【商業簿記2級】◯◯の考え方を抑えておかないと、100時間くらい余計にかかる点
この記事を見ている方、おめでとうございます(^^)/
3級の試験に合格し、2級の学習を始めたばかりの人だと思います。
2級への挑戦は順調ですか?
2級は範囲も難易度もぐっと上がります。
そのため、3級の下地の部分が不安定な状態で学習を進めてしまうと、
毎回3級の学習に戻り、より多くの時間を必要とすることでしょう。
そこでこの記事では、商業簿記2級の学習を始めるにあたり、
おさえておくべき3級の学習内容を1つ、絞って解説します。
このポイントを押さえずに2級の学習を始めるのは、
コンパスを持たずに山の中を歩くようなもの。
一度道に迷うと、、、、いつまでも彷徨うことになります。
ちなみに、こちらの動画では、3つのポイント、考え方を
絞って説明しています。是非ご覧ください。
費用収益対応の原則
一般的な感覚では、『代金を支払った=費用発生』という認識。
例えば、
①文房具代を支払った。
②車代を一括で支払った。
③2年分の火災保険を一括で支払った。
しかしながら、『代金を支払った=費用発生』というのは、
簿記的には必ずしも、正しくありません。
①文房具代を支払った。
これは費用です。
雑費 / 現金など
②車代を一括で支払った。
これは費用の発生ではなく、資産の増加
✖ 車両費/ 現金など
〇車両運搬具/現金など
⇒決算整理仕訳のタイミングで、減価償却費、費用の発生。
減価償却費/減価償却累計額
③2年分の火災保険を一括で支払った。
保険料/現金など
・2か月経って決算日を迎えた。
前払保険料/保険料
いわゆる経過勘定の考え方。
ここからここまでは、当期の費用で、
ここからここまでは当期の費用じゃないから、一旦資産にしよう。
翌期首、再振替仕訳で、資産から費用にしようといった調整を加えます。
そもそもの話、簿記の目的は損益計算書、貸借対照表を作成し、
株主や、経営者に正しい情報を公開することなんですよ。
だからこそ、当期の収益はこれだけで、それに費やした
当期の費用はこれだけだよねと決算整理仕訳で調整します。
『使うことで費用が発生する』と考えれば良いかもしれません。
・例えば、水道光熱費、
✖水道代を『支払ったから』費用が発生した。
⇔水道代を支払ってないから、費用が発生していない。
この考え方は大きな間違い。
〇水道を『使用したから』費用が発生した。
✖『家賃を支払ったから』費用が発生した。
〇『オフィスを使ったから』費用が発生した。
✖『従業員に支払ったから』費用が発生した。
〇『従業員に働いてもらかったら』費用が発生した。
じゃあ減価償却に当てはめると?
固定資産の代金を支払ったから、費用?
違いますね。固定資産を使ったから、費用ですね
減価償却費/減価償却累計額
ここから、若干難しめの単元を解説します。
当期、20年間務めてくれた従業員が退職したため、
退職金2,000万円を支払った。
この場合2,000万円は全額、当期の費用でしょうか?
いいえ違います。
労働が発生した時点で従業員に対する労務費、費用が発生と考えます。
つまり、『毎年、100万円ずつ費用の発生』とすべき。
(ここでは、簡略化して説明)
それでは仕訳を見ていきます。
◆X1年決算日、退職金を100円積立てる。
退職給付費用 (費用)/退職給付引当金 (負債)
◆X2年決算日、退職金を100円積立てる。
退職給付費用 (費用)/退職給付引当金 (負債)
◆X3年決算日、退職金を100円積立てる。
退職給付費用 (費用)/退職給付引当金 (負債)
◆X4年期首、従業員が退職し250円を支払った。
退職給付引当金 (負債)/普通預金など
借方は、費用の発生ではなく、負債の減少。
従業員の退職というイベントに備え、
毎年100円ずつ費用として計上していたためです。
費用の発生について、なんとなく分かってもらえたのではないですか?