石破新総理はコロコロ変わる?
石破新政権が発足しましたけれども、石破さんというのは自民党を変える、という期待を集めて誕生したわけですけれども、石破さんは「自民党を変える前に自分が変わってしまってるんじゃないですか」今日はそのことについて説明したいと思います。
石破さんは今まで長く特に安倍さんに対して厳しくいろんなことを言ってきたし、総裁選の間もかなりエッジの効いたことを言ってきたんですが、総裁・総理になった瞬間「あれ?」と。
今まで言ってることと時々逆のことを言ってて「大丈夫なの?」っていうことがあって、何よりは予算委員会でしっかり議論してから、そこで国民の皆さんに信を問うと言ってたんですけども、予算委員会も開かずにいきなり戦後最短で「解散やっちまえ」っていうのは本当に変節してるなと思います。
この石破さんをめぐる何とも言えないことモヤモヤ感を一言で、しかも英語で表してくれた人がいました。
その言葉が「flip-flopping(コロコロ変わる)」、変節漢っていうことなんですけど、この言葉をどこで見たかというと、細谷雄一さんという国際政治学者・日本の外交にも非常に見識のある方ですけれども、この細谷先生がTwitterにも書いてありました。
実は総裁選の前にTIMEという雑誌で、石破さんについてコメントを求められて、細谷さんがこういうふうに言ってんです。
世の中の雰囲気に合わせて大事な事柄についてflip-floppingする、コロコロ変わるっていうことで有名だって書いてるんです。
私がこれに対して、flip-floppingが「まさにこの言葉じゃん」と思ってリプライをしました。
それに対して、また細谷先生がリプをくれました。
極めて辛辣です。
私も思うんです。
20年前というわけではないけど、少なくとも10年前ぐらいの議論だなという。
私から見ても、かなり古い安全保障の議論をされているなという気がしました。
私も実は「持ち込ませず」って、これは日本の拡大核抑止のためにも核を搭載した船が日本の港に寄ることは認めないと、きちんとした核抑止が働かないだろうということで私は認めてたんです。
1990年以降のブッシュ政権ぐらいの時からアメリカの運用が変わって、具体的に核を搭載したかつてのような形で寄港するということはなくなっているのと、今現在の核抑止はグアム周辺で、1万4千キロぐらいの距離を正確に撃てる、いわゆるSLBMという潜水艦発射型ミサイルで担保されています。
実は地上に配備してい ると、そこから撃つとサイトが分かると、そこに集中攻撃を受けますから、やっぱりどこから撃つか分からなくしておく。
仮に一撃を喰らった時に第二撃が確実に自分たちの攻撃が来るということで核抑止は働くので、完全に全ての発射サイロを攻撃されるようなことが明かされていると核抑止は働きませんから、基本的には核抑止はどこから撃つか分からないという射程1万キロ以上の潜水艦発射ミサイルで担保されているのは現実だと思います。
そういう意味でいうと、かつてのように横須賀の港に寄るか寄らないかという議論は、昔ほどは優先順位がかなり下がっているので、核抑止を強化するために寄港するとか、あるいはましてや核シェアで核共有で、ドイツみたいに地上にそういった核を置くというような、そういったことの現実性というのは、いわゆる旧来型のニュークリア・シェアリング・核共有はNATOにおいてさえ時代遅れになってきているところがあります。
こういったことを踏まえると、
と書いているのはそういうことなんです。
石破さん心配しなくていいですから。
いずれにせよ、細谷先生の指摘は極めて辛辣かつ適切であって、石破さんに一言を言うと経験のある政治家だけど、flip-floppingでコロコロ変わると。
私が言ったのは、仰ってる議論自体も古いから、ただ総理になっていざ目の前の現実に向き合ったときに、「こんなことになってんだ」と気づいて、変えざるを得ないところがいっぱい出てくると思います。
だって10年前の議論で今持ち込もうとしたら、「何言ってるの?」ということになります。
だから正しく変わってほしいんです。
私は「良い方向に変わるんだったらOKですよ」って書いたのは「変節漢」って言われますけど、どうせ変わるなら良い方向に変わっていただきたいなと。
政治の世界では世の中も変わりますから。
時に考え方が変わるっていうのは必ずしも悪いことではないんですけども、10年くらい長く「アベノミクスけしからん」とか、そんなことを言ってきたわけですから、変えたことの説明責任はしっかり果たす必要があるんではないかなというふうに思います。
予算委員会もやらずに解散総選挙をやろうとしているので、そういったところから逃げようとしているのかもしれませんけども、是非、なぜ考え方を変えたのか、石破総理・石破内閣にはきちんと説明して、その上で解散総選挙を行うことが筋だということを改めて申し上げたいと思います。
今日は石破さんを表現する英語「flip-flopping」という一言を取り上げて、この間の石破総理・石破内閣の変節を解説させていただきました。