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山のことばかり考えていたら、こんなところまで歩いてきていた。
「自己紹介」。ランドネたのしみ隊のメンバーと、このテーマを決めてnoteに書くことにした。小さいころから自己紹介は苦手で、人前に立つだけで顔を真っ赤にするような子だった。幼稚園のとき、お父さんへの感謝のコメントをビデオカメラで一人ずつ撮影し、それが街中の大きな画面から流れるという父の日のイベントがあり、放映当日、恥ずかしさに耐えられず、自分の番が終わるまでビルの陰に隠れていたのを思い出す。目線も合わせずモジモジしながら「おとうさん、いつもどっかつれていってくれて、ありがとう」って言ってたっけ。
子どものころのアルバムを見返すと、裸のまま川で泳いでいたり、浮き輪で沖縄の海を漂っていたり、ペットのハムスターとキャンプをしていたり、雪山をへたくそなボーゲンで滑っていたり。アウトドア派とは呼べない親だけど、「いつもどっかつれていってくれて」いたのだ。
自分にとってそれは、父が休みのときの日常で「アウトドア」をしていたという意識もない。だけど、そのころの遠い記憶は、思い出すとなぜかくすっと笑えて、心が穏やかになれる。アウトドアを始めた理由は、楽しかった子どものころの記憶を、知らず知らずのうちに手繰り寄せているからではないかと思う。
23歳で山登りの楽しさを知り、それからずっと、山のことばかり考えていたら、こんなところまで歩いてきていた。
肩書きは「ランドネ編集部」。ページをめくり、山での楽しみに想いを馳せる読者の顔を思い浮かべながら、頭を使い、体を動かし、多くの人たちとコミュニケーションをとりながら『ランドネ』をつくる人。
恥ずかしがらずに、自己紹介。