【銀英伝】アッテンボローを描いてみた
エイプリルフールウィークと言うことで、今日は冗談じみた男、アッテンボローを描きました。
最近OVA版の銀英伝を観ています。アッテンボローの斜に構えた態度と井上和彦さんのお声がとても似合っていて、かなり盛り上がりました☆彡
※この記事は、『銀河英雄伝説』を紹介する中でたくさんのネタバレが含まれます。主観やオリジナル要素も多いので、お気をつけください。
◆ダスティ・アッテンボロー
アッテンボローはヤンの後輩で、やたらと口が回る人です。
彼はまだ戦場全体を見る能力には欠けています。しかし心の内には前に進むためのアイディアがあって、あれこれ試したがっています。
そのため後方主任のキャゼルヌや、規律に厳しいムライからすると、「もう少し慎重になってくれ」と、つい口を出したくなるような存在です。
ですが、ムライたちからそういう注意を受けると、彼は言葉巧みに言いくるめてでも逃げてしまいます。
実は、アッテンボローの十八番は逃げることなのです。
ヤン不在のイゼルローン要塞防衛では、帝国軍との駆け引きが見所でした。彼は攻めも守りもできますが、逃げるタイミングを間違えず火事場を切り抜ける判断力に秀でています。アッテンボローの退却に釣られたところを、逆に叩かれた帝国軍がどれだけいたことか……
総合して、アッテンボローは「相手を惑わせるのがうまい」。この特技が生きてか、ヤンよりも若く准将に昇進しました。作中にも、同盟が存続していたら元帥昇進は確実とされています。
そんな彼には「それがどうした」という名言があります。
口で勝負できない場合や、負けそうなとき、面倒なときに、その一言で片づけてしまう思い切りのよさ! 口のうまさとは裏腹に、最大の防御策を隠し持っている感じがおもしろいです。
人を乗せるのも、凹ませるのも得意。だから挑発もできるし、口喧嘩も強い。それで世渡りもうまい。最終的に政治家になると言ったあたりは、冗談まじりとしても彼なりの自信がうかがえます。
その時はもちろん、私はアッテンボローに投票しますよ!
◆アッテンボローの立ち絵と座右の銘
OVA版の魅力的なデザインから離れるために、思い切って髪の毛を腰くらいまで長くしました。
アイディアの鍵になったのは、「30才」にコンプレックスのあるアッテンボローが、20代にすごくこだわっているという原作の雰囲気です。根っこにはたぶん、老いへの恐怖がある。その象徴は薄毛だと思ったので、髪の毛に対するケアを徹底しているのではないか、と推察した次第です。
実際、アッテンボローの20代への執着はちょっとノイローゼ気味と言っていいほどです。だから若さの象徴である髪を減らすことに不安があって、「散髪」という行為に抵抗しているのではないか。挑発のうまい長髪。
そんなイメージが形になったらどうなるかな、と考えながら描きました。
自由志向のアッテンボローは、良識派の先輩ムライから小言をもらうシーンが度々あります。若者代表と大人代表のやりとりとして、ちょっとこんなシーンを想像しました。↓
いかにイゼルローン要塞が広くとも、時として会ってはならない人に出会ってしまうものだ。アッテンボローはそう思いながら足を止めた。
通路の向こうから歩いて来たのは、厳しい顔つきをしたムライだ。
「司令官が長い髪を揺らしていては兵の規律が緩む。軍人らしく頭髪を短く切らんか」
いきなりそう注意されたアッテンボローは、
「自由民主主義とは、個々の自由が守られるべきであります」とやり返し、軍人らしく胸を張り敬礼した。
まったく最近の若い奴は……と言わんばかりに、ムライは手を額にやるのだった。(完)
口の減らないアッテンボロー、忠告はしても強制はしないムライ。
そういうにぎやかさが、ヤン艦隊の魅力だと感じます。
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……冗談がすぎたかなあ。やっぱり実際の軍隊って長髪禁止なんだろうなあ。でも、こう、帽子の中にうまく髪を隠したり、後ろで結んでヘアアレンジしたら、きっとカッコイイと思うんです!
キャラクターデザインって、個人的な夢を詰めこむことができてとてもおもしろいです。
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※この記事は、田中芳樹さんの作品の版権管理会社「らいとすたっふ」の二次利用規約に則した創作をしています。規約をよく読んで、大丈夫だと思う表現をしたのですが、もしお気づきの点があればフィードバックしていただけると幸いです。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。