自信が持てる濃度計算問題3つの解き方 愛玩動物看護師国家試験対策
こんにちは。
今回は愛玩動物看護師国家試験に挑戦する方のために濃度計算問題の解き方について解説します。
濃度計算問題とは
動物薬理学や動物公衆衛生学などに出てくる消毒薬などを使用するために必要な計算です。
小学校5年生で習った食塩と水の濃度問題が苦手だった方
分数の計算や割り算に自信のない方
のために濃度問題を解くための3つの方法をご紹介します。
そもそも濃度計算問題ってなに?
始めに
愛玩動物看護師国家試験に出題される濃度計算問題について
その傾向と対策をご紹介します。
※すぐに問題の解き方を知りたい方は読み飛ばしてください。
濃度計算を初めて習うのは小学生の時です。
算数で学習する掛け算と割り算と
理科で学習する溶液と溶媒
を組み合わせた応用です。
そして中学生になると
小学生の時に習った掛け算と割り算に加えて
比 を学習します。
比 という考え方が加わり
濃度計算問題はより複雑な問題が多くなります。
例えばこんな問題
15%の食塩水300gと
25%の食塩水200gの食塩水を
混ぜたときの濃度を求めなさい
この問題を見て
もう無理だ〜! と思った方。
安心してください。
このような複雑な
濃度計算問題を解くことができなくても
愛玩動物看護師になることができます!
これだけ!
愛玩動物看護師が練習しておくべき濃度計算問題
愛玩動物看護師国家試験を突破するために必ず理解しておかないといけない濃度問題はこれだけです。
希釈の濃度問題
動物病院にお勤めの方は
これ消毒液につけといてください
こんな仕事を頼まれたらどうしますか?
きっと
動物看護師のあなたは慣れた手つきでいつもの消毒液の用意をします。
あなたの動物病院では
バケツ1杯にどれくらいの消毒液を入れますか?
消毒用の液体を作るのにどれくらいのお水を入れますか?
実は、これが濃度の計算問題なのです。
ほとんどの動物病院では
このバケツに キャップ1杯の原液を入れる
消毒用の液体を作るには容器に書いてあるこの線までお水を入れる
といったように簡素化されていることが多いのですが、
濃度計算問題が解けるかどうか?を確認することは
消毒液を正しい濃度で使えるか?(調節できるか?)
につながります。
必ず理解しておかなければいけない
愛玩動物看護師の国家試験対策に必要な濃度計算問題は
希釈問題です。
濃度計算問題を解く方法にはいくつかの種類があります。
まずは一度チャレンジ!
あなたにとって一番理解しやすい方法を練習してください。
例題にチャレンジ!
それでは早速こちらの例題にチャレンジしましょう。
動物看護師統一認定試験では
試験会場に計算機の持ち込みはできません。
紙とペンを用意して
実際に書いて問題にチャレンジしてください。
5%塩化ナトリウム水溶液を用いて
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
問題を解くことができましたか?
答えは490mlです。
答えは一つですが
問題の解き方はいくつか方法があります。
あなたにとって一番理解しやすい方法を見つけてください。
数学が得意な方はシンプルに濃度計算の公式【高校数学】
中学校で習う濃度計算の公式があります。
数学が得意な方はこの公式を覚えるのがシンプルで理解しやすいです。
希釈液の濃度(%)×希釈液量(ml)=薬の濃度(%)×薬液量(ml)
ここでのポイントは
希釈液の濃度(%)×希釈液量(ml)が完成前の薬液
薬の濃度(%)×薬液量(ml)が完成後の薬液
です
大切なのでもう一度
式の前が完成前の薬液
式の後が完成後の薬液
です
実は計算の中で
式の前後が逆になってしまっても問題を解くことができるのですが
せっかく公式を覚えたのに
何を求める式なのか?分からなくなってしまうことがありますので
式の意味も整理しておきましょう。
この公式を使って濃度計算にチャレンジをします。
5%塩化ナトリウム水溶液を用いて
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
希釈液の濃度(%)×希釈液量(ml)=薬の濃度(%)×薬液量(ml)
問題文を公式に当てはめます。
希釈液の濃度
5%塩化ナトリウム水溶液
希釈液量 (水分量)
? ml
完成後の薬の濃度
0.1%塩化ナトリウム水溶液
完成後の薬液量
500ml
希釈液の濃度(%)×希釈液量(ml)=薬の濃度(%)×薬液量(ml)
5(%) × ? (ml) = 0.1 (%) × 500 (ml)
5 × ? = 0.1 × 500
? = 50 / 5
? = 10
0.1%塩化ナトリウム水溶液を500ml作るために必要な
5%塩化ナトリウム水溶液は10mlとなります。
問題文から
5%塩化ナトリウム水溶液を用いて
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
必要な水分量を答える問題なので
答えは
500ml ー 10ml = 490ml
です。
感覚とイメージで答えを導く濃度計算 天秤算【中学生数学】
小学生高学年から中学生にかけて学習する
天秤算をご存知でしょうか?
天秤の様な図を使って解く方法で
比率の考え方を理解するのに便利です。
一見難しそうに見えますが
天秤算の使い方に慣れてくるとパパッと問題を解くことができます。
天秤算の準備をする
天秤算を使った濃度計算は準備が大切です。
順番とポイントを確認しながら進めてください。
1 横線を引く
ポイントは
左側が濃度が薄い
右側が濃度が濃い
イメージで横線を引くことです。
実際に 薄い 濃い と書いてもOK
2 濃度を書く
問題文から濃度の部分を横線の上に書きます
5%塩化ナトリウム水溶液を用いて
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
問題文には
5% と 0.1% 2つの濃度があります。
水は何も薬が入っていないので
0%となります。
左側は最も濃度が薄いので0%→0
右側は濃度が濃い方なので5%→5
そして
0.1%は0と5の間の数字
なので
真ん中に0.1と書き入れます。
問題文から
0.1%塩化ナトリウム水溶液を作りたいので
0.1のところに▲の印をつけます。
この図を見て
何か変な感覚を感じませんか?
このイメージでは
0と5の数字のド真ん中に0.1があります。
0.1は0と5の間にある数字ですが
どりらかというとかなり0に近い数字です。
では
0.1はこのイメージでどこにあると良いでしょうか?
数字大きさからのイメージでは
赤いところに0.1がある方が感覚的に自然です。
3 天秤のバランスを整える
濃度の記入が終わったら続いて重りを書きます。
天秤に重りをつけるように書き込みます。
この図を見て
何か変な感覚を感じませんか?(2回目)
0.1がある▲の部分でこの天秤を支えるとこんなイメージです。
これでは天秤を支えることができません。
この天秤がうまくバランスを取れるようにするには
天秤につける重りを調節する必要があります。
左の重りを重く
右の重りを軽く
するとバランスが取れそうなイメージです。
(てこの原理)
ここで書く重りのイメージは
感覚的なものできっちり正確な図ではなくて大丈夫です。
この重りのイメージは
必要な液体の量を表現しています
このイメージ図から
0.1%塩化ナトリウム水溶液はかなり少ない
問題文の回答である水分量はかなり多め
であることをイメージします。
これで
天秤算の準備が整いました。
4 比率を求める
いよいよ
ここからが天秤算の本番です。
バランス感覚が整ったら
最初に引いた横線とその数字(濃度)に注目します。
0から0.1まで
0.1から5まで
どのくらい離れているのか?
数字を書き込みます。
右側 5ー0.1=4.9
左側 0.1ー0=0.1
と書き込みます。
小数点はわかりにくいので外しちゃいましょう
数字が綺麗になりました。
1と49
この数字が1:49という
比 を表しています。
1:49の数字をクロスして
重りに書き込みます。
5 問題文の質問を確認する
ここまで来たらもう少しです。
改めて問題文の質問を確認します。
5%塩化ナトリウム水溶液を用いて
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
問題文に
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
とありますので
500ml の容器を書きます。
お水49と
5%塩化ナトリウム水溶液を1入れると
0.1%塩化ナトリウム水溶液が50
できることになります。
問題文には
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
とありますので
500mlにするには
50が10個必要です。
まとめて整理すると
となるので
答えは
5%塩化ナトリウム水溶液 10ml
水 490ml
を混ぜると
0.1%塩化ナトリウム水溶液が500mlできます。
計算なし!気合いで絵を書きまくる濃度計算 【小学生算数】
愛玩動物看護師国家資格ができるまで行われていた
動物看護師統一認定試験では計算機の持ち込みはできません。
試験中は配布された問題用紙や解答用紙にメモや計算式を書き込みます。
ということは
公式を使ってさらっと問題を解いても
メモ用紙の余白をいっぱいを使って
ぐちゃぐちゃ真っ黒になるくらい書いても
正しい答えを出すことができれば
合格することができます。
ここでは
時間と手間がかかっても計算なしで確実に解く!
絵を使った濃度計算問題を解く方法をご紹介します。
1 問題文から薬液の絵を書く
5%塩化ナトリウム水溶液を用いて
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
500ml作るために必要な水分量は何mlか。
問題文から
0.1%塩化ナトリウム水溶液を500ml作る
とあるので
その薬液の絵を書きます。
問題文にはこの他に
5%塩化ナトリウム水溶液と水分量とあるので
こちらの2つも絵にします。
0.1%と5%では
5%の方が濃いので少し濃い色に塗っておきます。
5%塩化ナトリウム水溶液がどのくらい必要なのか?
この時点ではまだ分からないので適当な大きさで大丈夫です。
これで準備ができました。
1 共通の単位 % を揃える
絵を書いてみると
% の単位は両方の絵に共通
していることがわかります。
(問題によってはmlが共通なケースがあります)
5%と0.1%を比べてみると
0.1のところに小数点がついています。
小数点の意味はこちらの表をご覧ください。
絵を書いて濃度計算をする方法では
計算をしない分
こちらの表を覚えておく必要があります。
0.1%は小数点が1つなので
1/10(10倍希釈)にすることがわかります。
1/10(10倍希釈)なので
お水を入れる容器を10個書きます。
このままでは0.5%の部分が
はみ出してしまい、収まっていないので
□を一つ消し5%の■を入れます。
これで
5%を10倍希釈した
0.5%の液体が用意できました。
2 希釈する
0.1%の塩化ナトリウム水溶液は
0.5%の塩化ナトリウム溶液の
5倍なので5倍希釈(5倍に薄めたもの)です。
0.1%塩化ナトリウム水溶液を
だいたい5つに分けるように□を書きます。
最初に絵を書いた
0.1%塩化ナトリウム水溶液と高さを同じにする
のがポイントです。
この1マスに
0.5%塩化ナトリウム溶液を当てはめます。
残りのマス□にも同じように
10個のマス□を書いて整えます。
3 1マス□当たりの量(ml)を考える
1マス□当たりどれだけの水を表現しているのか?
を考えます。
数えやすいようにキリの良いところで
半分に切ってみましょう。
500mlを半分に区切ったので
250と250になります。
ここで
先程作ったマス□が何個あるのか?
数えてみましょう
半分に区切ったところまで数えてみと
ちょうど25個あることがわかりました。
これで
1マス□当たりどれだけの水を表現しているのか?
がわかります。
1マス□が25個で
水250mlを表現していることになるので
1マス□は10mlを表現していることになります。
4 必要な薬液の量を整理する
1マス□が10mlを表現していることがわかったので
問題文にある
5%塩化ナトリウム水溶液の量がわかります。
%塩化ナトリウム水溶液は
ピンクで表示しているマス■1個なので
必要な5%塩化ナトリウム水溶液は
1マス■分の10mlとなります。
続いて
この問題の答えである
必要な水分量も数えます。
ピンクの部分■は
5%塩化ナトリウムが既に入っている状態なので
数えないように注意してください。
水を表現しているマス□が49個
1マス□は10mlを表しているので
必要な水分量は490mlとなります。
愛玩動物看護師国家試験勉強に必要な濃度計算【まとめ】
濃度計算の中で特に重要な希釈問題の解き方について
・公式を使った解き方
・天秤算を使った解き方
・絵を書いて考える解き方
3つの解き方についてご紹介しました。
国家試験では
どんな計算方法で解いたか?よりも
確実に正解を導き出すことが大事です。
自信を持って答えを導き出せるように練習しておきましょう。
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