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瞼の裏

その点はその青のため
その線はその形のため

きみが泣いていること
わたしが悲しいこと
あなたが寂しいこと

ぜんぶ、ぜんぶ に意味がある
ひとつひとつをすくい上げて
わたしはそれを飲み込む
胸の中で名もなき色たちが輝いている
点も線も色も重なって
もう大丈夫だよとキラキラわらう

君も
わたしも
あなたも
ここにいるでしょう

いつもの丘  いつもの湖  いつもの雲
当たり前のように
それぞれがそれぞれの体をなして
安心して
わたしはそっと目を開けるんだ






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