ジムニーと歩んだ12年
私にとって車は、山歩きのときのバックパックや登山靴をおなじくらい、日々の暮らしのなかで欠かせないもの。初めて自分の車を買ったのは、20歳のときでした。
アルバイトで貯めた30万円をあたま金に、初めて組んだ3年ローン。買った車は、スズキのジムニー(マニュアル)。親や、まわりの友だちからは、「なんで?」と不思議がられていました。確かに、ハタチの若い娘が買うには、見た目も乗り心地も、少々ハード(むかしのモデルは、音もうるさくて、横揺れもすごかった!)。でも、このカクカクした四角い見た目が「かっこいい(かわいい)」を思っていたし、山道もラクラク走れる4WDに憧れていたのです(当時はまだ、山登りを始めていなかったので、スノボに行くために、雪の山道を走れるかどうかが、車選びの決め手)。窓は手動、カーステレオなし(カセットテープが聞けるラジカセを積んでた)、カーナビなし(道路地図本を積んでました、道は暗記)。そんなところも含めてすきでした。
"なぜジムニー"期は、しばらく続きました。
しかし、ローンを完済したころから、周りの反応にも少しずつ変化が。私は、地元のアウトドアショップで働き始めました。23歳のときです。
「ジムニー乗ってるの?いいね~!」
ですよね!と、ようやく自分の愛車に胸を張れるみたいで、めちゃくちゃ嬉しかった。アウトドアが好きな人たち、ジムニー愛のある人が周りに増え始めたのです。"ジムニーいいね期"の到来!
ジムニーに乗って、約12年。山歩きをはじめたときも、富士山に初登頂したときも、泣きながら夕日に向かって走ったときも、尾瀬のガイドになったときも、ランドネ編集部員になったときも。まわりの環境は、目まぐるしく変化していったけれど、私の相棒はいつでもジムニーでした。
そしていま、ランドネ編集部の相棒として、ジムニーがやってきました!
私の乗っていたジムニーと見た目は似ているけれど、内装や走り心地は、アップデートされていて、すごく快適。またジムニーで山に行ける。
1年を通して、ジムニーと旅したアウトドアの記録を、これからアップしていこうと思います。車があることで、行けるところ、見られる景色、できることはたくさんあり、たのしみの幅もビュンと広がる。
みなさんの思い描く、旅する装備リストの中にも、いつか"愛車"が追加されるといいなと、思っています。