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【獣医師が厳選】子犬をお迎えする前に準備しておくべき必須アイテム

こんにちは!犬猫の獣医師、あんじゅ(@vets_magazine)です。

  • 子犬を迎え入れることになったけど、何を準備しておけばいい?

  • 色々な商品がありすぎて選べないから、獣医さんおすすめの商品が知りたい!

という飼い主さんのための記事です。

犬を飼うと、たくさんの犬グッズが必要になります。

これらをすべてリスト化し、さらに獣医師目線でおすすめの商品も紹介したいと思います。

お迎えしてから、「あっ!〇〇を買ってなかった!!」と慌てないよう、準備しておきましょう。

絶対に必要なもの

まずは、子犬をお迎えするまでに絶対用意しておきたいグッズをご紹介します。

ケージ

子犬は想像もしない動きをしたり、想像もしないことをしでかしたりします。

「とりあえずここに入れておけば、安心して家事ができる…!」という場所が絶対に必要です。赤ちゃんでいうベビーベッドのようなものです。

たとえ狭いワンルームで飼育するとしても、ケージはあったほうが良いでしょう。

ケージの将来的な使いみちは様々です。

我が家では以下のように使いました↓

ケージの使い方の例

子犬のうちはケージ内にクレートを設置し、基本クレート内で落ち着いて過ごせるようにしつけます。残りのスペースにトイレシーツを敷いて、トイレとして利用します↓

子犬のときはクレートとトイレを併設

2歳になった我が家の犬は、現在はケージをまるっとトイレとして利用しています。留守中や普段の生活はリビングルームで放し飼いです。クレートは落ち着く空間として認識しているようなので、蓋を開けた状態で解放しています。

成犬になってからは、ケージの中は完全にトイレです


クレートの中は落ち着くみたい

このあたりのケージの使い方は、「ケージをどのような空間として利用したいか」で決めればOK。

  • 留守中、犬をケージ内で過ごさせたい ⇒ ケージ内にベッドとトイレ、両方設置。

  • お部屋の中を自由に過ごさせたい ⇒ ケージをトイレとして活用。

といった感じです。

いたずらっ子な性格であれば、ケージ内で留守番させる必要がありますし、その子の性格によって使い方は変わります。

いずれにしても、ケージは生涯に渡って必要なアイテムです。準備しておきましょう。

おすすめは、掃除がしやすい構造のケージです。

トイレとして利用する場合、定期的に掃除しなければいけません。いくらトイレシーツを敷いたところで、はみ出した尿の臭いがどうしても付いてしまいます。

犬はキレイで清潔なトイレじゃないと嫌がります。掃除が苦にならないよう、掃除のしやすさを重視して選ぶと良いでしょう。

私はアイリスオーヤマのケージを使っています↓


クレート

クレートってこういうもの↓

お出かけの際の必須アイテムです。
また、災害時にもクレート内で過ごしてもらう場面が想定されます。

  • クレートって狭すぎない?

  • こんな狭いところ、入るのも嫌がりそう・・・

と思われる方が多いですが、ちゃんとクレートトレーニングをすることによって、クレート内が落ち着く空間になるはずです。

トレーナーさんがよく仰るのは、「元来犬は暗くて狭い洞穴を好む性質があり、クレートはそれに近い性質をもつため、気に入ってくれるはずだ」という主張です。

これが、どの犬にも当てはまることだとは思いませんが、クレートトレーニングが必須なのは事実です。

どんな状況でも、クレートの中では落ち着いて過ごすことができるよう、躾けておくことをおすすめします。

参考⇒ロイヤルカナン「子犬にクレートトレーニングを行う方法」

おすすめのクレートは、上半分がパカッと取り外せるタイプのクレートです。

上のようなクレートは、側面に接続ジョイント部分があり、ジョイントを取ることで上下に分かれる仕様になっています。

例えば動物病院での診察のとき、上半分が取り外せないと、上フタか側面扉から出すことになります。

しかし、その方法だと、犬によっては出すのに苦労することがあります。

動物病院は多くの犬にとって怖い場所ですから、クレートから出るのを嫌がり、奥にどんどん引っ込んでしまって、なかなか出せないという事態になりがちです。

側面扉から手が入ってきて無理やり出されるって、犬にも恐怖を植え付けそうですよね。

おやつで釣っても出てこないときは、キャリーをひっくり返して無理やり出すことも。

獣医師目線でいえば、上半分が解体できるタイプのクレートで連れてきてもらえると、ありがたいです。

サイズも重要です。

クレート内で、犬がくるっと一回りできるくらいの余裕はあったほうがいいですね。

小型犬は小型犬用のクレートを選んでおけば、おおよそ外れません。どれも似たようなサイズ感です。

中・大型犬用のクレートは、あまり商品の選択肢がありません。

以下の商品は、大きいサイズのラインナップも充実しているので、中・大型犬を迎え入れる予定の方はご検討ください。目安となる体重帯も記載されています。


ちなみにこの商品、上の蓋が取れないタイプですが、問題ありません。(というより、仕方ありません。)

体重が大きい犬が入ることを想定しているので、耐久性を考慮すると、上蓋が外せない仕様のほうがむしろ安心でしょう。

持ち上げた時に下半分が落ちてしまったら大変ですからね。

トイレシーツ

トイレシーツは多めに準備しておきましょう。

トイレシーツは、商品によって吸収力が全然違います。

薄いシーツは吸収力が弱く、厚いシーツはかなりの量をすぐに吸収してくれます。

薄いペットシーツだと、尿が完全に吸収されずにベタベタのままになってしまうことがあり、犬が踏んで尿が肉球に付いてしまうことも。

薄型のほうが値段的には安く感じますが、1回おしっこをしただけで交換しなければいけなくなるので、結果的にコスパが悪いです。

薄いペットシーツは実用的ではないので、厚めのペットシーツをおすすめします。

また、獣医師目線でいうと、できれば白色のシーツが好ましいです。

白色のペットシーツだと尿の色の変化や尿量がわかりやすく、尿の異常に早く気づくことができます。


ドッグフード

子犬を迎えてすぐのときは、ペットショップ(やブリーダー)で食べていたフードと、同じものを与えるのが無難です。

ただでさえ居住環境が一変してストレスを受けますから、せめてドッグフードだけは同じものを食べさせてあげましょう。

おうちに慣れてきたら、フードを変更してもいいでしょう。
変更するときは、1週間かけて、徐々に変更します。

フードの選び方は以下の記事で詳しく解説しています。

結論だけお伝えしておくと、

  • ロイヤルカナンかヒルズがおすすめ

  • 全年齢対応フードではなく、子犬用フードを選ぶこと

この2点だけは覚えておいてください。

子犬用でおすすめのフードを、いくつか貼っておきます。

小型犬用↓

大型犬用↓

お金に余裕がある人は、以下のサイエンス・ダイエットPROシリーズがおすすめです↓


餌と水のお皿

フード用とお水用に、お皿を2つ用意しておきましょう。

使い勝手の良さから、陶器のお皿がオススメです。

プラスチックだとフードの臭いがつきやすく、軽いために犬が動かしてこぼしてしまうことがあります。

また、金属製のお皿は電子レンジでチンすることができません。カリカリをふやかして温めたりするときに不便です。

陶器の器であればこれらの問題は解説します。

動物病院でも陶器のお皿ばかり使っています。

また、食餌台も併せて用意すると尚良いです。

少し高さを出すと食道の向きが下向きになるため、食べ物が胃へ落ちていきやすく、食後嘔吐の予防になります。

以下のように、もともとフードボールに脚が付いているタイプもいいですね!

そして、個人的には自動給餌器を最初から導入してしまうのもオススメです。

自動給餌器にはたくさんのメリットがあります。


自動給餌器のメリット

  • 空腹時嘔吐と食べすぎによる嘔吐が激減(胃腸の負担を軽減)

  • 災害対策になる

  • ごはんの与え忘れを防げる

  • ダイエットの成功率が上がる

  • 商品によっては見守りカメラも付いていて安心


特に子犬のうちは、「胃腸の負担を軽減」する効果が重宝するでしょう。

私は、子犬を飼い始めた飼い主さんに、「1歳までは、1日3回以上に食餌回数を分けて与えてください。」と指導しています。

子犬は胃腸が弱く、一気に食べすぎて嘔吐や下痢をしてしまうことがあるからです。

1日に与える食餌量はそのままで、回数を分けて少しずつ与えるようにすると、それだけで嘔吐回数は減るはずです。

自動給餌器があれば、給餌量の細かい調整も簡単です。留守中に昼ごはんをあげることもできます。


また、自動給餌器は体重管理にも役立ちます。

特に避妊去勢手術を受けたあとは肥満になりやすいですから、今は大丈夫でも、いずれ体重管理の悩みを抱える可能性があります。

自動給餌器はきっちり決まった量を出してくれるため、飼い主さんがザックリと給餌するよりも正確な量を与えることができ、体重の増えすぎを防ぐことができます。

上記のカリカリマシーンSPという商品がオススメです。なぜなら、見守りカメラまで付いているから!

子犬のうちは、何をやらかすか分かりません。

食べてはいけないものを食べてしまっていないか、コードが体に絡まったり、イタズラをしたりしていないだろうかと、留守中の様子が気になります。

そんなときに見守りカメラがあると、スマホから様子が確認できるため、非常に便利です。


お散歩グッズ

お散歩は、おうちに少し慣れた段階で、できるだけ早く開始することが望ましいです。

最初は地面にいきなり下ろすのではなく、抱っこ散歩をおすすめします。

抱っこ散歩であっても、安全のため首輪とリードを付けて外に連れ出しましょう。

首輪はしっかりとサイズが合ったものを選び、あまりにも安価で耐久性が弱そうなものは避けましょう。激しく動くとブチッと切れることがあります。
リードも耐久性を重視し、伸びないリードを選んでください。

伸びるタイプのリードは、コントロールしづらく事故につながりやすいです。

コラム:散歩はいつから始める?

「子犬は免疫力が弱いから、3回目のワクチン接種が済むまで家から出さないようにしたほうが良い」と聞いたことがあるかもしれませんが、最近この主張は否定されつつあります。

2回目のワクチン接種が済んで数日経ったら、抱っこ散歩を始めることをオススメします。

お家に子犬を迎えいれるタイミングは生後7週以降ですが、この時子犬は社会化期という重要な時期に突入しています。

社会化期とは、ざっくり生後4週〜3ヶ月半までの期間を指します。この時期は、いろいろな人や環境、刺激に適応する能力を身につける時期です。まだ警戒心が弱く、外の刺激を柔軟に受け入れることができます。

社会化期には、たくさんの刺激に触れさせることが重要で、この時期の過ごし方によってその後の愛犬の性格が左右されるといっても過言ではありません。

2回目のワクチン接種は、1回目の接種の3〜4週間後なので、10〜12週齢くらいになるでしょう。そして、3回目のワクチンは更にその3〜4週後で16週齢を超える場合があります。

16週齢を待って家の中に閉じこもっていたら、社会化期はとっくに終わってしまいます。

2回目のワクチンが終わったら抱っこ散歩に連れ出し、多くの人からおやつをもらう練習をしてください。これはとても重要な作業です。

できるだけ準備したほうがよいもの

滑り対策グッズ

余裕のある人は、床の滑り対策を行うことを推奨します。

特にリビングの床がフローリングのお宅では、何らかの滑り対策をしておくべきです。

犬にとって、フローリングは滑りやすくて苦手な材質です

カーペットや、ザラッとしたコンクリートなどの滑りにくい材質を好みます。

特に子犬は歩き方がまだ不安定なので、フローリングで走って、すってんころりんコケてしまうこともあります。

私の愛犬は子犬の頃、フローリングの部分が怖くて歩けませんでした。

足腰のためにも滑り対策は重要です。

犬種にもよりますが、トイプードルやチワワ、柴犬などの人気犬種には膝蓋骨脱臼という膝の先天性疾患が多く、ミニチュアダックスやフレブルさんには椎間板ヘルニアという背骨の病気が多いです。

床が滑りやすいと、膝や背骨、関節に負荷がかかりやすいため、これらの犬種を飼う飼い主さんには特に滑り対策を推奨します。


犬用ベッド

我が家では犬用のベッドも用意してあります。

犬はよく寝る動物です。寝るのが仕事みたいなものです。

硬い床よりもふわふわのベッドで寝たいのは、犬も同じらしく、うちの犬はほとんどお膝の上か犬用ベッドの上で寝ています。

入院中の犬に毛布をふかふかに敷いてあげると、大体の子がベッドで寝ます。


おやつ

子犬をお迎えしてから早速取り掛かるべきことは、「しつけ」です。

しつけに必要なものといえば、おやつです。

トイレトレーニング、おすわり、歯磨き、、、

色々な成功体験のあとには、おいしいおやつをあげることが重要です。

子犬のうちは、どんな些細なことであっても、褒めておやつを与えるようにします。

例えば、体中を触られる練習。おやつを与えながら、顔周りを触ったり、足を触ったり、頭をナデナデしたりします。

このように、頻繁におやつを与えることになるので、一個一個が小さくて、回数を稼げるおやつがオススメです

大きいおやつだと、何回も与えるうちにカロリー過多になってしまうからね!

我が家では、しつけ用のおやつとして、ささみふりかけを使っていました。ふりかけなので粒がかなり小さく、ご褒美として与えるにはピッタリです。

パピー教室の同期の子犬ちゃんにも分けてあげましたが、全員美味しく食べてくれたので、かなり嗜好性に優れた美味しいふりかけなのだと思います。


歯磨きグッズ

歯磨きはいつから練習すればいいですか?

と聞かれることがありますが、おすわりやお手と同じタイミングで、早めに始めてください。早すぎることはありません。

理由を解説します。

犬は、基本的に体を触られることが好きではありません。

あちこち触っておやつをあげて、そうしているうちに触られることに慣れていきます。

口の中なんて、練習なしに触らせてくれる子はほとんどいません。

初めから歯ブラシをしようなんて無理です。

すごーくゆっくり、ちょっとずつ、じっくりと練習しなければいけないので、時間がかかるんです。

だからこそ、なるべく早く歯磨きの練習を始めなければいけないのです。


歯磨きの練習ステップ

  1. 最初3日間の目標は、マズル(口)を連続5秒間触ること。

  2. 次の3日間の目標は、唇をペロッとめくること。

  3. 次の3日間の目標は、口の粘膜を触ること。

  4. 次はガーゼで歯に触ること。

  5. それを5秒間継続すること。ガーゼで歯をこすること。

  6. 奥歯を触ること。奥歯を5秒間磨くこと。

・・・といった感じで、本当にゆっくりゆっくり、訓練していきます。

嫌がったら前のステップに戻ってやり直してください。

嫌がらずにできたら、ご褒美をあげる。この繰り返しです。

地道ですが、歯磨きは超重要なので、お迎えして1週間以内には少しずつトレーニングを始めるようにしてください。

おすすめの歯周ケアグッズは以下の記事にまとめてありますが、とりあえずガーゼと歯磨きジェルがあれば十分です。

あると便利なもの

最後に、絶対に必要ではないが、あると便利なものを紹介します。

見守りカメラ

前述のように、見守りカメラは子犬の時期ほど重宝します。

留守番の練習をするとき、留守中の子犬の様子はどうしても気になりますからね。

また、動物病院で駆け込んできた犬のなかには、「見守りカメラありがと〜〜!!」という事例もいくつか経験しています。

  • 事例1:誤食を早期発見できた

  • 事例2:術後の傷口を舐め回しているのを早期発見

  • 事例3:てんかん発作が起きているのを発見

・・・といった感じですね。

一台持っておくと安心なのが、見守りカメラという代物です。

先程紹介したカリカリマシーンSPは、自動給餌器、兼見守りカメラと1台2役担ってくれます。

ちなみに我が家の見守りカメラは、ドッグカメラの王様、『Furbo』です↓

ペットシッターという機能が秀逸で、犬が何か行動を起こす度に、スマホに通知してくれる高機能ドッグカメラです。

消臭スプレー

トイレトレーニングは1日にしてならず。

トイレトレーニングが完了するまでの間、子犬は絶対におもらしをします。

思いもよらない場所におしっこをかけられることも。

床に尿の臭いが付くと、そこをクンクンしてまた同じ場所でおもらしをされることがありますから、消臭スプレーを準備しておくといいです。


キャリーリュック

犬を連れて移動したり、旅行に行ったりする頻度が高い場合は、キャリーリュックも便利です。

私は毎朝犬連れ出勤で職場に犬を連れていくので、キャリーリュックは非常に重宝します。

私は↑のリュックを使っているのですが、見た目が普通のリュックなんですよね。中に犬がいる感じがしません。

新幹線や電車に乗るとき、クレートで移動するといかにも「犬がいます!」という感じで注目の的になってしまいますが、上のキャリーリュックだと、犬がいることにすら気づかれません。

気兼ねなく犬とお出かけできるので、気に入っています。

ちゃんとメッシュが入っていて呼吸できるようになっているし、がま口なので犬が出入りしやすい造りになっています。

サイドのポケットには、お水とおやつ、予備のトイレシーツ1枚を入れています。

私の犬は2.5kgのトイプードルなので、比較的余裕がありますが、これより大きい犬には少し狭いかもしれません。サイズはよく確認してください。

犬の様子が外から見やすいキャリーリュックも売っていますが、あまりオススメしません。

外から中の様子が見やすいということは、中から外も見やすいということ。
犬が外の世界に興味津々になってしまい、「出して出して!」とガリガリしたり吠えたり、落ち着いて寝てくれないことが予想されます。
真っ黒で目隠しできるリュックがおすすめです。


洗い流さないシャンプー

洗い流さないシャンプーがあると、色々な場面で役に立ちます。

私の動物病院では、上記の商品を、肛門腺絞りのあとのお尻拭きに使っています。

例えば、ウンチでお尻が汚れてしまった場合や、散歩帰りに足元が汚れてしまったときに、いちいちシャンプーするのも面倒です。

そんなとき、洗い流さないシャンプーを濡れ雑巾に乗せてパパっと拭けば、だいたいの汚れは取り除けます。

1本持っておくと便利ですよ!

まとめ:準備万端で子犬をお迎えしよう!

はじめて犬を飼う人は、何をどう準備していいのか、わからないことも多いかと思います。

私のnoteでは、臨床獣医師として日々動物たちの診療にあたっている筆者が、

  • 本当に動物のためになると判断したアイテム

  • エビデンスに基づいた正しい知識

  • 適切な予防医療や病気の早期発見のための知識

を飼い主様にお届けしています。

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