見出し画像

おばちゃん、打ち合わせのためボスと外出する~アラカンの派遣その4

おばちゃんがメインで担当する業務の打ち合わせが依頼先でおこなわれるとのことで、対面でもあり、顔合わせの意向もあってボスに同行することとなった。

初めての電車はあいかわらずトイレの心配がつきまとう。念のため当日はおむつをしこんで出社した。時間的にお昼は外かな?とお弁当持たずで出社したものの、甘かった。早めのお昼を指示され会社内で合流地一緒に出かけるというものだった。とりあえずコンビニに走って、お腹がならないような、ぱぱっと食べられるもの、おにぎりしか頭に浮かばなかった。時間になって出発だ。

駅まではタクシー。時間の短縮とはいえ二人空間は緊張する。これが目的地まで続くのか。
「タイムカードの件なんですけど」ボスが話を切り出した。「今。残業がついていて今回は承認しましたが、本来、残業は上司指示があって行うものと考えているので」と。「まわりの方にうかがったら、出勤時間、退勤時間でつけていると教えていただいたのでそうしていました。これからは定時にいたします」とおばちゃん。「そうですね。お願いします。問題点あればおっしゃってください」とボス。おばちゃん、ちょっと納得していない点もあるが今日はおとなしくしていよう。

うわー、ちょっと険悪なムードの車中。ボスはきっと早く直接おばちゃんに伝えたかったに違いない。まだ本業に携わっていないばちゃんに出す残業代はないのも正論だ。実務に入ってから考えればいいことではあるが、あらかじめ想像がついていることもある。

おばちゃんの本業は、事務局担当で、問い合わせや書類にチェックだ。前職のテレアポでは架電準備として定時前の10分は朝残業を認められていた。電話専門部隊だからともいえるが、今回、契約時間=受付開始時間なのだ。当然5~10分前には準備のため出社するだろうが、それはサービスになるのかな?まあいいか。それだけが仕事ではないし、判断はボスだから。

タクシーを降りて電車に乗り換える。切り替えて、電車の中では今日の打ち合わせ内容の疑問点など話しながら、あっというまに目的地についた。

男性社員(小ボスとよぼう)と現地合流して打ち合わせ会議室へ。5時間コースと言われていた打ち合わせが始まった。ボスは「おなかがなると恥ずかしいからおやつ仕込む」とコンビニへ行き、おばちゃんも飲料と追加した。

2度目の事業のようで、先方の担当さんとも和気あいあいの雰囲気の中、派遣社員のしかもこの中で一番高齢のおばちゃんも挨拶して隅っこに座る。書類の読み合わせが始まる。事前に読み込んで、さすがに不自然な言い回しや、入力ミスについてはおばちゃんも頑張って声をあげてみた。さすがに半分くらいで皆さん疲労感がでてきたため休憩。トイレ休憩で安心安心。そして残り半分と、今後のスケジュール感をつめて終了。予定通り5時間コースとなった。

ボスと小ボスは会社に戻るが、おばちゃんは直帰となった。「あんからさん、今〇時〇フンなんで、今日はこの時間で残業つけてくださいね。駅はあっちだけどわかる?」わー、、、車中のNO残業話から、今日の打ち合わせ残業のここにつながっていたのか!

ふたりにご挨拶してひとりで帰る。ここから自宅まで1時間半以上かかる。なんでここにいるんだろう?とちょっと不思議な感じがした。トイレの心配もあって打ち合わせ中あまり飲めなかった飲料をぐびぐびと飲むおばちゃんであった。

いいなと思ったら応援しよう!

あんから
よろしければサポートをお願いいたします!テレビも冷蔵庫もそろそろ寿命(笑)