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ダボス会議に行ってきた!他では話していないここだけの話!

今日は、先日私が行ってまいりましたスイスのダボス会議について、ここだけしか聞けない話をお伝えしたいと思います。

ダボス会議って初めて行ってきたんですけど、ネットに対する書き込みなんか見てると必ず言われるのが「玉木さんもグローバリストの巣窟に取り込まれちゃって、ついにあっち側に行ってしまったのか」みたいなこと言われるんですが、まず結論から言うと取り込まれてませんし、むしろこの場に行かないと、グローバリストに取り込まれる取り込まれない以前に、日本は眼中にないです。
日本の政治的なプレゼンスっていうか存在感っていうのがダボスでほとんど示せていないというのは非常に残念だし危機感を感じたし、逆に私はこのダボス会議はもうめちゃくちゃ生かせるなと外交的にそう思いましたので、これからもどんどん行きたいと思いますし、日本の政治家はもっと行ったらいいなというのが正直な感想です。

どういうところかというと、まず世界の100を超える国々から、政治的なリーダーとかビジネスマンとか、あるいはNGOとかそういった様々な世界のリーダーが結集して、5日間ぐらい開かれるんですけれども、まず招待を受けた限られた人しか入れないということです。
日本から赤沢経済再生担当大臣と平デジタル大臣が行ってましたけども、外務省も入れなくて大使だけなんです。
その分、中は非常に自由に動き回れる。
会議がいろんなところで行われているので、あっちいったり中では移動するんですけれども、その分、自由に歩き回れるので前のアメリカの国務長官だったジョン・ケリーさんとか歩いてたんで、捕まえて挨拶して話しました。
ジョン・ケリーさんと話したら「色々あって今、日本の政治どうなっているの?」って言われたから「自公が過半数割れして、私たち国民民主党が4倍に増やして政治状況も大きく変わっているんです。」っていう話も説明しました。
外務大臣だった岸田文雄前総理とジョン・ケリーさんは外務大臣同士で日米で非常にいろんなことをしたということで「文雄によろしく」って言われたので、先日、本会議場で岸田元総理のところ行って「ジョン・ケリーさんがよろしくって言ってました。」と岸田さんにきちんと伝えました。

ちなみに私は正味2日間向こうにいましたけれども、5人の国家元首を含む16人の要人と会談・面談・ディスカッションをやりました。
まず16人の要人と会うには、いろんな国に行ってアポイントを取って外務省にお願いしてってやるんですけど、基本的に全部自分でやりました。

例えばベトナムの首相がお越しになっておられました。
ベトナムは2016年に原発の開発を1回やめるんです。
ただロシアのウクライナ侵攻とかあってエネルギー事情が非常に厳しくなって、2024年に原発の開発を再開するということを決められたので、「是非、原発の開発に関しては、中国とかロシアとかいろんな技術があるけれども、是非日本の技術と日本の企業を使って欲しい」ということをトップセールスで売り込んできました。

あとモルドバっていう国がウクライナの隣にあって、ウクライナ侵攻の時に難民がポーランドが一番多かったんですけど、実はモルドバも近接する国として受け入れていて、そういった人道支援を国がやっていました。
私はモルドバ議員連盟の副会長もやっていますので、その意味でもモルドバの首相も見つけて、お話をして携帯番号を交換しました。
そういうことが気軽にできるというところも非常に良かったなというふうに思います。

私が思ったのは、日本の中にいると悲観的な話ばっかりが聞こえてくるし、日本の将来は悲観的だって言ったほうが賢くこう聞こえるじゃないですか。
「玉木さんはどうなんだ?」って言われたから「私は日本の未来と日本のマーケットは非常にオプティミスティックだ、非常に楽観的に考えている。だから是非、日本との関係を強化してほしいし投資もしてほしい。あと中国が今経済は少し不安定なのと、アメリカの制裁もあるから地政学的なリスクがある。だからアジアパシフィックで投資するって言ったら日本でしょう。」ということを私は楽観的にアピールをしてきました。
そういう意味でも行って良かったなというふうに思います。

そんな中でも一番私が印象に残ったのは、2月ですけど、来月ドイツの選挙次第では首相になる可能性が最も高いと思われるCDUというキリスト教民主同盟があるんですけど、そこの党首、今は野党ですけど、野党の党首のメルツさんが演説をしてたんですけど、これが一番高印象に残りました。
まず非常に力強いメッセージを堂々と出していたということと、製造業の復活がドイツにとっては必要なんだと。
今の政権のもとにドイツの経済非常に悪いんで。
為替の関係で日本はドイツ抜かれたというが心配なくて、日本が伸びてますから。

ドイツは非常にも厳しい一番の理由は、エネルギーコストがめちゃくちゃ上がってるんです。
今までドイツが発展してきたのはロシアからパイプラインを引いて持ってくる天然ガス。
液化天然ガス、つまりLNGにしなくていいんです。
日本の場合は中東諸国からもLNGを持ってきてますけども、一旦ガスのものを冷やして液化してそれで船に乗せて運んできて、また液化したやつをガスに戻すっていう、ものすごいコストかかるやり方であってるんです。
ドイツの場合はパイプラインでロシアから液化せずにそのままガスを送ってくるから非常に安いガスの供給ができていたということと、あとこれはメルツさん本人が言ったけど「我々は原発ゼロだ・脱原発だ」と言いながらフランスの原発で発電した電力をヨーロッパのグリッドでもらってるんで、こういうところも現実に向き合わなきゃいけないということを言っていました。
とにかくエネルギーコストを下げるために、かつての原発ゼロ・脱原発は明確に「ミステイク」だと言ってました。

脱原発を脱すると。
脱・脱原発みたいなことを言ってました。
次世代型原子炉とか、あるいは核融合・フュージョンを含めた新しい核技術についてオープンに議論するということを明言していたのは大きいです。

もう一つ最後に一番印象的だったし国民民主党とも似てるなと思ったのは、そういった極端な論を言うような政治勢力の台頭を抑えるためにも、効果的な解決策、英語でレゾルーションズって言ってましたけど、「対決より解決が必要だ」みたいな事を言ってたんです。
「ウチじゃん、これ」と思って。
経済政策を重視するし原発も動かすし、そしては対決よりも解決ということを言ってるという意味では、非常に演説も力強かったし、私は一番これは印象に残りました。

それを踏まえて実はチャタムハウスルールって言って、喋ったことを外に出さないというルールで、非常に限られたクローズのディスカッションに私は加わりました。
その時に私が言ったのは「103万の壁を178万に上げる」ということを私は主張したんです。
何かというと、2024年に我々は日本では選挙があって私たちは4倍増えたと。
4倍に増えたんだけれども、移民排斥ということをガンガン訴えて4倍にしたわけじゃなくて、むしろ国内の頑張っている現役世代や若者の手取りを増やそうということを具体的に提案して、所得税の控除を103から178に上げるということを訴えて4倍にしたんです、と言ったら驚かれてました。

政治家は移民排斥とかにいきがちなのは何でかというと財源ゼロだからなんです。
タダでできるから。
だからそういうふうに走りがちなのと、もう一つはグローバリズムとか自由貿易ってどうしても国内に格差を生むんです。
アメリカでもラストベルトと言われる自動車で栄えていた、特にそこで白人中心に働いた人は職がなくなったり低所得になったり。
こういうことに対して国内政治がきちんとアプローチできないと、移民排斥ということになって、その運動が民主主義というプロセスを通じて、ある種正当な手続きを経てグローバリズムはダメだということになるので、実はトランプさんがやっていることは理論的には最も正しいというか、あり得るべき帰結に行っているわけです。
マルチラテラリズムというんですけど、多国間主義、WTOみたいな仕組みと、民主主義って両立しない。
あるいは両立させようとすると、どうしてもトレードオフという。
こっちを取ったらこっちが取れない、こっちを取ったらこっちが取れないということが生じます。

ダボスの場ですから「自由貿易というのがいいよ」という人が多いんだけど、でも我々政治家からすると、国内対策をきちんとやるということをセットでやらないと不満がたまって、結局、多国間主義というのはうまくいかないよねと。
ただ国内の格差の是正などを誰が担うのかということを、むしろしっかり話し合うべきじゃないかと。
自由貿易を進めていく国際機関はあるけれども、格差を是正するための国際機関ってあんまりないじゃないかということで、そういった負の側面を是正していくような仕組みを国際的にも国内的にも作らないと政治的にもたなくなるし、結果としてグローバリズムが滅びていくと。
非常に重要な時期に差し掛かっているので、単に「自由貿易を進めたらいいよね」ということでは済まなくなくなってるっていう現状です。
特に民主主義国家において我々政治家や政党は常にその問題に直面してるから「もっと踏み込んだ議論をしようよ」ということを言って時間切れになりました。

結論です。
日本の政治家はもっと行くべきです。
ただ問題があって、毎年通常国会の開会1月の後半です。
ここと重なるので、ダボス会議にずらしてもらうか、それかここには与野党に行くために国会改革の一つとしてダボス休戦ということで総理が行った方がいいと思います。

直近で総理が行ったのは安倍総理が言って演説したんですけど、岸田さんも菅さんも行ってないし、石破さんも行ってないので、是非行った方がいいなと。
ここに行って思ったのは、一番大きいコングレスホールの演説会場で千人を前に、世界のリーダーの前で話せるようなトップにならなければいけないなということで、改めて志高くやろうと。

なぜこういうことを思ったかというと、中国は大派遣団を組んで、多分国家もお金を出して、いろんな人を送り込んでいて、私がディスカッションした時に清華大学のプロフェッサーがいましたけど、非常に理路整然と「これからは中国が多国間主義や自由貿易を守っていく」みたいなことを言ってたんです。
アメリカは一方で自国に閉じこもっていくわけだから、戦後作ってきたいろんな国際機関とか秩序は、あたかも中国が前から自分が作ったかのように、言葉は悪いですけど乗っ取っていく可能性があるので、その中で自由主義勢力の一員として、日本がもっと果たす役割は大きいだろうと思いましたので、また来年も行きたいなと思います。
その時に何を発信するか。
今回初めてだったんで、いろんなことを押し込みながら、また世界の人脈をしっかり今回のことも一つのきっかけとして広げていきたいなと思います。

野党には外交ができないと言われるかもしれませんが、いくらでもできます。
日本も戦略的にダボス会議を使って、日本のプレゼンス・存在感を世界にアピールしていくことが必要だということを改めて感じたダボス会議でありました。

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