面白い話を見逃さないために
人付き合いの大切さについて実感する出来事があったので、忘れないよう書き留めておこうと思う。
偶然知ったのだが、近々チェスのクローズドな大会が行われるらしい。内容はランドロビンのFIDE公式戦で、どうも知り合いだけを呼んだ招待制とのこと。目的は企画者がFIDEアービーターのノームを取ることを目的としているようだ。
まず、クローズドな大会を身内で開催してノームを取るという方法は驚きであった。これは自分自身全く考えたことが無かった。
本題から話は逸れるが、実は自分もナショナルアービーターの資格を持っていて、そのうち機会があればFIDEアービタ―も取りたいとも思っていた。だが、それは普通に国内外のオープンなFIDE公式大会へアービタ―として参加する方法だろうと、何となくあった固定観念に囚われてしまっていた。元々そのうち取りたいぐらいの弱い気持ちだったのもあるが、こういったことは頭を柔らかくして考える必要があると反省した。
今回この話を聞いて痛感したのは、日ごろの人付き合いの大切さである。もしもこの大会の企画者と自分が懇意にしていれば、例えば具体的に言うと企画者のホームとなるチェスクラブへ定期的に顔を出していれば、この面白い話に一枚かむこともできたかもしれない。アービーターとしての参加は無理でも、こういった方法があると偶然に頼らず知ることができたかもしれない。少なくとも、プレイヤーとして招待される程度に付き合いがあれば、情報を得られたはずである。つまりは、日々の人付き合いとこういった大事なチャンス繋がっていると実感したのだ。
自分は元々人付き合いは極少人数で深く派である。広く薄い人間関係では相手にどう思われているのかをついつい気にし、ストレスをため込んでしまうためである。また、自分の気質で大きなコミュニティーで集まることを無意識のうちに毛嫌いしてしまっている自覚もある。
しかし、弱い繋がりは自分が日常的に接していない情報に触れる機会を与えてくれる。SWT(Strength of Weak Ties)理論と言われており、自分も知識としては知っていた。しかし、実際に体験をすると予想以上に大きな影響があることを感じた。
別の話として、最近仕事でほぼ置物として連れてこられた外部組織との会議にたまたま出たところ、タイミング良くタイで3週間の面白そうな仕事の話が出てきて、自分が良かったら行ってこないかと誘われたことがある。是非行きたいと声を上げたがもろもろの事情で流れてしまったとはいえ、このような偶然による機会は実はそこら中に転がっており、それに触れることができるかはちょっとした人付き合いで決まるのかもしれない。
今回の気づきによって自分の行動が劇的に変わることはないが、普段行かない場へ足を向けることへの積極性を少し意識的に上げていこうと思った。