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社会人6年目でドイツ駐在、7年目でイギリス移住を叶えた経緯
自己紹介記事にスキをくださった方、早速フォローしてくださった方、ありがとうございます!これから記事を投稿していくにあたって、私が社会人8年目になるまでどのようなキャリア形成をしてきたのかについて、簡潔にお話していきたいと思います。
私は小学生時代に父の海外赴任についていった経験があり、「いずれ私も父のように海外で活躍する人材になりたい!」という強い想いを昔から持っていました。その夢を追い続けた結果、大学生時代に自分が思い描いていた理想的な生活を今、送ることができていると思います。
新卒から2年目:日系コンサル企業(大阪)
私が新卒で入社した企業は日系の医療系コンサルティング企業で、入社した動機は以下の2点でした。
医療系コンサルティングが経験できる
海外事業部がある
大学院の時にクリニックや病院で2年間夜勤バイトをしていた経験から、医療をビジネスの観点から見てみたいと思ったことがきっかけでした。非常にニッチな領域で手掛けている企業自体も多くはなかったのですが、自身でインターネットで調べて受けた企業も含め、結局3社から内定をいただき、そのうち1社に入社を決めました。
余談ですが、内定をいただいたうちの一社は現在のIQVIAで、以前はIMS Healthとして知られていました。もし今3社の内定を横並びに比較した際には、キャリア面だけでなく、給与や福利厚生を考慮した際に間違いなくIMS Healthを選んでいたと思います。当時は給与や福利厚生は二の次で「やってみたい業務内容」に焦点を当てて就職先を選びました。
数年間は日本で実務経験を積んで、数年後に海外事業部に所属できたら・・・という想いで働き始めました。約2年間で手掛けた主な業務は以下の通りです。
病院の新築・移転支援:病院の建て替えに向け、引っ越し業者や医療機器企業などと連携して入院患者や物品の搬送計画を立てる
基本計画・構想支援:新しい病院を建築に向け、地域医療の需要と供給などの市場分析を行い、建築計画の構想を立てる
経営企画支援:事業収支のシミュレーションなどを通じて、経営改善策を構築する
仕事は非常にやりがいがあり、先輩社員にも非常に手厚く面倒をみていただきました。自身が手掛けた業務が新聞に載った時や2年目の終わりに部門内でMVPをいただいた際にはとても嬉しかったです。ただ、2年目の途中からこのままで良いのか・・・という気持ちが強くなりました。理由としては以下の通りです。
仕事量に対する給料の低さ:出張も含めた長時間労働+土日出勤も頻繁にしていたにも関わらず、先輩社員から聞く5年目、10年目の給料は自分の目標と比べて低かったこと(当時は30歳までに年収1000万円!と目標設定していました)
海外に行ける見通しの低さ:勝手に自分の中で、3年目からは海外事業部に転属して海外で経験を活かすつもりでいましたが、その見通しが立ちそうになかったこと
自身のコンサルティングスキルの未熟さ:これからもコンサルティング領域で働くならば、外資系の有名企業で揉まれて一流を学びたいと思ったこと
昭和体質への不満:いわゆる典型的な日系企業で、月曜朝の全体朝礼、ラジオ体操、早朝掃除、週末の社員研修など、時給が発生しないその他の業務に嫌気が差したこと
そして結局2018年末から転職活動をはじめ、2019年の2月から3月にかけて4社から内定をいただくことになります。所謂第二新卒として、東京にある外資系コンサルティング企業に転職することに決めました。
3年目から6年目:外資系コンサル企業(東京)
私が2社目に入社した企業は世界全体で2000名程度の社員がいる外資系のコンサルティング企業で、入社した動機は以下の3点でした。
海外プロジェクトに携われる機会が多い
基本給が高い(年収が一気に2.5倍に跳ね上がりました!)
ヘルスケア部門配属なので、興味がある分野に集中できる(他の大手コンサルは、様々な部門を経験する必要がありました)
日本支社の規模が小さく、知名度がなかったことは不安要素だったのですが、入社していざ仕事を始めるとそんな悩みは消え去りました。入社1週間後には海外プロジェクトへ配属され、日本の薬価制度など覚えることも多く、とても楽しく働き始めました。
P&MA(プライシング&マーケットアクセス)と呼ばれる領域を中心に、3年半で約20社の製薬/医療機器企業を顧客とし、50近いプロジェクトに従事しました。疾患領域もがん、希少疾病、生活習慣病(糖尿病や肥満)など、幅広い領域に携わることができて面白かったです。以下、その一部を列挙しています(日本語訳が難しいものはそのまま英語表記です)
製品上市時/上市後の想定薬価や患者のアクセス制限に関する調査・分析
市場規模評価・売上予測の作成
厚労省との薬価交渉時に提出する資料の作成
将来の市場傾向予測
Funding flow strategy
Customer experience strategy
Patient Journey
コロナがおさまり始める2022年には念願だった海外駐在をドイツ・ミュンヘンにて経験することもでき、転職してからも関係性の続く仲の良い同僚にも恵まれ、コンサルタントからシニアマネージャーまでステップアップすることもでき、部署の採用担当としての役割も担い、大変充実した3年半だったと思います。新卒当時に目標としていた年収も社会人4年目には達成しました。
しかしながら、これだけ恵まれた環境にいたにも関わらず、ミュンヘンに駐在していた時に再度転職活動を始めました。理由としては以下の通りです。
長期的に海外で働きたいという想い:企業主体の駐在は任期が決められており、期間が終わり次第日本への帰国が決まっていました。ミュンヘンでの経験を通して、もっと長期的に海外で働きたいという気持ちが強まりました。
上司との相性の悪さ:直属の上司が気分や感情で周りを振り回すパワハラ気質のリーダーだったこと。先輩社員がメンタルを病んで次々と退職していき、私もこれ以上その人の元で働きたいとは思えなくなりました。
業務領域の狭さ:東京オフィスは小規模だったこともあり、ミュンヘンで経験したような大規模なプロジェクトの機会が少なかったこと。P&MAが業務の7割を占めている中、それ以外の領域のプロジェクトも経験したいと思いました。
高い家賃代等を会社に負担してもらいながらドイツに駐在しているのにも関わらず転職活動をするのは気が引けましたが、海外に飛び出していくにはこの機会を逃す訳にはいかないと思い、駐在の後半で転職活動を開始しました。
ドイツでの暮らしは楽しかった一方でドイツ語を話せず苦労したので、英語圏の方が中長期的に生活しやすいだろうと思い、出張で何度か足を運んだことのあるイギリスに焦点を当てて転職活動を行いました。
製薬企業とコンサルティング企業のどちらも受けていましたが、コンサルティング企業はマネージャー層は基本不足しているためそちらの方が受けが良く、選考もスムーズに進みました。その結果、今までの自分の経験を活かすことができ、かつ業務領域も広げることができる企業にオファーをいただき、イギリスに移住することに決めました。
選考自体は3-4社同時並行で進めていましたが、今回は1社目からのオファーで即決しました。もともと第一志望だった企業だったので、オファーをもらえた時は本当に嬉しかったです。
7年目以降:外資系コンサル企業(ロンドン)
そういった経緯を経て、医薬品のコンサルティングに特化した現職に至ります。全世界で合計500名程の社員がおり(社員の7割以上が修士もしくは博士号取得)、アメリカ・ヨーロッパ・アジアに支社が点在している中、私が日本人第一号としての入社となりました。なお、日本に支社はないので日本での知名度は当然ゼロです・・・(笑)
本社のロンドン採用でかつ唯一のマネージャーであることを考えると、会社としてもネイティブではない人材を海外から採用するというなかなか大きな決断をしてくれたんだな・・・と実感します。以下の通り、入社にあたっては私の希望を何点か実現していただきました。
Skilled Worker VISAのスポンサー(海外就職の一番の障壁となるのがビザ取得です)
日本からイギリスへの移住費用等に使用するサインオンボーナス
入社時期の調整(内定が出てから入社まで、半年以上時間をもらいました)
今年で転職してから3年目を迎えますが、2回目の転職の動機になった点は以下の通り全て解消しているので満足しています。
長期的にイギリスでの勤務可能:現地採用なので滞在の期限がありません。成果を出している限り会社がVISAのスポンサーになってくれます。また、他の支社への移籍も積極的に支援していただける環境です(今のところ予定はありませんが)
上司との相性の良さ:理路整然とした子持ちの女性ディレクターで、激務のコンサル企業で働いていく中でのロールモデルだと思います。彼女とは非常に仕事がしやすいです。
業務領域の広さ:現職では、メディカル・アフェアーズやコマーシャルなど、P&MA以外の顧客との関わりが増えました。組織体制の診断および変革、Evidence Generation (エビデンス構築)、Clinical Care Pathway、Value Message developmentなど、より科学やエビデンスに重きをおいたプロジェクトに従事することが増えました。マネージャーとしての器量も広がったと実感しており、現在プロジェクトを通して常に10名-15名程の同僚のマネジメントをしております。
以上、今まで経験した3社でのキャリアを簡潔に振り替えってみましたが、いかがだったでしょうか。
あまり類を見ないキャリア形成の仕方かと思いますが、その都度自身の課題や次の目標を見つけ、順調にステップアップできているのではないかと思います。また、今の職場は日本での知名度はないものの、手掛けている業務領域が専門的なので、職務経歴書に反映できれば日本に帰国するとなっても、職探しには困らないかと思っています。
このような私のキャリアを断片的に知っている方から「どうやってイギリスの企業に現地採用してもらえたのか?」「駐在の経験はどうすればできるのか?」などと質問を受けることが増えてきたので、そういった情報を探している方に私の記事が少しでも参考になれば良いなと思っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
明日でクリスマス休暇も終わり仕事が再開するので、週1回を目標にマイペースに更新していきたいと思います。
2025年1月5日