元カノがメンブレしてるらしくマネージャーにスカウトされました 1
カノマネ1話
─────たった1つの連絡が人生を大きく変えるなんて、神様は気まぐれだ。
休日の朝、リビングに母親と2人
『最近、美月ちゃん元気ないんだってよ』
○○:何?急に
母の口から元カノの名前を聞くのは数年ぶり
『美月ちゃんのお母さんからLINE来てね』
○○:まだ、連絡取ってるんだ
『もちろん。定期的にお茶するわよ』
○○:なにそれ初耳
『え、もしかして連絡取ってないの?』
○○:取ってるわけないだろ
『なんで?取りなさいよ』
○○:元々付き合ってた訳だしさ今更連絡しないよ
『はぁ。あんた現実見なさい。美月ちゃんはもうあんたなんて眼中に無いわよ』
○○:息子への当たり強すぎ
『だって、相手はスーパーアイドルよ?俳優さんとか男性アイドルで目が肥えてるわよ』
○○:まぁ、それはそうだけどさ。
『久しぶりに連絡してみなさい?案外普通に話せるかもよ』
○○:多分、ブロックされてるって
『はぁ。いいから連絡しなさいよ。ブロックされてたらその時はその時』
○○:わ、分かったよ。
母親の言う通り、過去の事を意識してるのは僕だけかもしれない。
腹を括って、連絡してみることに
下の方までスクロールしてやっと見つけた美月のLINE。最後のトークは7年以上前らしい
どうにでもなれなんて思いながら押した送信ボタン
○○:「お久しぶり」
ふぅ。
どーせ返信なんて来ないけど───
美月:『え!○○じゃん。久しぶり!』
美月:『元気だった?』
すぐに来た返信の通知にびっくり。
ブロックされていないどころか、まさかこんなにすぐ返信が来るなんて
○○:「うん。元気だよ。美月は?」
美月:『ぼちぼちかな〜』
○○:「そっか。忙しそうだもんな」
美月:『お陰様で』
○○:「なんだよそれ」
美月:『そういう○○は?仕事はどうなの?』
○○:「無限におじいちゃんの相手させられてる」
美月:『なにそれ。つまんなさそう』
○○:「うざ」
美月:『冗談冗談』
○○:「まあ、実際つまんないけど」
美月:『なんかごめん』
○○:「気にしないで」
○○:「ちょうど最近、転職活動も始めたし」
美月:『ふ〜ん。なるほどね』
○○:「頑張って良い仕事見つけるよ」
美月:『○○ってさ、女の子好きだっけ?』
○○:「なになに、急すぎない?」
美月:『いいから。』
○○:「そりゃ、好きか嫌いかで言ったら好きだけど……」
美月:『じゃあ、私が仕事紹介してあげる』
美月:『明日の朝そっち行くね?』
○○:「は、いきなりすぎんだろ」
美月:『いいからいいから。男の子からしたら夢のような仕事だと思うよ』
○○:「どういう系?」
美月:『それはお楽しみってことで』
○○:「わ、わかったよ。明日空けとく」
美月:『○○の家の前待ち合わせで。』
美月:『じゃあ、よろしくね〜』
思いついてから行動に移すまでが早いのは昔から変わっていないらしい。
ちょうど転職を考えてたし、
変な仕事じゃなければ引き受けてみようかな。
─────────────
翌日の朝
”ほんとに来るの?”なんて思いながら家の前で待っていると、見覚えのある女性がこちらに駆け寄ってきた。
美月:おお、ほんとに待ってたんだ
○○:久しぶりにあって一言目がそれかよ。
美月との久しぶりの再会
ちょっとは感動的なものになると思っていたが、全くそんなことなかった。
美月:久しぶり。変わってないね○○は
○○:そっちこそ。
美月:え〜嘘。結構可愛くなったと思うけど?
○○:まぁ、そうかもね
美月:反応うす〜い
実際、見違えるように綺麗になっていた美月。
超人気アイドルは伊達じゃない
”可愛くなったね”なんて言ったら調子に乗るから絶対に言わないけど
美月:じゃあ、早速なんだけど。本題に入るね
○○:はやっ。
美月:マネージャーさんに無理言って、時間空けて貰ってるんだよ?
○○:まじ?それは申し訳ない。
美月:私だって時間があればもっと話したいよ
○○:また今度ゆっくり話そ
美月:うん!もちろん。
美月:でね、○○に紹介したい仕事なんだけどさ───
○○:う、うん。
美月:マネージャーとかどうかなって
○○:マネージャー……?
美月:そうそう。乃木坂のマネージャー。
美月:私ね、最近1人仕事が多くてさ
美月:心から信頼出来る人と過ごせる時間が減ってきてて辛くなることがあるから
○○:う、うん。
美月:だから、○○がマネージャーになってくれたら信頼出来る人も増えるし最高だなって
○○:そっか……分かった。
数年経った今でも信頼できると思われているのか……。素直に嬉しい
○○:考えとくね
美月:え〜もう。時間ないからすぐ答え聞かせてよ
○○:え、そんな急に……
美月:嫌なの?マネージャー。せっかく可愛い子いっぱいいるのに
○○:べ、別に嫌な訳じゃないけど……
美月:じゃあ、決まりね。
美月:スタッフさんから色々連絡してもらうから、指示に従って、しっかり準備しててね
美月:それじゃ。また今度ね
風のように去っていった美月
半ば強引に決められた気がしたけど、意外と嫌な気はしなかった。
〜つづく〜
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