益田ミリさんについて
益田ミリさんのエッセイ、漫画が好きです。
優しくて、おおらかで、できるだけ色んなことを否定しないでいてくれる作品がたくさん。
読むと安心できるんですよね。温かい気持ちになれます。
毎日毎日少し傷ついたり、我慢したり、イライラしたり、悲しくなったり、寂しくなったりして、ちょっとずつだけど、自分をすり減らしてしまうようなことがありますよね。
元気で明るく、人にやさしく、自信をもって生きていきたいけど、それ、本当に難しい。
現に私は、イライラして八つ当たりしてしまったり、寂しくてかっこ悪いことしたり、自信がなくて威圧的になったりして、どんどん自分が嫌いになってしまう。落ち込んでしまう。
自分でどんどん自分を否定して、卑屈になって、誰にも優しくできなくなります。
そんな時に、読みたくなるのが益田さんの本です。
読むと心が落ち着いて、少しだけ自分を許せる気持ちがでてきます。
なんだか、自分にがっかりしちゃうときってあるじゃないですか。
「こんなこともできないんだ」「どうしてあんなこと言っちゃったんだろう」「もっと時間を有意義に使わなくちゃ」「自分の価値ってなんだろう」みたいな。
本当は「アメニモマケズ」みたいな感じで生きたい。でもできない。「アメニモマケズ」どころか、あわよくばみんなに認められたいし、愛されたい。もっと幸せになりたい。
だったらこんな私じゃダメなんだ。頑張らないと!、、、でももうなんか頑張りたくない。あぁ~なんにもしたくない!そもそも今だって頑張ってないわけじゃないよ!、、、なんでこんな勝手に追い詰められてるんだろう。
「欲を持つなら、それを叶えることができるくらい努力してないと」っていう意識があるんですね。自分で自分をずっと責めちゃう。
益田さんはね、そこを否定しないでいてくれるんですよ。
描いているのは劇的な物語じゃなくて、本当に普通な出来事。
ちょっとうれしいこと、ちょっと嫌なこと、なんとなく好きな人、どうしても嫌いな人。
通り過ぎちゃう毎日を、言葉や絵にしてくれて、示してくれる。
きりきりしている気持ちも、ダメダメな暗い気持ちも否定しない。そこにあるものとして示してくれる。示してくれるだけなんだけど、益田さんは厳しいこと言わない。超穏やか。
それにとても救われる。
「こういうときある~」「気持ちわかる~」となるときもあれば、「(漫画の主人公や益田さんに対して)いや、人間ができすぎてるだろ」「こうなりたいな~」となるときもある。共感だけじゃなくて、自分だけじゃ見つけられない、気が付けないやさしい世界を知ることができる。益田さんや益田さんの描く世界に、今まで気が付かなかった私の周りにあるやさしさや思いやりを教えてもらえることがたくさんあった。
私は極端な考えを持ってしまいがちで、自分に対しても、人に対してもすごく厳しい。というか優しくない。超激烈感情人間。
そんな自分が大嫌いで、許せなくなる。
だからこそ、益田さんの穏やかさにとても惹かれます。自己嫌悪でがんじがらめになって、自分が常に自分を責め立ててしまうとき、益田さんは責めないでくれてる気がする。
「まあ、お茶でも飲みません?」みたいな。
元気がでるとか、やる気がでるっていうより、「ほっとする」が近い。そんな益田さんの作品に何度も救われてきました。
本当に本当に大好きな作家さんです。
もし今これを読んでくれてる人で、自分が大嫌いで、許せなくて、苦しんでる人がいたら、是非益田さんの作品を手に取ってみてほしいです。
素敵な作品がたくさんあります。
きっと、自分を責める声が少し小さくなりますよ。