見出し画像

阿仁マタギに触れる旅

ランドネのプチ移住企画で12月に訪れた北秋田市の阿仁エリアは「マタギの里」としても知られている場所です。山深いこの地域で暮らす人々は狩猟を行い、熊の胆や骨、血までを薬に加工するなどし、生計をたてていたという。阿仁マタギがマタギの本家であるが、旅マタギにより全国に広がったと、9代目・鈴木英雄さんが教えてくれました。

年季の入った山刀「マタギナガサ」を腰に携えた鈴木さんの案内で、マタギならではの自然の知恵を学ぶことができる、マタギ学校の「かんじきライト」ツアーに参加。林業にも欠かせないというかんじきの履き方を教えていただき、雪の降り積もった山に入っていきます。鈴木さんのようすを常に気にしながら雪の上に足跡を残す、愛犬の狩ちゃん。途中、コシアブラの木を見つけた鈴木さんは、ナガサを使いさっと杖を作ってくれた。

画像1

秋田杉に囲まれた静かな山から一変、ダケカンバやブナの木が広がる明るい場所に到着。鈴木さんが指さす木の上には、熊が食事をした痕跡だという「熊棚」が。ここは間違いなく熊の暮らす森。熊の爪痕が残る木もある。雪の中で身をひそめるウサギを獲るためのワラダ(ワラを円盤状に編んだもの。猛禽類を模している)を飛ばす技も、ここで披露してくれました。

画像2

▲すぐそばにあった木に残る熊の爪痕。

画像3

▲よく燃えるダケカンバの皮は、焚き火の焚き付けにも使うという。

画像5

画像4

雪の上で焚き火をおこした鈴木さんが振る舞ってくれたのは、熊が獲れたときに必ず食べるという内臓の串焼き。本来、熊の内臓をその場で焼いて食べるそうだが、今回は鳥の心臓とレバーを。クロモジの枝に肉を刺し、焚き火でじっくり焼き、塩コショウを振って完成。とてもおいしい。温かいクロモジ茶といっしょに、山のなかの休息を味わいました。

ツアーは3時間ほど。自然の厳しさと美しさ、命をいただくこと、自然とともに暮らすということ。ほんの一部ではあったが、マタギを知り、この北秋田の深い自然の魅力にも触れることができたに違いない。

マタギ学校(かんじきライト)/実施期間:積雪期 人数:4名~ 料金:ベース6,000円+1名500円 TEL.0186-84-2612(打当温泉マタギの湯)

写真◎野呂美帆


いいなと思ったら応援しよう!