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氷河期世代が直面する現実と選択肢~同世代で分断してもなお生き残る~
氷河期世代はどこか同世代に対してもシビアな部分(自己責任論)があって、持てる層と持たざる層に別れて分断する感じなのですよね
— 中野 仁(Jin Nakano) (AnityA代表) (@Jin_AnityA) October 15, 2024
①資産を貯められた層:
・資産を利用して早めに労働市場から撤退(FIRE)or会社員としてリスク回避し現状の地位・報酬を継続させる… https://t.co/yd94r6HsZz
まとめ
氷河期世代はバブル崩壊後の就職難を経験し、その影響を現在も引きずっている。
資産を築けた層と築けなかった層の間で分断が深まり、世代内の対立が発生している。
今後は、個々の状況に応じたキャリア戦略や資産形成の選択が求められる。
1. 氷河期世代の誕生と時代背景
氷河期世代とは、1990年代初頭のバブル崩壊後から2000年代半ばにかけての就職氷河期に社会へ出た世代のことを指す。彼らは、上のバブル世代が容易に就職できたのとは対照的に、極端な雇用難の中で社会に出ざるを得なかった。企業の採用枠が大幅に縮小したことで、就職活動は熾烈を極め、正社員としてのキャリアを築けなかった人も多い。
さらに、氷河期世代の親である団塊の世代は、終身雇用や年功序列が当たり前の時代を生きてきたため、社会の急激な変化に適応しにくい環境もあった。結果的に、氷河期世代の多くは非正規雇用や低賃金労働を余儀なくされ、キャリア形成の機会を奪われることになった。
2. 資産を築けた層と築けなかった層の分断
現在、氷河期世代の生存戦略は大きく二極化している。
資産を築けた層
早めに資産を築き労働市場から撤退(FIRE)するか、安定した会社員として地位を維持する
社会保険・税負担を最小限に抑えつつ、消費を最適化する
ミニマリスト的な生活を実践し、資産収入と組み合わせて生活する
資産を築けなかった層
高齢者として社会的セーフティネットを最大限活用する
生活に必要な最低限の支出を維持しながら生存戦略を模索する
福祉を拡充する政治勢力を支持し、選挙での影響力を行使する
これらの違いが顕在化することで、「自己責任」を強調する資産層と、「社会保障」を求める非資産層の間で対立が深まりつつあるのではないか
3. 若い世代への影響と世代間対立
このような状況の中で、氷河期世代の中には「過去に自分たちが受けた様な困難を今の若者も少しは経験すべき」という感情を抱く人もいる。しかし、既に労働市場は改善され、現在の若い世代は比較的就職がしやすい状況にあるため、氷河期世代の苦労を理解しにくい。結果として、世代間の摩擦が生まれている。
特に、
「努力しなかっただけだろう」と氷河期世代を批判する若者の世代
「自分たちが苦労した様に若者も困難を乗り越えるべき」と考える氷河期世代
といった対立がSNSなどで散見される。今まで無数に繰り返された世代間のわかりあえなさは今度もあたりまえの様に起きる。
4. 氷河期世代にとっての今後の選択肢
現実として、政府や企業が氷河期世代全体を救済する施策はほぼ期待できない。そのため、個々の戦略がより重要になってくる。
今後は老化により気力と体力が衰えてくる。制約増えてくる中で、資本主義ゲームのを理解し、その上で生存戦略を立て黙々と実行してゆく。
5. 氷河期世代の前に広がる明日
最も重要なのは、
「特定の他人や場所に過剰に依存せず、自分自身で人生の選択できる権利を持つ事」
である。これまでの社会は氷河期世代に対して冷淡であり、今後も特別な救済策が打ち出される可能性は低い。しかし、それを受け入れるだけでなく、選択肢を切り拓く努力をすることで、新たな可能性を生み出すことができる。
政府や企業の支援が期待できない状況の中で、どのように生き残るか、どのような道を選ぶかを考える。今までと余りかわらない。
結論
氷河期世代は、過去の構造的な不遇の影響を受け続けている。
資産の有無で世代内の分断が進み、社会全体にも影響を与えている。
これからは、制約が厳しくなる中で生存戦略を確立する必要がある。