アイネクライネ
米津玄師さんの名曲、
『アイネクライネ』
大大大ヒットした『lemon』より6年も前の、まだ米津玄師さんがこれ程までに有名になる前の曲です。
妹が大好きだった曲。
この『アイネクライネ』の歌詞の中に、
産まれて来た その瞬間に私
消えてしまいたい そう泣き喚いたんだ
って一節があるんですね。
これはねぇ、親としては何とも辛い一節だと思うんです。
産まれたての赤ちゃんがそんな事思ってるわけないし(いや分からないですよ確認しようがないからそういう子がいる可能性もないとは言えない)
米津さんの楽曲はこの一節も含めて素晴らしいと思っているのですが…
母親となる前は、
ちょっと病んでるけど素敵な曲〜♪と何の気なしに思っていました。
妹と、
「この歌めっちゃいいよねぇ!」とカラオケで歌ってましたし、
意識のないICUのベッドの上の妹にイヤホン越しに聴かせたりもしました。
そんな事を思い出しながら、
今改めて聴くと、
あーこの歌詞はキツイなぁ。
切ないなぁ。悲しいなぁ。
赤ちゃんっていうのは、
私達にとってはこんなにも待ち望んで産まれて来た愛しくてたまらない存在なのに、
(消えてしまいたい)と思ってたなんて悲しすぎるよ。
けれど実際、
新生児期はそんな事考えられないとしても、
身体や心が成長していく過程で、
もし親という立場の者が、また周りの環境が、
子供達に息苦しさや痛みを感じさせ、
(消えてしまいたい)と思わせてしまったならば…
そんな気持ちを抱えている子供達やそのまま大きくなった大人達は少なくはないという事実に、
どうする事も出来ないのに一人胸を痛めています。
けれどこの歌詞はこう続きます。
それからずっと 探していたんだ
いつか出会える あなたの事を
消えない悲しみも 綻びもあなたといれば
それで良かったねと思えるのが
どんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけては 溶けてゆくような
奇跡で溢れてたりないや
あたしの名前を呼んでくれた
母親である私としては、
消えたい、なんて思わないで済むように見守ってあげたいけれど、
大切にされていたはずの私でさえ、
もし私が死んだら親や友達は悲しむだろうなと頭では分かっていても自分の苦しみに耐えきれず消えたいって思ってた時期もあった。
アイネクライネのあの一節が大好きだった妹は、耐えきれずか(突発的なものだったとは思っているけど)本当に消えてしまった。
でもアイネクライネは希望の歌だから。
子供達が、
友達でも恋人でも、有名人でも、
人間じゃなくても趣味でもなんでも音楽でも。
(良かった)と思える何かにいつか出会えたらいいなぁと願っています。
そうそう、
妹は2016年に亡くなってしまったから、
2018年あれだけ日本中で流れていた「lemon」を聴く事は無かったんだよね。
まぁ妹は私に似て天邪鬼なタイプだから、
米津玄師がハチ名義で活動していたアマチュア時代からのファンの彼女は売れっ子になった米津玄師に興味を持たなかったかも知れないけど。
初めてカーラジオで「lemon」を聴いた時、
妹に教えてあげなきゃ!と思ったのを鮮明に覚えています。