パピーミルとブリーダー①
ここ数年、「多頭飼い崩壊」とか「パピーミル」などネットニュースで凄惨な飼養状況を見るようになりました。目をそむけたくなるような環境で一生を過ごしている動物が世界中にまだまだたくさんいる、と思うと胸が苦しくなります。
ワンコやニャンコを飼っている方なら、パピーミル(仔犬工場)という言葉は恐らく聞いた事があり、排泄物の積もったケージの中で繰り返し出産をさせられた挙句に捨てられたり、引き取り屋に渡り、再びケージの中で死ぬまでただただ「飼育」される場合もあります。
サイテーよね!
と言っている方の飼っているワンコ達も多くは・・・パピーミルからペットショップに卸されて販売されており・・・つまりパピーミルの利益に繋がっています。
ウチのコはブリーダーから買ったの!
と言う方の多くは、パピーミルとブリーダーの決定的な違いを理解しておらず「ブリーダーと名乗るパピーミル」からワンコを買っており・・・つまりパピーミルの利益に繋がっています。
私はボランティア・トリマーもしているので動物保護団体さんの活躍は目にしていますし、心から尊敬しています。ああやって「誰かが自分の人生の時間を差し出さないと成り立たない動物保護活動」はいつか終わりが来るのかしら?と嘆く事しか出来ませんが・・・。
そんな保護活動をしている方々でも明確に
パピーミルとブリーダーの違い
を説明できる方はあまりいないのです。上記したように、パピーミルはヒドい環境でブリーディングしていて、ブリーダーはきちんとした環境で飼育し、ブリーディングしている・・・ワケではありません(汗)。パピーミルでも小規模で充分な管理、衛生的な環境を保ち、生涯可愛がって飼育している場合もありますし、ブリーダーでも、あり得ない数のイヌを所有し、不充分な管理で繁殖を繰り返している場合もあるのです。
私達プロフェッショナルから見ると明確な違いがあるけれど、一般的には区別が曖昧でわかりづらいので世の中には「ブリーダーから買った」と思い込んでいる「パピーミルから買った」飼い主さんが多くいらっしゃるのです。
今、何だか世の中は
Adopt Dont Shop(ショップで買わないで里親に)
にシフトして何だかショップで買ったワンコを持っている飼い主さんが若干気まずい雰囲気になりつつあるのですが(汗)私は決して「パピーミルから買った」事は悪い事ではないと思っていて、実際に需要もあるわけですし。もちろんホントにネットニュースになるようなずさんな管理のパピーミルはこの世の中から消滅して欲しいと思っていますが、きちんとそれなりに管理して繁殖しているパピーミルもあるわけですから、必要なのは一般の飼い主さんがイヌを迎えたい、と思った時にどこから迎えるべきかチョイスするための知識と劣悪なパピーミルを消滅させる法改正かな、と思います。
ペットショップでは残念ながら、繁殖された環境が選べないのでオークションなどで店頭に並んでいる仔犬仔猫はヒドいパピーミル出身の可能性があります。でも実際に門を開けて購入希望者に親犬を見せられる環境なら、現実には「パピーミル」でも別に良いのでは?と思っているのです。呼び方の問題?イメージかな(笑)
パピーミル=悪 で ブリーダー=善 では決してない
ちょっと長くなっちゃいました。シンプルな「違い」は次回また♪