ずる賢いと正直者の基準
最近働いていると何が正直で正しいのかわからなくなります。
正直者の定義とは
「嘘偽りを言って事実を曲げたり、他人を騙したりすることが出来ないまっすぐな人間性を持った人を指す」そうです。
つまり真面目に一切嘘をつかずに一貫したことを言う人間が正直者に当てはまるということです。
しかしこの定義は間違えているのではないかととても感じます。
正直者と呼ばれる人は自分の中にある常識を基準に物事を判断しており、
そもそも一貫性があるわけではないのではないかと感じます。
正直者だと周りから言われている人間は正直に言う為に平気で約束を破り秘密を暴露するし
約束を破っている時点で一部の人間を裏切っているのではないかと感じるのです。
そもそも秘密の内容がいかに悪くてもリークする理由にはならないし
信用して打ち明けた人間を裏切っていい理由にはならないのです。
正直者と呼ばれる人間の特徴にもうひとつ致命的な問題があります。
判断基準が倫理やモラル・感情になるのでブレるということです。
冷徹でひたすら論理的に仕事を進める人のほうがよっぽど正直者ではないでしょうか。
目標や目的のために冷徹になり一貫した行動をとり続けたり、ひたすら理詰めに感じるまでの論理的な話の展開で一緒に働く人に説明する人のほうがよっぽど正直者です。
正直者という言葉が嫌いで何をもって正直者とするのかが良くわからないのです。
自分の中に確固とした基準がなく、とりあえず道徳的に考えそれが正しいのか悪いのか判断する人間と
自分の欲に正直でまっすぐな人間
どちらが正直者なのかということです。
今の時代自分の中の基準がなく、とりあえずくだらない一般的な基準でしか判断できない人が正直者と言われ、目的のために人に嫌なことをお願いしたりできる人間がずる賢いといわれることが多いような気がします。
私の会社では優しくて目の前の仕事で毎日忙しく、任せられた仕事が全く進まず報告期限の日に何もできていないと報告をする先輩がいます。
彼は人当たりも良く、周りから「損をしている」とよく言われ
「正直者が馬鹿を見る典型的な例」として扱われています。
困っている人がいれば自分の仕事を後回しにして協力したり、自分の範囲外の仕事をしたりと本当にいい人です。
しかしこれが正直者でしょうか。
任された仕事はこなさない、期限を守らない、優先順位を決められない、
これでいったい何が正直なのでしょうか。
目の前に問題があり、その問題が気になるので飛びつくという意味では正直ものなのかもしれません。
しかし自分のまかされている仕事をこなせばその問題も無くなるのではないかというところまでは考えない。
困っている人を助けて感謝されることだけにフォーカスを当て、人から嫌われないようにだけ生きている。
そんな人が正直者と評価されるのであれば
嫌われてでもしなければならないことをこなし、会社の利益を守り
雇用を減らさないように、会社を大きくするために頑張っている私の方がまだ正直者ではないでしょうか。
周りからはずる賢いや要領がいいなどとまとめられますが人との摩擦を気にしてしなければならないことから逃げている人間と果たしてどちらがずる賢くて正直者なのでしょうか。
正直者という言葉なのかわかりませんが正直に生きることと何も考えずになんとなくいい人と思われたい立ち回りの人を一緒にするのはやめようと思える日でした。