サイケデリックなマスキュリズム
サイケデリックロック。
BEATLESが”Lucy in the Sky with the Diamonds”を発表。
DOORSが"The End"で衝撃を与える。
Beach Boysが"Good Vobrations"でカオスな美しさを追求。
サイケデリックロックっていいですね。60年代後半から70年代にかけて勃興した音楽ジャンルです。
ヒッピー文化と強く結び付いており、基本的にはドラッグの影響が大きく、幻覚じみた、前衛的な、どこか反抗的なゆらゆらした感じ。そんな少し危険な香りのするロックがサイケロックです。
なんと、イギリスの若者の間では今でも大人気らしいですね。すごい国民性です。日本ではあまりポップではないですから。
なんか暗くて雨が多い気候が影響してる気もするんですよね。明るく楽しい情景ってあんまり普段無さそうじゃないですか。
曇りのなか、楽しみを求めて内向的なロックを嗜む、そんな感じでしょうか。
それは置いといて、サイケロックバンドのファッションが大好きなんです。
代表的なのはビートルズ。I am the WalrusのPV知ってますか。花柄でどこか民族衣装チックな服。それまでのきっちりしたスーツスタイルのイメージを、鼻で笑っているかのようなカラフルさが、本当に面白いですよね。
Jimi Hendrix and Experience もサイケデリックな衣装の代表。Creamとかも。色彩豊かでありながら、どこか煙のようにとらえどころのないイメージ。ファーとかもよく使われますね。フワフワした毛が、ドラッグの雰囲気を表現するのにぴったりだったんでしょうか。
ただ、サイケほど多様な音楽はありません。僕自身、サイケロックって基準なんだよ?と思います。幅広いんですよ…
だから基本的に、ファッションがヒッピーぽいこと、ドラッグのイメージが歌詞から感じられること、これらが基準だと思っています。
しかし!!
ここからが本題。
冒頭でも言及したDOORS、服装サイケデリックじゃないんです。全然!
ボーカルでありフロントマンのJim Morrisonはレザーのピチピチパンツ履いて唸るような声で歌うし、他のメンバーも男性的なスーツスタイル。
お洒落ですけど、サイケはどこかそれまでの男性的なファッションへの反抗が見られる服装ですから、彼ら全くもってサイケの基準と逆行してますよね。ファッションにおいては。(歌詞とか曲調は独特)
ただでさえ多様な音楽性で、定義付けが難しいサイケロック、なぜこんなにライダースタイル(60sのロッカーファッションに近い)のJim率いるDOORSはサイケロックバンドとして言及されてるのでしょう?歌詞もよく聞いたら悪魔論とかだし。必ずしもヒッピーぽくはないんですけどね…
まあ本人はドラッグめちゃやってたし、振る舞いも引くほど破天荒だったんで、そちらのイメージが先行していたのかな。
男性的なファッションのサイケロックバンド。
個人的には面白く思うので、大好きなバンドのひとつです。