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要件定義基礎編 -要件定義って何?-

Webディレクターとして仕事をして上で、要件定義は避けては通れない工程です。しかし、しっかりとした要件定義を作ることは実はとても難しく、正しくできるWebディレクターは少ないのではないでしょうか。
今回はまず要件定義の概要についてお伝えします。


■ 要件定義とは

『要件定義』とは一般に、あるプロジェクトにおいて、必要となる機能や性能を明確にしていく作業を表します。
開発全体において実装(プログラミング)に使用する時間は 全体の2~3割 と言われています。
その反面、要件定義・設計などの上流工程に 全体の5割 を使用します。
要件定義はプロジェクト成功のために、非常に重要な工程で、あやふやなまま作業が進行すると、「発注者」、「受注者」間の意思疎通が取れず、プロジェクト破綻の原因となります。

欲しいものを自分で作るのであれば、頭の中に完成イメージがあるので問題ないですが、
発注者と受注者との意思疎通をして発注者の頭の中にあるイメージを明確化 しないと何を作れば良いか分かりません。

そのための意思疎通を目的として要件定義が存在します。
いきなり開発現場の話をするとややこしくなるので、まずはわかりやすい例から見ていきましょう。
とあるレストランが舞台です。

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お客様は「卵料理」を注文しました。
料理人は具体的に何が食べたいのかをしっかりとヒアリングせずに、自分の思い込みで「塩味の目玉焼き」を作りました。

ところが、お客様が欲しがっていたものは「甘い卵焼き」で、全く違うものが出てきてしまいました。
お客様の頭にある完成系と料理人の頭の中にある完成系のイメージが異なり
認識の相違が生まれてしまった形です。


■ 「要望」、「要求」、「要件」

要件定義では、発注者からの「要望」を、しっかりと「要求」、そして「要件」に落とし込んでいきます。
キーとなる「要望」、「要求」、「要件」を先ほどの卵料理を例にすると以下のような関係性になります。

要望:顧客が作って欲しいこと(もの)の抽象的な表現。
要求:顧客が作って欲しいもの(こと)の条件
要件:もの(こと)自身が満たすべき条件。

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先ほどのレストランの例を当てはめてみると

要望 = 「卵料理」というぼんやりとしたイメージ
要求 = 「卵焼き」なのか「目玉焼き」なのかといった完成した料理の形
要件 = 具体的にお客様が欲しいものを満たす「味付け」

と、だいたいこのような関係になります。

つまり、受注者はまずぼんやりとした「要望」が頭の中にある。
それを形に落とし込んでいく、どんな完成系かが見えてくるものが「要求」。
その形の中で具体的にどのような要素が含まれているのかを整理していくのが「要件」となります。


■ 失敗しない要件定義のために

具体的に「要件」に落とし込んでいくためには、
発注者側の頭の中にある完成系のイメージをヒアリングして、
その形を要素化し、発注者と受注者で共通のイメージを作り上げていくことが大切です。

先ほどのレストランの例を見てみましょう。

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先ほどと違い発注者の「要望」から、形としての「要求」、具体的な「要件」までヒアリングとして、認識齟齬をなくそうとしています。

『何を作れば満足なのか?』ヒアリングを繰り返し、明確に「合意」することが要件定義の目的です。
つまり、『要件定義 = 納品時に「これでOKだね!」と具体的に確認できる事前約束』ととらえていただければOKです。


■ まとめ

・要件定義はプロジェクト成功のために重要な工程

・要件定義は、「発注者」に「受注者」がヒアリングを繰り返し、と具体的に確認できる事前約束の「合意」を取り付けること「これでOKだね!」と具体的に確認できる事前約束の「合意」を取り付けること

・完成系のイメージを共有するために「要望」、「要求」、「要件」の関係性を理解することが大事!


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