昭和セピア色のこんなハナシep15.「秋まつり」の巻。
お神輿の集結場所
真っ黒に日焼けした子供たち、夏休みが終わり早、半月。
長かった夏休みも終わって最初の楽しみは氷川神社のお祭りだった。
地元のいくつかの町内会では神輿を担ぎ、秋の例大祭「氷川神社」に奉納される。
各地域ごとに神輿が担ぎ出され、大人たちはふんどし姿でさらしを巻き、半纏を羽織ったものもいる。
子供らの神輿は形こそ小ぶりではあるけれども、立派な本格的なお宮型の神輿で、もっぱら小学上級生らが担いでいた。
俺たち、ノンちゃんやタカシ君と交代で、神輿の前だったのか後だったのかはっきり覚えていないけれども、一所懸命、太鼓をたたいて「氷川神社」を目指していた。
ドンドン、カッカッカ、ドンドン、カッカッカ、、、(カッカッカはバチで太鼓の縁を軽く叩く音)。
アレのことなんて言うのか、長さ5尺ほどの金属の棒の先端にはリング状のものが何個かぶら下がり、おじさんがその棒を地面にトントンと突くと、リング状の部品が揺れて互いにぶつかり合い、ガシャガシャと音が鳴ってた。
【注釈:錫杖(しゃくじょう)というもので、別称、じゃらん棒とも言う】
山車はさらに小さな子供たちが綱を引いていたような記憶が、、。
途中で小休止し、アイスキャンデーだったり瓶詰のラムネが配られたり、氷川神社までの道のり、道中はとても楽しかった。
境内に集結した神輿は圧巻
氷川神社の境内には、各地域から大きな神輿、子供神輿などが集まり数十基が並ぶ様は圧巻だった。
子供たちには、普段は買ってくれそうもない駄菓子がたくさん入った菓子袋が配られた。
駄菓子とは言っても、遠足の定番とも言える「カルミン」や「ココアシガレット」が入ってると最高に嬉しい。
神社前の通りは露天商が並び大変な賑わいだった。
すじ雲がチラホラ見える程度の秋晴れに吹く風は、今風に言えば「残暑」の終わるころでもあり、とても心地よかった。
例大祭の15日を過ぎると、もう途端に朝晩は冷え込んでくる。
何処からともなくサンマを焼く臭いに、クスっと笑ってしまう。
母さんからキュウリの切れ端を貰って虫かごに。
「コロコロコロ」と、コオロギの唄、
「プ~、プップ~」、と豆腐売りのラッパ、
つかの間の夕暮れの共演は、秋の始まりを告げようとしていた。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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