ジブリの烙印(東小金井村塾編その6~即興!)
その日、塾に行くとお題が出された。
「今日はちょっと即興で塾を進行させてみようと思います」
高畑さんは席に座ると楽しそうに切り出した。
「みなさんは一応アニメ演出家を志望している、ということになっています。日常からドラマを読み取ることにも人より敏感であっていいかと思います。
まあ、いきなりここで何か発見するのは無理でしょうから、そうですね、いままでの人生経験を振り返って、これはドラマになるな、と思える瞬間ぐらいは少し思い返せば、出てくるんではないでしょうか。
これをきっかけにみなさんには、日常の中にひそむドラマの芽を見出すこころがけが出来ればと考えて、こういう題目をやることにしました。今日はそういうことをしてみたいと思います」
考える時間を十分間与えられた。その時間が終わると高畑さんの近くに座っている生徒から順繰りに披露することになった。
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