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韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領「非常戒厳」宣布
先日の韓国で起こった事件、ユン・ソンニョル大統領がプチクーデター、非常戒厳を宣布したにも関わらず、すぐに国会の方で解除の議決がされたことについて色々とお話していきたいと思います。
先日のニュースが話題になって、ご存知の方も多いとは思います。
今回の件に関しては長くなりそうではありますが、お話ししたいことを3つです。
韓国の次期大統領はおそらく反日の方になりそうだということと、あと在日三世で親日家の豊璋さんという方の意見は貴重かなと思います。
あと今回の件で緊急事態条項を日本でもどうだ、という話題が出てきましたので、私が過去に国会でお話した緊急事態条項のあり方などについても紹介できればと思います。
まず産経新聞の記事を紹介したいと思います。
3日深夜に韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣布したのに伴い、国会議事堂では銃を携帯した軍人がガラスを破って本会議場の建物に進入、議員らの活動制止を図った。軍部がクーデターを通じて政権を掌握した1980年代をほうふつとさせる事態に、市民らは衝撃を隠せない様子だった。
「常識では考えられず」
一晩のうちに非常戒厳の発表、解除と目まぐるしい展開を見せたソウル・汝矣島(ヨイド)の国会議事堂。本会議場前の階段では4日、正当な手続きを欠いた今回の戒厳は内乱罪にあたるとして、大統領の弾劾罷免や捜査の即時実施を求める抗議集会が開かれた。7歳の娘を連れてデモに参加した主婦、白羅凞(ペク・ラヒ)さん(50)は前夜の報道に接し「映画の中に入ったような不思議な気分だった。常識では考えられないことが起きた」と振り返った。
「大統領として、血を吐く思いで訴える。北朝鮮の共産勢力の脅威から大韓民国を守る」。尹氏が生中継で談話を発表し、非常戒厳を宣言したのは3日午後10時半ごろ。約20分後には警察が国会出入口を閉鎖し、議員の立ち入りを阻んだ。
さらに、武装した230人以上の戒厳軍が、ヘリコプターで国会敷地内に進入。職員らの抵抗に遭った軍人らは窓ガラスを割って建物内に入り、戒厳令解除の議決を進める本会議場を目指した。最大野党「共に民主党」は、戒厳軍が議決阻止に向け、戒厳宣布を「違法」と非難した与野党代表や国会議長を拘束しようとしたことが、監視カメラの映像で確認されたとしている。
「準備不足」に首傾げる
4日午前1時ごろ、戒厳解除を求める決議が出席議員の全会一致で可決されると、戒厳軍はすぐに撤収を開始。午前4時半に尹氏が戒厳解除を発表し、「緊迫の一夜」は幕を閉じた。一連の展開は、交流サイト(SNS)などに投稿された動画を通じ、リアルタイムで世界に発信された。
韓国メディアは非常戒厳が準備不足のまま実施され、国会決議によってわずか「155分」で効力を失ったと報道。事前に一切知らされていなかったという与党幹部は、出演したラジオ番組で大統領の狙いを問われ、「ミステリー」だと言葉少なに語った。
市民の間でも尹氏の真意をいぶかる声が多く聞かれた。与党支持者だというタクシー運転手の男性(74)は「多数を占める野党側がひどく乱暴な国会運営をしているのに、今回の一件で正当化されてしまう」と懸念を示した。ソウル市内の男性会社員(43)は、非常戒厳宣布に伴い証券市場などが乱高下したことを受けて「『錫悦兄ちゃん』は酒を飲みすぎたか、コイン(暗号資産の意)でもうけようとしたとしか思えない」と皮肉った。
一方、日本からの観光客の渡航などで、非常戒厳の影響は見られなかった。4日午後、母親との観光で仁川国際空港に到着した女性会社員(26)は「昨夜は報道を見て少し心配だったが、緊迫した雰囲気は一切ない。気にせず旅行を楽しみたい」と話していた。
今後の大統領がどうなるかということですが、おそらく弾劾が可決するかどうかは微妙らしいです。
そのあたりを紹介した読売新聞になります。
韓国の国会は少数与党です。
ユン・ソンニョルさんのいるところが与党で「国民の力」なんですけれど、108議席です。
最大野党の「共に民主党」が170議席となっているわけです。
弾劾可決ラインが現状、与党が全て反対すると可決しないんだけど、どうなるのかというところです。
韓国の 尹錫悦ユンソンニョル 大統領が戒厳令を宣布したことを巡り、野党側が提出した尹氏の 弾劾だんがい 訴追案が5日未明、国会に上程された。聯合ニュースによると、7日に採決が行われる見通し。政権を支える与党「国民の力」は訴追案に反対する方針を決めたが、造反者の規模次第で可決の可能性が残されており、採決は尹政権が存続できるかの重大局面となる。
弾劾訴追案は、国会(定数300)の在籍議員の3分の2以上の賛成で可決される。可決されれば、大統領の権限は即時停止され、憲法裁判所で弾劾審判が行われる。
現在、与党「国民の力」は108議席。一方、最大野党「共に民主党」は170議席で、野党が結集すると192議席となる。弾劾訴追案の可決には与党議員から8人以上が賛成に回る必要がある。
聯合ニュースによると、国民の力は5日未明、臨時の議員総会で弾劾訴追案に党として反対する方針を決めた。同党の 韓東勲ハンドンフン 代表は同日、記者団に対し、「大統領の違憲的な戒厳を擁護しないが、弾劾の混乱による国民への被害を防ぐために通過しないように努力する」と語った。採決は無記名で行われ、造反者がどれだけ出るかが焦点となる。
一方、韓氏は記者団に、尹氏に対して「離党を要求する」と語った。尹氏と距離を置き、与党としても戒厳令宣布を巡る混乱の責任を追及していく姿勢を示した形だ。尹氏は今後、さらに難しい政権運営を迫られることとなる。
ユン大統領にとってはここまでやってしまって、ある意味失敗したという形なのでなかなか大変だと思います。
いくつかX上のポストを紹介していきたいと思います。
国際政治学者の鈴木一人です。
しかし、ユン大統領、前職は検事総長だったわけで、法律には詳しいはずなのだが、こんな戒厳令の使い方をするのは相当なリスクがあるように思う。勝ち目があってやっているんだろうか? https://t.co/89wiMV3OWL
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) December 3, 2024
次に戒厳令が出された内容の紹介もあります。
とりあえずこれを読んでいてください。先ほどの会見の全文訳です。私は国会に行きます。#韓国非常戒厳2024
— 徐台教(ソ・テギョ, 서태교) (@DaegyoSeo) December 3, 2024
「尹錫悦大統領『非常戒厳宣布』会見」全テクスト(徐台教)#Yahooニュースhttps://t.co/VrhRk540EJ
基本的には一般市民にはあまり影響が出ないような配慮をされていたんじゃないかなとは思います。
この件、事件が起こったときに国会に氷点下だというのにすごい人がすぐに集まって、あとロウソクを準備していたということで、そこはすごい印象的でした。
日本でいうとプロ市民のような方が対策が打たれていたみたいな、そんな感じでした。
かなりユン・ソンニョル大統領が追い込まれているということです。
正直、準備不足であったというのは否めないですけれど、背景みたいなのは知りたいところであります。
ユン・ソンニョル大統領はご存知の方も多いと思いますけど、親日家で、今までの韓国だと国民が反日を好む傾向があって、その中で親日の大統領ということで、それもあって支持率も落ちていたというのがあろうかと思いますし、それに加えて奥さんのスキャンダルとかもあったんです。
それで支持率がかなり低下していて、近々失脚することも想定されていた中で、こういうことを行ったということです。
色々と背景があるのかなと思います。
背景も色々と言い出すとキリはないですけれど、興味深いところを紹介していきたいと思います。
「軍を動員して全権掌握」って一括りにごっちゃにされそうだけど、今回の韓国のは憲法に規定されてる権限の行使であって(実際、国会で否決されたら憲法の規定通りにひっこめた)、例えばペルーでフジモリがやったような憲法停止を伴う"Self-coup"とは異なるカテゴリーのものだと思います。
— 前田 耕 (Ko Maeda) (@MaedaPoliSci) December 4, 2024
"Self-coup"と昔ながらの軍事クーデターを厳密に区別してその両者のリスクがそれぞれどのような要因で変わるかについて、政治学者の中で世界で最初に分析したのは私です。↓の論文で。https://t.co/yQXBYENC7w
— 前田 耕 (Ko Maeda) (@MaedaPoliSci) December 4, 2024
イ・ジェミョン、今回の事件でだいぶ株を上げた気がする。次は彼が大統領か…。文在寅時代の1.5倍で日韓関係が悪化しそう…。 https://t.co/o4YyC3HcIS
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) December 4, 2024
今回、国会に入っていくまでのところを自分でライブ配信をされたということで、かなり話題になっています。
我々の事務所の方でも今回の件に関しては、NHKが報道をあまりしなかったことについては私は批判的に捉えております。
村上秘書がNHKに質問状を出していただいたということで、簡単にそちらも紹介したいと思います。
浜田聡事務所よりNHK経営企画局へ下記質問を送りました。回答が来ましたら公表します。
— 村上ゆかり (@yukarimurakami5) December 4, 2024
【質問】
韓国大統領が非常戒厳を宣布した後の昨夜からの報道について… https://t.co/WMstNGJG2T
NHKとしては批判されても致し方なしなのかなとは思います。
日本のメディアが全般全て報道していなかったわけじゃなくて、朝日新聞と毎日新聞だったかな。
そちらは記者さんが現地に行って、記者の方のXアカウントとかで写真入れで報告されてましたので、そこは評価したいと思います。
次、豊璋さんという在日三世の方、親日家の方で冷静な分析をされていると思いましたので紹介をしたいと思います。
おはようございます。
— 豊璋(ほうしょう)在日3世シリーズ書いてます (@hooshoo716) December 3, 2024
尹大統領・・・キレましたね(笑
『「私は北朝鮮共産勢力の脅威から自由大韓民国を守護し、韓国国民の自由と幸福を略奪している破廉恥な従北反国家勢力を一挙に撲滅し、自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布する」』… pic.twitter.com/JgRx55R7gE
尹大統領選で尹陣営の脱北者のまとめ役として戦った金興光先生に聞いて見た。
— 豊璋(ほうしょう)在日3世シリーズ書いてます (@hooshoo716) December 4, 2024
「今回の騒動は大統領としての権限範囲で否決されているから逮捕は無い。
だが、、、このネタで野党は大統領の追い落としにかかるのは誰が見てもわかる。… https://t.co/fItESCrlcv pic.twitter.com/zkqojtZv3D
続き
— 豊璋(ほうしょう)在日3世シリーズ書いてます (@hooshoo716) December 3, 2024
尹錫悦大統領が「非常戒厳」宣布
を出して速攻で国会前に人が集まり出したが・・・笑
動画で見られる人たち・・・これが反国家勢力の人たちなんですよね。
いつ何時も出動できる人たち・・・わはは
普通に暮らす人たちは家で「驚いた」となって出かけてないんですよね・・・わはは。… pic.twitter.com/sM8lyuvVXW
すぐに人が集まったことを指摘されておられます。
日本も似たようなことにはなりうるかとは思います。
それは国が違うので、全く一緒というわけではないですけれど。
韓国の歴代大統領は、任期終了後にほぼ全員が暗殺されたり投獄されているんですよね。ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は自分の身が危なくなると言う情報を掴んでいた可能性があります。 pic.twitter.com/SFsL18vKjG
— 不動産仙人 (@fgunshi) December 4, 2024
伝統的に韓国右派は軍部と警察と米国等が後ろ盾で、韓国左派は中国と北朝鮮と慰安婦団体等が後ろ盾です。なお、財閥は右派と左派まちまちだと言われています。日本も右派と左派で争っていますが、世界中どこでも似たような対立構造になっているんですよ。
— 不動産仙人 (@fgunshi) December 4, 2024
「悪の大統領vs正義の市民と野党」というマスコミにとって綺麗な物語には違和感を覚えます。今のところ、事実を検証しようが無いので、今のところは陰謀論になりますけどね。 https://t.co/vgMBYUcrBO
— 不動産仙人 (@fgunshi) December 4, 2024
米国が韓国と台湾を守る理由は「民主主義と資本主義」だからです。ウクライナを支援する理由もそうでしたね。しかし、今回の騒動で韓国の民主主義には疑問符が浮かびました。米国が韓国を守る理由が減ったという事です。 https://t.co/hgRGZvsqGq
— 不動産仙人 (@fgunshi) December 4, 2024
トランプ大統領がどういうふうに韓国を扱うのかっていうのも確かに気になるところです。
韓国の戒厳令の失敗を見て、左派は「民主主義が勝った。日本は韓国を見習え!」と喜んでいるようです。僕の目から見たら戒厳令が出されている時点で民主主義は死んでいると思います。 https://t.co/fHg5HroNN3
— 不動産仙人 (@fgunshi) December 4, 2024
韓国の現職大統領が悪だと切り捨てるのは簡単ですが、現職大統領が戒厳令を出すまで追い詰めた野党や北朝鮮や中国の陰謀があったのでは?と思いますね。これは全く検証がしょうがないのでいわゆる陰謀論になります。
— 不動産仙人 (@fgunshi) December 4, 2024
今回の戒厳令が失敗した事で、韓国は戒厳令を出す事がタブーになりました。国内でテロが起こっても、北朝鮮がミサイルを撃ってきてもいきなり攻めてきても戒厳令は出せなくなりましたね。少なくとも戒厳令を出すハードルは高くなりました。中露北朝鮮は高笑いでしょう。
— 不動産仙人 (@fgunshi) December 4, 2024
全員がそうとは言いませんが、韓国左派の主流は従北的、中露北朝鮮側志向ですからね。
— HAYASHI Tomohiro (@SonohennoKuma) December 5, 2024
だからこそ、ALPS処理水問題でも中露北朝鮮の「汚染水」プロパガンダと足並み揃えてきた。李在明代表は、処理水放出後も「日本人が世界の井戸である太平洋に毒を入れた」と、関東大震災ばりのデマを喧伝した。 https://t.co/l6LoOyYpJV
なかなか先が思いやられるなという感じです。
次は緊急事態条項に関する話です。
東浩紀さんを紹介させてもらいます。
今回の韓国騒ぎの教訓を、そもそも緊急事態条項は危険だから作るなと受け取るか、緊急事態条項をきちんと整備して不合理な強権発動を強制解除できるようにしておけと受け取るか、難しいところだけど、ぼくはどっちかというと後者ですね。コロナ禍で明らかになったように日本は空気が暴走する国なので。
— 東浩紀@巻頭言集2巻本、電子版で発売中 (@hazuma) December 4, 2024
両方の発想を持つというのは重要かなとは思います。
全く別ですから、日本の緊急事態条項は緊急事態を規定し政府を縛るものです。 https://t.co/8Y6AeskXpy
— 渡邉哲也 (@daitojimari) December 4, 2024
私もかつて国会でもそうですし、あとは選挙前のラジオ番組でも緊急事態条項に関してはお話をしています。
私のブログ記事なんですけど、その当該部分を紹介させてもらいます。
選挙中に更新したブログ記事になります。
ポイントのところだけ紹介したいと思います。
飯田浩司さんのラジオ番組での記事の抜粋になります。
飯田)結果によっては、憲法改正も現実味を帯びてきますが、NHK党はそこは歩調を合わせていく形でしょうか?
浜田)憲法を改正するかどうかというところについては、国民の皆さまが最終的に判断されることなので、最終的には国民投票には何とか持ち込みたいとは考えています。
(略)
飯田)憲法の具体的な条文で、9条の話や緊急事態条項など、いろいろな話が出ていますが、そこについてはどのようなところに焦点を絞りますか?
浜田)よく聞かれる質問として緊急事態条項がありますが、そこについては帝国憲法の制度設計を参考にしてもいいのではないかということがあります。帝国憲法は本当の緊急事態を想定して設計されています。議会そのものが開けないぐらいの事態を緊急事態として制度設計しているのですが、議会が開けないので法律がつくれないけれど、法律をつくらなければならないときのために「緊急勅令」という制度がありました。
関東大震災とか、あるいは二・二六事件のときを想定してもらえればと思います。
浜田)さらに、内閣も枢密院も機能しないときは、最後の手段として天皇自らが緊急勅令を出すということも可能であったわけです。さまざまな危機の可能性に備えて何段構えにもなっていたのです。このような緊急勅令にも国民の権利を制限することにもなるので、絶対条件としては、緊急勅令は一時的であること、次に議会を開くまでの暫定措置という条件も付いています。
最後は天皇の御聖断というところになる、それは日本のこれまでのお国柄みたいなところはあるんじゃないかなとは思います。
2.26事件の鎮圧と終戦の聖断は昭和天皇の歴史に残る英断だったと思うよ。
— 宇佐美典也(餃子屋とe-sportsチームのオーナーやってる制度分析屋です) (@usaminoriya) December 4, 2024
色々意見があることは理解するけど、オレ個人としては、昭和天皇は日本が世界に誇るべき稀に見る名君だったと思ってるよ。
心の底から慕ってる。
いろんな意見があると思いますけど、一つの参考になるんじゃないかなと思います。
色々と今回の件に関しては、私も韓国の事情にそこまで詳しいわけではないんですけれど、今回の件を通じて韓国にもっと目を向けなければいけないなという、そういう意識は高まったかなと思います。