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エドワード・ゴーリーを巡る旅 @奈良県立美術館に行こう!

2024年9月14日から11月10日まで奈良県立美術館で『エドワード・ゴーリーを巡る旅』を開催中。

エドワード・ゴーリーというアーティストを知らなかったのですが、20世紀アメリカの絵本作家とのこと。絵本作家以外にも舞台のポスターデザインや衣装も手がけていたそう。

絵本と侮ることなかれ。かわいいと仄暗さが共存した作品群。

10月5日には三浦篤先生の「西洋美術史からみたエドワード・ゴーリー」という講演会が企画されています。でも、9月22日現在すでに定員満了。マジか!
西洋美術史という視点からエドワード・ゴーリーをどう語るのか。とても興味深いです。いろんな切り口がありそう。

僭越ながら、ここおもしろかった〜を3点ほど。


1、単眼鏡を持っていくべし

ゴーリーの作品は緻密な線描画。その線は作品内で一定、太さが変わることはありません。
挿絵とかポスターというと私はミュシャを思い出します。ミュシャは一つの作品内で線の太さを使い分けていて。

堺市にあるミュシャ美術館で撮影。輪郭は一番太い線で描かれています。

ミュシャ作品が描かれている「缶」がゴーリーのアトリエ映像に映っており、意識していたんだなと思いました。

緻密な線描画だからこそ。
そう。近づいて鑑賞したいのです。
ただ。奈良県立美術館は掛け軸などの日本美術用の展示スペースがメイン。ガラスで隔てられているので近寄ってみることが難しい作品も多く。
(奈良県立美術館が江戸時代の日本画・浮世絵等の寄贈を受け開館したので仕方ないことです。)

大学時代から単眼鏡を買おう、買おう、買おう、買お、買。。。。
と先延ばしにしてきました。年貢の納め時かしら。

2、トーベ・ヤンソンみ。 乙一み。

ゴーリーの作品は
「まるっとハッピーエンド」「大団円」
というよりは、
「ハッピーもあるけど全てがうまくいくことはない」「誰かにとってはハッピーエンド」
という光と影を感じます。
だからこそ「大人のためのおとぎ話」と言われているのかも。

ゴーリーの作品を見ていると、
「この雰囲気知っているような•••」
うーん、うーん。

ぽん!ムーミンの挿絵!
トーベ・ヤンソンの作品も挿絵は全て線画で描かれているし、まぁムーミンも正直よくわからない生き物だし。

ムーミンだけじゃない。この仄暗さは他の何かで出会ったことがあるような•••
うーん、うーん。

あぁ、集英社の乙一さんの作品!
(私としては集英社がポイントです。)
乙一作品の仄暗さかぁ〜

3、奈良県立美術館だけの特別展示

なぜエドワード・ゴーリーの展覧会を奈良県立美術館でおこなうのか。
展示スペースとしてはあまり適していないのではと思っていたのですが、展覧会の最後「1階の関連展示」にその秘密がある気がします。

ゴーリーは日本文化への関心が強く、源氏物語を何度も読んでいたそうです。すごいですね。私、日本人ですけど源氏物語を全部読んだことありません。

ゴーリーの作品の端々に日本文化の影響がみられるということで、奈良県立美術館所蔵作品を中心にゴーリと日本文化の関連展示がおこなれています。

こういった展示は西洋美術を収集している美術館では難しく、奈良県立美術館だからこそできる展示だなと思いました。

4、まとめ

美術史の視点でどうエドワード・ゴーリーを考えるか。
挿絵、風刺画、フランス映画との関係、日本美術との関係。
私が考えるだけでもこんなにあり、とても興味深いアーティストです。

決めました。単眼鏡買います。

ここまで読んでいただきまして、Dank u wel !!

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