファンアートを描きました。人物を紹介する中で、たくさんのネタバレが含まれます。この記事には主観やオリジナル要素も多いので、お気をつけください。
◆ ヤン・ウェンリー
彼は「眠そうな顔」と評されるけど、私が思うにその理由は「現実がひどすぎて見たくないのに見なくちゃいけないつらさ」が背景にあるからだと感じています。
自由惑星同盟の民主主義を心から信奉するヤン。しかし首脳部は無闇に軍を動かし、打倒帝国の戦争を賛美します。その実、政治家は軍の戦果で国民の人気を取ろうとするばかりで戦いには参加せず、前線は大多数の一般国民に任せて出血を強いているのです。
親しい友人達が傷つき消えていく現実と向き合いながら、それでもヤンは軍人として生きて行かざるを得ません。
彼は養子ユリアンのために、短い平和であっても豊かな人生をプレゼントしようと知略の限りを尽くして帝国と戦います。しかし勝てば勝つほど、同盟のピンチを救えば救うほど、政治家は権力を束ねて戦争が拡大し、民主主義は崩壊の危機を迎えていきます。
トリューニヒトという政治家に英雄として祭り上げられヤンに軍事力が集中したり、後方の嫉妬を買って前線にいるヤンが邪魔をされたり……
本当は人殺しを誇りたくないのに、帝国の独裁主義に立ち向かう民主主義の旗頭にされ、明暗の境界で葛藤する日々が哀しくも熱い。
「目を見開いたやる気」を見せない、見せられない苦悩が、ヤンの魅力だと思う次第です。
◆ 自由惑星同盟軍の軍服
この絵は、軍装を考えてみたものです。
同盟軍はエルファシルを始め、地上にいることが結構あります。また艦内で、被弾衝撃による怪我が多いです。だから止血用のスカーフや、緩衝用に厚手の軍服と安全靴を意識しました。
戦闘用にエネルギーを集中できるよう、艦内の暖房は最低限で、帽子やジャケットで重ね着できるように心がけました。ジャンパーはOVAですでに使われているので今回はやめました。(似たようなのは二次利用規約的にアウトだから……)
肩の階級章は必須ということで付けているけど、ヤンは階級を誇示するようなスタイルを好みません。若くして将官になり、艦隊を率いる立場になったものの、閣下と呼ばれる事をあまり喜ばないような人柄です。
戦争では艦隊を率いることで大きな勝負をできる反面、勝つためにどれだけ効率よく味方を死なすかを考えなければなりません。そういう恐ろしい力が勲章や階級にはあります。いわば人殺しの象徴。だからヤンは普段からジャラジャラと勲章を見せびらかさないのではないでしょうか。
他の多くの将官と違い、彼は高圧的な態度を取りません。部下からの意見を引き出したり、緊張を解いたりするためにいつもフランクで、気を配るのがヤンのやり方。
「ヤン艦隊は家族のような雰囲気」とはユリアンの愛すべき言葉♡
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著者の田中芳樹さんは古今東西の歴史に詳しく、様々なエピソードをうまくSFに取り込んで独自の世界を構築する魔術師です☆彡
そんな原作小説をもとにキャラクターを考えたり、実戦を想像してデザインを形にしていく作業はとっても楽しい時間でした。
銀英伝に出会ってかれこれ5年くらい経ちます。38年も前の作品なのに読むたびに発見があるので、これからも記事を書いていきたいです。
ところで、この作品は二次創作を基本的に禁止しています。しかし、らいとすたっふ(二次版権管理会社)さんは、「約束を守れば二次創作可」と利用規約を公表しているので、投稿に踏み切りました。
規約をよく読んで、大丈夫だと思う表現をしたのですが、もしお気づきの点があればフィードバックしていただけると幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
◆ユリアンの記事はこちら