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犬アトピー性皮膚炎との戦い方大全【お薬解説とくすり以外にできること】
アトピーのせいで愛犬の痒みが治まらなくて、かわいそう。
お薬の量が多くて大変。投薬の手間もあるしお値段も高いし。何とか薬以外でできることはないだろうか。
そんな飼い主さんのための記事です。
犬アトピー性皮膚炎は、犬の皮膚疾患の中で最も頻繁に発生する疾患です。
とにかく「痒み」が一番の症状になります。
目に見えない小さなダニや、そのダニの糞に含まれる成分に対し、体が過剰な炎症反応を起こすことで痒みを生じると考えられています。
顔周りや脇、お腹、足の裏、お尻周りなどに赤みが出て、激しい痒みを生じます。
現在では、痒み止め薬のレパートリーが随分と増え、安全性が高くて効き目の強いお薬が開発されたため、痒みコントロールは以前と比べて楽になりつつあります。
それでも重度の犬アトピー性皮膚炎の子は、ステロイド剤や免疫抑制剤の力を借りざるを得ず、これらの薬は時に全身の副作用を来たして問題となります。
重症度にもよりますが、実はお薬以外の方法で犬アトピー性皮膚炎の病状を軽くしたり、お薬を減薬できる場合があります。
つまり、犬アトピー性皮膚炎の治療は、総合格闘技のようなものです。
この記事では、犬アトピー性皮膚炎の治療について、
痒み止めのお薬の解説(効き目や特徴、副作用など)
お薬以外にできること(保湿剤や食餌療法)
の2本立てで解説していきます。
現在、愛犬の犬アトピー性皮膚炎で悩んでいる方、これから犬アトピー性皮膚炎と付き合っていく方には、ぜひ、参考に目を通していただけると幸いです。
犬アトピー性皮膚炎の治療薬
まずは、一般的に犬アトピー性皮膚炎に対して使われる飲み薬4種について勉強しましょう。
それぞれの特性をまとめると以下のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1658916087193-igXpU3z8cf.jpg?width=1200)
それぞれの使い所や注意点について解説していきます。
※お薬に特化した詳しい説明は、お薬辞典を参照してください。
オクラシチニブ
製品名:アポキル
今や犬アトピー性皮膚炎の治療の第1選択薬とも言える、アポキル。
比較的最近開発されたお薬ですが、痒み止めの効果は抜群だし、副作用も少ないし、投与後すぐに効果が現れるし、超頼れるお薬です。
分子標的薬といって、痒みを引き起こすスイッチに直接アタックして、痒みをブロックします。
痒みスイッチだけをブロックするので、炎症全体を抑える作用はやや弱め。
皮膚病変が酷くてゴワゴワに黒ずんでいたりする場合は、プレドニゾロンやシクロスポリンの力を借りる必要があります。
しかし、逆に言うと痒みにピンポイントにアタックするため、目立った副作用はありません。副作用のチェックは、定期的に健康診断を受ける程度でOKです。
皮膚病変があまり酷くない子、痒み症状だけが認められる子には、最適解と言えるでしょう。
難点はコスト。
非常にお高いお薬でして、中型犬だと1日400円、1ヶ月に1万円以上かかることも。
このコストさえ許容出来れば、継続的な痒みコントロールには、持ってこいのお薬です。
1歳を超えないと使用できないこと、ステロイド剤やシクロスポリンとの併用ができないことが少し残念なポイントです(ステロイドの塗り薬とは併用できます)。
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