それは違う、クリエーターとして誇りを持て!
無意識に卑下するなかれ
以前、清掃パートさんから聞いた話ではあるけれど、とある会社の清掃員をやっていて、社員からの「チッ!」という舌打ちは日常茶飯事とか、こんなにもバカにされる仕事なのか?
女性社員からも罵倒されてつらい、みたいな話だった。
一般的に、と言えば語弊があるかも知れないが、清掃員を見下すような態度で接する人は多いし、世間的にはそういう風潮があっても不思議ではない。
施設管理のバイト先でのこと。数年前、施設内の清掃員を募集し、採用された熟年女性と話す機会があった。
「娘から、なんで清掃員なんか、と言われちゃったわよ」、と聞き及んで、吾輩はとっさに思った。「えっ?」。
娘さんは母親が清掃員になることに反対していたのだろうか。「清掃員なんか」という言い方は、明らかに見下すような意識があってのことだろうか。そして母親が携わることに抵抗があり、誰かに見られたり知られたりするのが、恥かしいという気持ちで放った言葉ではないかと思えた。
やがて彼女は半年ほどで辞めていった。
彼女は娘さんからそんな言われ方をされて、あるいは清掃員という職業を無意識に卑下していたのだろうか。
吾輩としては、彼女ら母娘してそんな意識だったのかなぁ、と嘆かわしく思ってしまった。
世界一清潔な空港から学ぶ
知る人ぞ知る、羽田空港は世界一清潔な空港として6年連続ランキング1位である。カリスマ清掃員、「清掃職人」と呼ぶにふさわしい新津春子さんは、2015年、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演したことでも有名だ。
言うまでもなく、プロ意識が非常に高い。それは職業としての誇りだろう。清掃は奥が深い。これでいい、という限度があるわけではない。気配り、目配りは言うまでもなく、美観を維持し続け、提供する仕事でもある。
現役の清掃パート・アルバイトさんらに、あえて言わせてもらおう。「清掃はクリエイティブだ」。
もし馬鹿にされていると思ったり、見下されていると思ったり、つらいと思ったり、あるいはこんな仕事しかできないとか・・、自ら蔑む意識があるならば、そのまま世間的な意識を増長しかねないと。
仮に、自らを卑下するならば、それは違う。
クリエーターとして誇りを持て! と。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日の一日に感謝。