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ワンコの歯磨きはホントに必要?

ペット、と呼ぶと不快に思う方もいるほどワンコは「家族」「パートナー」として文字通り、寝食を共にするようになりました。となると・・・だんだん気になるのが口臭・・・ではありませんか?

歯石、歯垢の付き方は個体により大きく異なり2~3歳でも思わず眉間にシワが寄るようなヒドいコもいれば、全く歯磨きなんてしてないのに14歳過ぎても奥までキレイなコも。もともとの体質(唾液の量や成分)、食事、食べ方などによるのでしょう。

でも何もケアせずにいれば、歯石、歯垢で菌が増え、大半のワンコは歯周病になり歯茎が赤く炎症を起こし痛がるようになります。この頃にはかなり臭いもキツくなってるはず。歯周病菌を毎日飲み込んでの生活ですから、内臓への影響もあり得ますし、痛みから食欲が落ちて結果的に体力もなくなり⇒寝たきりに・・・あるいは歯槽膿漏の膿が顔の中で溜まり、目の下あたりに穴を開けてしまう場合も。口臭だけでなく、歯のケアはワンコの命さえも左右する重要なケアと言えます。

ワンコはだれかがケアしない限り、自分では何も出来ません。

「食後には必ず歯磨きガムを与えてます♪」

という飼い主さんも少なくないけど、実際の効果のほどは・・・「とりあえず、何かオヤツを与えるなら歯磨き系にしとこう」的な(笑)「クッキーよりはイイネ♪」くらいに思っていた方が良いでしょう。もちろん、効果はワンコによりけりですがワンコも噛む「癖」があって左右片方だけで咀嚼するコもいるし、咬合も様々で42本全ての歯を使って食べるコはほぼいません。そう簡単に都合良くいかないものです。

ではどうしたら良いか・・・?正論を言えば、子犬の時から歯磨きに慣れさせてニンゲン同様に食後の歯磨き、を習慣にする事ですが大半の飼い主さんはなかなか継続出来ないのが現実ですよね。そこはトリミングと全く同じです。習慣にさえなればワンコもストレスを感じる事なく、例えば

ゴハン ⇒ 歯磨き ⇒ 歯磨きガム(ご褒美)

のルーティンを毎日こなすだけ、になるのですがなかなか続けられないのはニンゲン(笑)。でも毎日仕事、子育て、介護・・・と忙しく日々を過ごす飼い主さんが多いですから、「歯磨きしないなんてネグレクトじゃ!」とはさすがに思いません。また真面目で責任感の強い飼い主さんほど、頑張り過ぎて強引に歯磨きをして、どんどん嫌がるワンコを育ててしまう場合も。これもトリミングと同じですが歯磨きも「生涯」継続したい作業ですから、今日出来なくても、明日、来月、来年、5年後、10年後に今よりも出来るように行う事が重要なのです。

私のトリミング・サロンでもオプションで「歯磨き」を行っています。多くの飼い主さんが利用していて、当店に「歯ブラシ★キープ」をして毎回シャンプーやカットのたびに歯磨きをしているのですが、どんなにお利口さんにやらせてくれるコでも口を開けたまま下の奥歯の内側まで歯ブラシを入れさせてくれるコはほぼいません。そもそも数週間に1度ですから獣医さんの麻酔下で行う歯石取りのような効果は望めませんが、それこそブラッシングなどと同じようにご自宅ではイヤイヤするコもサロンではお利口さんに出来るコが多いです。おウチでは甘えてわがままでも、保育園では先生の言う事を良く聞いて頑張っている園児みたいな感じでしょうか(笑)?毎月、行っていますがそれでもスケラーで軽くこすると表面にはもう固くなり始めた歯垢が取れます。本当にガッチリ固まってしまった歯石は獣医さんのエリアですから、無理にチカラを入れて取るような事は避けるべきですが、かなりスッキリするコもいます。

こうしてオプションで歯磨きをオーダーする飼い主さんの半分は意識が高いので自宅でも頑張るタイプが多いのですが、とにかく早く効果を出したいと強引に行うと次回はもっと嫌がるようになるので、ほんの数分で良く褒めながらやってね、とお願いしています。また、なかなかやらせてくれないコには、まず歯ブラシを使ってオヤツやお肉のペーストなどを与えて、歯ブラシを口に入れる練習から、と3歩進んで2歩下がるペースを薦めています。ワンコは良くも悪くも(笑)頭の良い動物ですから、飼い主さんが心の中で「ヨシ、やるぞ」と考えながら近づいてくると、それだけで「何かされる」と警戒してしまい、拒否するものです。なかなか難しい、と皆さんおっしゃいます。

そして、もう半分の飼い主さんは「丸投げタイプ」です(笑)。自宅では歯磨きガムを与える程度で歯磨きはもう諦めてる状態。一生懸命やった挙句に諦めた方もいれば、そもそもヒドい状態になるまでワンコに歯磨きをするなんて思いもしなかった、という方も。

私個人の意見としては、歯磨きでワンコも飼い主さんもストレスになるくらいなら、止めちゃえば?と考えているので、トリミングサロンなどを利用の際に時々ケアして、10歳前後になったら1度、獣医さんで麻酔してスッキリとキレイにしてもらって、その後は出来る限り、キレイをキープしながら生涯を過ごせばヨロシイのでは?と思っています。

様々な考え方もあり、飼い主さんによって出来る事も出来ない事もあるでしょうけれど、間違いないのは出来る限り早くから始めて慣れさせる事。10歳前後になったら獣医さんで相談し、可能なら麻酔下でのスケーリングを検討する事、先送りしている内に高齢になってしまったり、心臓疾患が見つかって麻酔のリスクが上がり、出来なくなってしまうワンコも少なくないので、他人事と思わず、常に観察し、トリマーや獣医さんと連携して健康な歯をキープする事は、ワンコに長く元気に過ごしてもらうために重要です。

意識して噛めるニンゲンでさえ、ガムだけで歯はキレイにならないっしょ?

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