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サイドバック

あくまでも私的感覚であり、この他にも大切なことは山程あるとは思いますので、参考程度にお願いします^_^


現代サッカーにおいて、もはやサイドバックというのは「攻撃的なポジション」です。

サイドバックの攻撃参加がなければ、人数をかけてピッチをワイドに使う攻撃はできませんし、サイドバックが攻撃に参加するだけでゴールの可能性というのは大きく上昇するといえます。

とはいえ、サイドバックはディフェンスラインに組み込まれたポジションですから守備力は必須。

スペースがあるエリアでボールを奪いに行くことも時には必要ですが、タッチラインによって180度しか自由がないサイドでボールを奪いに行くという戦術が現代サッカーで求められています。

そのため、1対1の強さがサイドバックには求められます。

また、現代サッカーの戦術の大きな割合を占める「ボールポゼッション」サッカーをするためにはボールを速く回す必要があり、そのためには選手間の距離を縮めることも必要です。

すると、必然的にサイドのスペースが広くなります。その広いスペースをカバーするため、サイドバックにはスピードも必要不可欠になるのです。

サイドハーフやウイングよりも外側を追い越す動きを「オーバーラップ」と言いますが、よくテレビなどでも聞きますね^_^

サイドバックの選手は、オーバーラップの動きが多ければ多いほど、相手にとって嫌な選手となることは間違いありません。

より外側を追い越すことで、相手ディフェンスラインは外側へ広げられ、中央にスペースが作られます。

また、サイドでゴールライン付近までボールを運ぶことが出来れば、中央のディフェンダーはマークする選手とボールを同じ視野で捉えることが難しくなり、ゴール前の選手にチャンスが生まれやすくなります。

それだけに、オーバーラップは攻撃時に必要不可欠な戦術の1つといえるでしょう。

従来はサイドバックが攻撃参加する場合、前述のより外側を駆け上がる「オーバーラップ」が普通であり、そこにスペースがなければ後ろでフォローするというのが今までのサイドバックの仕事でした。

しかし、サイドバックにさらに大きな攻撃力を求める現代サッカーの進歩により、サイドバックの選手がオーバーラップするスペースが無い場合、内側にできたスペースを使って、斜めに駆け上がる「インナーラップ」という攻撃参加方法が生まれました。

これによって、サイドバックの選手が求められるのは、センタリング能力や突破力といった攻撃力だけでなく、ゴール決定力までもが必要となってきています。インナーラップが成功しボールを貰えれば、直接ゴール方向を向いてゴールに向かう事ができます。すなわち、シュートに行く回数が増えるということになりますね。

インナーラップは外側から内側へ斜めに走ることを言います。(ダイアゴナルランの反対)

この動きによって、相手ディフェンスラインは、中央へ走り込んできたサイドバックをマークする動きをすれば、サイドラインに広がっているサイドハーフやウイングがフリーになれますし、内側に走り込んでインナーラップを仕掛けて来たサイドバックを、相手センターバックがマークに動けば、中央に大きなスペースができると同時に、サイドでは、サイドハーフ(もしくはウイング)と、相手サイドバックの1対1の状況になれます。

要するに、サイドバックがインナーラップを仕掛けることで、少なからずどこかにスペースができチャンスが生まれるのです。

ベジェリンやマルセロがインナーラップからの攻撃を得意としていますよね。

ベジェリンは、右サイドでボールをもらうとサイドラインにそって縦へ抜けるのではなく、相手のディフェンスを交わしながらペナルティエリアの中まで進入。
そして、ラストパスを出すことができる選手。

マルセロは、左サイドで相手のディフェンスからボールを奪い、自らボールをペナルティボックスまで運びます。ボックスの中にいたロナウドにパスを出すと、そのままゴール前に進入し、FWからリターンパスをもらって、そのままシュート。マルセロは、これで、得点まで決めます。

そしてさらに、新しいタイプのサイドバックは、攻撃を組み立てるのもサイドバックの役割として増えてくる可能性があります。

サッカー攻撃を組み立てるのは、本来は攻撃的な中盤、トップ下や司令塔といういわれる選手というのが従来のサッカーです。(とくに日本は中盤至上主義)でも、今では中盤はよりコンパクトで狭くなっているし、プレッシャーがきつくなってきました。

ですから、さらに一つ下がって、中盤の底から攻撃を組み立てることができる選手も増えています。こんな状況の中で比較的プレッシャーがかからないところは、サイドバックなのではないでしょうか。

ペップがバイエルンにおいて、ラーム、ダビド・アラバといったサイドバックにゲームメイクを求めたように、サイドバックがコーナーフラッグを目指してオーバーラップしクロスだけ上げてる時代は終わり。

1対1での圧倒的強さ、当たりに負けない屈強な身体、瞬発力、何度もスプリントできる持久力。

さらにはシュート力、ゲームメイクまで求められる。

まさにサイドバックはチーム1タフでチーム1身体能力に優れたヤツにしか務まらないポジションだと思います。

進化し続けるサッカー。

来年には、さらに進化したサイドバックが誕生するかもしれません。

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