【銀英伝】シェーンコップを描いてみた
同盟軍きっての不良中年シェーンコップ。首を刈り取る鉄火場の獣であり、ゆえに飼い慣らすことは至難の業!
今回は銀英伝でも人気の高いシェーンコップの勇姿を描きました。
※この記事は、『銀河英雄伝説』を紹介する中でたくさんのネタバレが含まれます。主観やオリジナル要素も多いので、お気をつけください。
◆ワルター・フォン・シェーンコップ
シェーンコップは、薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊の第13代隊長です。ローゼンリッターは接近戦を担う白兵部隊で、帝国貴族の亡命者、及びその子弟で構成されています。
この特色により、歴代隊長のうち、6人が帝国に再び亡命したという過去があります。そのせいで「スパイが紛れて込んではいまいか?」など、同盟軍から結構疑われています。だからシェーンコップたちは同盟への忠誠度を、常に軍首脳部から試されている存在なのです。
しかしこういった背景を持つ彼らは、貴族率いる帝国軍の戦い方を熟知しており、しばしば圧倒的な戦果をもたらしてきました。自分たちの弱みを最大限に利用して戦功を立てる。危険な綱渡りですが、覚悟が決まっていてゾクゾクしますね! シェーンコップ率いるローゼンリッターは、知勇兼備の戦士というイメージがあります。
印象的なのは、自由惑星同盟の政治が乱れた時のことです。シェーンコップは司令官ヤンに大胆な提案をします。
「イゼルローン要塞とヤン艦隊をもってクーデターを起こしてはどうです。私欲まみれの政府よりも民衆の支持を得られましょう」
ヤンは断りますが、シェーンコップは事ある毎に独立をうながしました。
隊長としては裏切らないが、所属する艦隊ごと離反させようとする豪胆さ。華々しいワイルドさが光る、不良中年の星シェーンコップ☆彡
リンツ「さすが隊長、宇宙一おモテになる……!」(薔薇騎士副隊長)
◆シェーンコップの立ち絵と白兵戦についての図
銀英伝には「ゼッフル粒子」という爆発性気体が存在します。
ゼッフル粒子が戦場に散布された場合、火器を使うと引火して大爆発を起こすので、銃などは使用できなくなります。こうした局面では、どうしても近接戦闘を避けて通れません。
ここで、ローゼンリッターの登場です。彼らは常に白兵戦を意識しており、修羅場でも体が動くよう訓練しています。一方、一般兵士は普段、火器に頼っており近接戦闘が苦手な場合が多いです。そうした気構えの差で、シェーンコップたちは圧倒的な切り込みで拠点を掌握することができるのです。
「敵地では仲間だけが自分達を生かす道を作る」という一蓮托生の覚悟。ローゼンリッター特有の雰囲気は、銀英伝内でも異質な連帯感があると思っています。
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鮮烈な率先垂範を見せるシェーンコップは人生経験豊富で、面倒見のいいシーンが散見されます。ユリアンのみならず、読み手にも人生のヒントを教えてくれる。それくらい重要な、ヤン艦隊の精神的・戦術的支柱だと思います!
noteのアマチュア歴史家いわく、シェーンコップなくしてイゼルローン陥落なく、彼なくしてブリュンヒルトへの突入なし───
◆ヤン・ウェンリーの記事はこちら
※この記事は、田中芳樹さんの作品の版権管理会社「らいとすたっふ」の二次利用規約に則した創作をしています。規約をよく読んで、大丈夫だと思う表現をしたのですが、もしお気づきの点があればフィードバックしていただけると幸いです。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。