あざとさ。
「ねぇ、〇〇君。 あれ買ってー。」
世紀末だった高校生の時、こんな感じで男友達に甘えて、ねだる少し可愛げな女子がいた。
ジュースだったか食べ物だったか忘れたけど、甘えられた奴は自分の友達でもあって、ニヤけた顔して
「おぉ、買ってやるよ!」
と言って、おねだりされたものを喜んで買ってあげてたっけ。
奢ってもらった女子は、満面の笑みで「ありがとー!」と感謝を伝え
男友達は「おう!」と満足した笑顔で返していた淡い思い出がある。
この二人は同じクラスだったことがあり、女の子の方は誰にでもねだるワケじゃなかったから、仲の良さが伺える。
今の時代にして言えば、この子は「あざとい女子」で少人数のグループにいる子だった。
あざといのが苦手だった自分は敬遠してたから「ちょっと、キミ苦手。」みたいな感じで向こうから面と言われた記憶もあるような...。いや、あるな。
そして、そんなことも忘れて。 時は流れ、世紀を跨いだ2010年頃。
冬のソナタやBoAから始まった韓流ブームの流れの後に、KARA、少女時代といったガールズグループが続々と日本でCDデビューして大人気!
BoAは90年代の全盛期J-POPの激しいダンスを踏襲してて見慣れてたけど、 KARAや少女時代と言ったグループは可愛さを取り入れたダンスをするグループで新鮮に見えた。
彼女達は確かに可愛いけど、この時代のガールズグループは、苦手意識のある「あざとい女子」に見えて敬遠していた。
また少し時は過ぎ、長女が思春期に入った頃。
そのころは中高生の間ではTWICEが大人気!
「韓国で結成されたTWICEが日本デビュー曲『TT』でデビュー。大人気!」みたいな感じでTVで紹介され、あざとさを超えたブリっ子ダンスが画面から飛び出してきた。
可愛さを全面に打ち出したK-POP独特のイントネーションを使った歌声が、これまたあざとい!
そんな彼女達は韓国でも日本でも快進撃を続け、いよいよ不思議な楽曲をリリースした。
その名も『YES or YES』
え?Noは!?
と、曲名に驚き気になって聞いてみたら、聞いてるうちに
ヤダ。意外と良いかも!Kawaii!!
相手に拒否感を出させず、どこまでも選択肢はYESしか用意してませんよー。私を見てー。っていう曲の紹介で良いのかな?良いか。
ちゃんと心情やストーリーを進展させつつ、最後は突き抜けたなー。なんて思いながら見てたら次第にダンスも可愛く見えちゃって。
その YES or YES あたりからTWICEはブリっ子グループからイメージを払拭し、クールさを取り入れて本格的なダンスを取り入れたグループに成長していったことで個人的にもファンになっていった。
YouTubeとか見ると、日本でもあるアイドルの女の子が
『可愛いと思うフレーズとポーズをカメラ目線で言う』ってやつ。
あれをやった後の恥ずかしくて後悔する姿は共通してるんだけど、K-POP女子は可愛らしいイントネーションで言ったフレーズを聞いて、その振る舞いを見て「これが愛嬌?」と初めて気付いたアラサーおじさん。
可愛いフレーズに辟易するけど、その後の照れてる姿の方は可愛い!
『昔気質の熊本生まれの両親の息子じゃけん。
ブリっ子は好きじゃなかと!』
ごめんなさい。親は熊本出身だけど自分は熊本出身じゃないんで色々と、あまり分かってません。
ついでに言うと愛嬌を込めたフレーズでもないんで悪しからず。
あざとい女子や愛嬌のある女の子を敬遠してたし、付き合えたとしても相性の問題で続かないだろうけど、でも普通に可愛い!
なんて思えるようになったのも、すっかり年のせいです。
変わるんです。大人になれば!
で、冒頭の話に戻って。
今にして思えば、周りから見るとあざとさもあるけど、当の男友達は仲の良い女子に愛嬌を感じ、可愛く見えたと思う。
で、照れ隠しも見える「しょーがねーなー。」なんてセリフが上から目線な物言いに聞こえてしまったけど、それでも。
上から目線だった相手を落とさず、「ありがとう。」と満面の笑みでお礼を言って持ち上げてみせた彼女の態度は素晴らしい!と今になって思う。
少し可愛いかった彼女の笑顔を朧げながら思い出してみる。
当時は安室奈美恵が産休に入り、女の子の眉毛はアムラー眉毛が主流だったけど、どっちかって言うとバラエティのイモト寄りの眉毛に、バサバサのつけまつげ。
元テレ朝の竹内アナの雰囲気を取り入れつつ鼻から下が元ファンモンのDJケミカルだったような。
可愛い方だと思う!
真顔は、どっちかって言うと6:4で竹内アナ寄り!
でも、笑うとケミカル!
「ありがとー!(ニコッ)」
男は度胸 女は愛嬌 おかまは最強!(Pinterestより)