【声優養成所講師が】無声音のルールをやさしく解説!
どうも、福原安祥です。
ナレーターをしたり、声優養成所の講師をしたり、会社の経営をしたりしています。
今回のテーマは「無声音」です。声優やナレーターになりたいなら避けては通れないところですね。
ただ、多くの新人さんがガッツリ避けて通りたいところでもあると思います。笑
お勉強的な要素が多いですからね…当然だと思います。今回はやさしーく解説していきますね。
以前質問をいただきました。
「無声音についてすごく気になるです!ルールだけ覚えればいいのですか?特別な無声音の練習方法とかあるだろうか?(覚えやすいテクニックとか、間違えやすい所とか)もしよろしければ動画で説明くださると助かります!」
いい質問なんですが、語尾を揃えろ!笑
たしかに難しいと思います。普段の生活ではまったく意識してませんからね。
というわけで今回は、今回は無声音恐怖症になってる人にもやさしーく解説していきます。
動画で見たい方はこちらをどうぞ。
あんじょーメソッド(YouTubeチャンネル)
無声音のルール
最初に断っておきますが、今回はみなさんが覚えやすいように、簡単にざっくり説明していきます。
無声音の例外のルールを言い出したらほんときりがないんですよ。なので、「正しい日本語のルール」が覚えたい人は、ちゃんと書籍で学んでくださいね。
あくまで「声の仕事で最低限覚えておいてほしいライン」で話していきます。
無声音の基本
では、無声音の基本の部分からいきますね。
無声音ってどういうものかというと、母音をはっきり発音しない音のことです。母音ってのは「あいうえお」ですね。ついでに子音ってのは、「かきくけこ」の場合、「k」のことです。
たとえば、わかりやすいところでいうと、
「ありがとうございます」
コレってどう言いますか?
声に出せる環境の人は言ってみてください。
語尾の「す」が無声化します。
これを読むときに喉に手を当てて読んでください。「す」だけ声帯が振動してないのがわかりますか?
ほかの音はブルブル振動がくるはずです。この振動はなにかっていうと、声帯が震えてるてことです。
声帯が震えてる音は有声音になります。「ありがとうございま」の部分です
で、声帯が振動しないのが無声音です。
この場合は「す」が無声音。「母音の無声化」って言います。
関西地方だと「す」を無声化しないんですね。なので、特に関西地方の人は無声化に苦労する人が多いです。
っていうがまず無声音の基本です。声優やナレーターのような声を扱う仕事では必須なわけですね。
じゃあどうやってマスターすればいいかというと、無声音にはルールがあるので、それを覚えとけば無声化しなきゃいけない場合がわかるので対策バッチリ!
…と言いたいんですが、無声音のルールを完全に覚えるのは無理です!
いや、無理じゃないんですけど、めちゃくちゃ時間がかかります。声優やナレーターを目指すうえでは、このルールを完全に覚えるのがあまりにも効率が悪すぎます。だって、すんんんんんごいルールが多いんですよ。
複雑すぎる無声音のルール
どれくらいルールが多いかというと、まず無声化する可能性がある音12種類を覚えます。で、無声化する可能性がある後ろの音を6種類覚えます。
ちなみに文末の場合もパターンが違います。
さらに、無声化にならない場合もあって、それは無声化する可能性がある音12種類のあとに下がり目があったり複合語の独立性が高かったりする場合なんですよ。
………どうですか…意味わからんでしょう。
これでもまだルールの全部じゃないです。
そうなんです、「正しい日本語を後世に残そう」という人には100%怒られると思いますがあえて言いますけど、ルールを覚えるのは無理!そんな時間があるなら、演技とか読みの練習したほうが絶対いいです。
ルールを全部覚えるのは、あなたがプロになって余力があったらで十分です。
なので、僕からのポイントは2つです。
無声化する可能性がある音12種類
まず1つめのポイントは、全部のルールは無理なので「最低限のルールを覚えよう」ってことです。
無声化する可能性がある音12種類を覚えましょう。
◎き、く、し、しゅ、す、ち、つ、ひ、ふ、ふぃ、ぴ、ぷ
です。
でもこれもきついですよね。これを見ている方の90%が勉強嫌いだと思います。笑
なので、さらにざっくりしていきます。
◎「か行」「さ行」「た行」「は行」のイ段ウ段
って覚えてください。
か、さ、た、は行のイ段ウ段は無声化する「かも」って覚えといてください。重要なことは、「無声化するかも」ってことです。いつも無声化するわけじゃありません。
じゃあどんなときに無声化するかというと、超ざっくりですよ、例外はいっぱいありますけど、ここもざっくりいきます。
こっちも同じで、「か行」「さ行」「た行」「は行」が後ろにきたときです。
まとめると
「か・さ・た・は行のイ段ウ段+か・さ・た・は行は無声化」
って覚えとけばいいですね。
無声音の練習問題
じゃあ練習問題です!
これ、無声化しますか?
◎「ほしいも」
「し」は「か、さ、た、は行のイ段ウ段」なので無声化する可能性がある音ですが、この場合はしません。
後ろが「い」なので、「か、さ、た、は行」じゃないですね。
なのでふつうに読みます。
次に
◎「近い」
これは?
「か、さ、た、は行のイ段ウ段+か、さ、た、は行」ですね。
「ち」がた行のイ段、「か」がか行ですね。なので「ち」が無声化します。
ラスト「ピクルス」
これは?
「か、さ、た、は行のイ段ウ段+か、さ、た、は行」です。「ピ」が無声化します。
どうでしたか?難しかったですかね?
無声音は慣れなので、自分でたくさん練習してください。よくわからなかった人は、喉に手を当ててみて、無声音のときに声帯が振動してないかをチェックしてみてください。
アクセント辞典で調べるのをクセにする
2つめのポイントです。
「アクセント辞典で調べるのをクセにする」です。
アクセントがなかなか身につかない人もときどきいますが、そういう人は、アクセント辞典でその都度調べまくるしか方法はないです。
それと同じで、無声音かな?って思ったらアクセント辞典で調べるクセをつけてください。
このときのコツは、ちょっとでも疑問に思ったら調べること。アクセントでも同じです。
けっこう勘違いして覚えてるものが多いので、アクセント辞典をすぐに引くクセをつけてください。
有料ですが、スマホでもNHKのアクセント辞典がアプリで手に入ります。
僕も使ってます。スマホだからすぐ調べられるんですよね。
次回は鼻濁音の解説をしていきます。
それではまた。
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