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ペットフードの抗酸化成分
こんにちは!獣医師のMicVetです。
このnoteではペットフードの抗酸化成分について説明します。
ペットフードなにを選んだら良いのか迷っている方必見です。
誰もが免れない酸化
切ったりんごの表面は時間とともに茶色くなってきます。これはりんごに含まれるポリフェノールなどが酸化酵素によって空気と反応しているからです。
この反応を酸化といいます。
リンゴに含まれるポリフェノールの一種プロシアニンなどのが空気中の酸素と結びつき化学反応がおき、りんごの細胞が変色します。
私達の体も同じで呼吸をすることで空気中の酸素を体の中へ取り込みます。体に入った酸素の一部は体のエネルギーをつくるために利用されます。
この酸素を使ってエネルギーをつくる時に活性酸素がでてきます。
この活性酸素は体に侵入した雑菌などを殺菌するといった体にとって良い働きがありますが、一方で体の細胞を傷つけてしまう一面があります。
この細胞が傷つくことが老化の一因と考えられています。
活性酸素の発生は防ぎようがないのでビタミンEやビタミンC、ポリフェノールなどの抗酸化物質を積極的に食べることが良いとされています。
抗酸化剤と酸化防止剤
時々、こんな飼い主さんがいます。
このペットフードはパッケージに抗酸化剤と書いてあるから良くない!
これは正しいのでしょうか?
おそらくこの飼い主さんが避けたいと思っているのは酸化防止剤の事だと思います。
抗酸化剤と酸化防止剤、どちらも酸化を避けるという意味を連想させる言葉に読み取れますが実は全くちがうものです。
抗酸化剤は細胞の酸化を防ぐ目的に使用される材料のことで
ビタミンE、ビタミンAやβカロテンなどのポリフェノールなど
老化防止などのアンチエイジングによく用いられます。
酸化防止剤は食品が痛む(酸化)のを防ぐ目的で使用される添加物のことで
ブチルヒドロキシアニソール(EPA)やブチルヒドロキシトルエン(BHT)など
一般的に食品の品質を保つために使用されている食費添加物です。
抗酸化剤も酸化防止剤もペットフード、特にドライフードには欠かせない材料なのでこれらが使用されているペットフードが一概に粗悪とは限りません。
うちのこが食べているキャットフードの原材料です。
黄色い印が抗酸化剤で赤い印が酸化防止剤です。
我が家ではキャットフードの予算がかぎられているのでドライフードを使っています。
ドライフードが一ヶ月近くも長持ちするのは酸化防止剤が入ってるおかげなのです。