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「とある」シリーズ(TVアニメ)、どこから見るか (アニメ見る順解説)

「とある」シリーズとは、原作ライトノベル『とある魔術の禁書目録』と沢山存在する外伝作品をまとめて指す呼称です。
原作は20年間続く大長編で、外伝作品の外伝作品がいくつも作られるという何とも凄まじい人気を誇る作品群です。
ですが、いかんせん作品数が膨大で、アニメだけでも本編3期外伝3期+1期と、「今からちょっと見てみよう」とはなりにくいのも事実です。

今回はそんな『とあるシリーズ』について、これから見ようかと考えている未視聴者向けに、ネタバレを極力避けた簡単な説明と、なにから見るべきか・どう見るべきか、おすすめの見る順番について個人的な意見を述べたいと思います。
前半は各作品について説明してますので、すでにあらすじなどご存知な方は、3.まで飛ばしてください。


1. 作品の舞台・背景(全シリーズ共通)

超能力が科学的に解明された"現代"、都市人口230万人のうち、8割が学生で構成され、学校と研究施設がひしめく、学園都市が主な舞台。
そこでは、授業の一環として超能力開発が組み込まれ、多くの学生が超能力を持っており、能力の度合いに応じてLV1~5と無能力者であるLV0に分けられる
一方で外部には公然となっていない異能力として魔術が存在し、世界中に魔術組織が存在する。

超能力がひとつの常識となった世界で、その中でも学園都市は技術が発展した都市なので、現代と比べると未来技術のあるSF都市です。
が、あくまで連載開始の2004年や、各巻の刊行時点から、20~30年後をイメージしているのものです。
なので、2024年現在では追いついたり追い越したりしている部分もあります(もっとも作品が続くにつれてアップデートされている面も多い)。
一方の学園都市外の世界は概ね現代と同じですが、世界各国に魔術組織が存在しています。
外伝シリーズではあまり関係ありませんが、本編はタイトル通り頻繁に絡むことになります。

2. 各シリーズの概要

・とある魔術の禁書目録〈インデックス〉(本編シリーズ 略称:禁書、インデックス)

以下、話の大筋に関わらないネタバレがあります。見ても面白さに影響ないと思いますが。

主人公である上条当麻は学園都市の区分ではLV0、無能力者となっているものの、右手で触れた異能力を打ち消す能力を持っている。
ある日彼のアパートにあらわれたシスターは、自身を禁書目録【読み:インデックス】と名乗り、自身の保有する10万3000冊の魔導書を狙って魔術師に追われていると告げ…………。

いわゆる能力バトルものであり、少年漫画に近い作品です。雰囲気でいうと呪術廻戦やBLEACHなどの作品と似ているでしょうか。

タイトルにあるように、常識となっていないもうひとつの異能力である"魔術"と主人公が対峙する場面が多いです。
ですが、その濃厚な設定と反比例するように、説明は作品の展開に影響しない程度に少しであったり、あるいは、説明用語に説明が欲しい場面が多く、特にアニメではそれが顕著です。
いうなれば、能力バトル版の新世紀エヴァンゲリオンともいえ、設定の元ネタを深掘りしていくとなかなか楽しいです。
ただ、特にそういったことをせずともエヴァがロボものとして見れるように、禁書も能力バトルとして楽しめます。

主人公の能力が無効化能力なので、あっ、チート能力だ、なんて思う方もいらっしゃるでしょうが、この作品、敵もなかなかに強力なのもあり、苦戦を強いられる場面が多いです。
ボロボロになりながらも強敵と戦っていくところがカッコ良い。

・とある科学の超電磁砲〈レールガン〉(外伝1 略称:レールガン)

主人公は御坂美琴。本編の人気キャラクターのひとりであり、学園都市に7人しかいないLV5の第3位、電撃使いの能力者。
エリート校でありお嬢様校でもある常盤台中学に所属する中学生で、下級生の白井黒子やその友人の初春飾利、佐天涙子らと共に奮闘していく。

本編が外の技術である魔術等と対峙する機会が多いのに対し、こちらは学園都市内に焦点が当たることが多いです。
そのためか、本編に比べ、学生もの、学園ものを感じるような作風です。
原作にはあまり焦点が当たらない学生らしい悩みや学園都市の問題などに触れられ、等身大の学生感を所々に感じられるのではないでしょうか。
能力の有無強弱によるヒエラルキーやコンプレックス、そしてそれを乗り越えていく友人関係など、学園ドラマとして深く入り込める作品だと思います。

また設定が複雑な本編に対し、魔術が絡まない分だけ単純になっており、設定に混乱するところが減っている点で、シリーズ未読者にこちらを進める人も多いです。

本編より更にアニメ全体のクオリティが高…………原作が漫画な分、アニメが作りやすいのでしょうか。とっても人気で、売れているのもあってか、この作品からさらに外伝作品が作られるという。すごいね。

・とある科学の一方通行〈アクセラレータ〉(外伝2 略称:アクセラレータ)

主人公は一方通行〈アクセラレータ〉。本編の人気キャラクターであるLV5の第1位で、【以下略】。

レールガンと比べて、より本編の外伝ぽいというか、あんまり説明すると他2作品のネタバレに繋がりかねないので省きますが、学園都市のダークサイドに焦点を当てたような作品になっています。(本編もそうではありますが)。魔術も少し絡みます。

アクセラレータのキャラクターが魅力的なので、そちらが好きな人、彼が主人公の話が見たいという人にはおすすめです。
一方でレールガンは本編を見てなくても楽しめますが、こちらは間違いなく本編を見ていたほうがいい作品で、間違いなく外伝作品といえるでしょう。面白さというか、作品の傾向も本編よりとなっており、同じような読み味を感じるかなと。

・おまけ 劇場版 とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇蹟-

お祭り作品的な立ち位置の劇場版作品。劇場版なだけあって作画もすごいし、話自体もきちんとしています。
禁書2期の7話の後の話なので、そこまで見れば見れます。

・おまけ2 とある魔術の禁書目録たん

ミニキャラと化した禁書目録を含む各キャラが本編のパロディをするBD/DVDのおまけアニメ
特典アニメは、いざ見ようとすると敷居が高いので、別に見なくてもいいです。

・おまけ3 超電磁砲OVA

超電磁砲1期後の追加エピソード。OVAとしては珍しく、TV放送されたことも(3期TVアニメ放送延期の穴埋め)あります。一時期は配信もされてたみたい?
見たい方はぜひ。OPがとても可愛く、それだけでも見る価値はあります。

3. どの順番でみるべきか? 4パターンで紹介

さて本題。

  • とある魔術の禁書目録(1期/24話)

  • とある魔術の禁書目録Ⅱ(2期/24話)

  • とある魔術の禁書目録Ⅲ(3期/26話)

  • とある科学の超電磁砲(1期/24話)

  • とある科学の超電磁砲S(2期/24話)

  • とある科学の超電磁砲T(3期/25話)

  • とある科学の一方通行(12話)

がTVシリーズとしてある訳ですが、シリーズ未視聴者はどこから手をつけるべきなのでしょうか?
いくつか選択肢が考えられますが、個々人で正解が異なると思います。
なので、それぞれのバックグラウンドに合わせて、いくつかのパターンを載せております。自分はこれだ!というものを選ばれるとよいと思います。

色々読むの面倒くさい人は、とりあえず1の順番で見ればいいです。


1. シリーズを余すことなく、全部楽しみたい! or 少年漫画や能力バトル系のアニメそこそこ見てます! (放映順)

禁書1期→レールガン1期→禁書2期→レールガン2期→禁書3期→(アクセラレータ)→レールガン3期

一番無難な選択肢。新しいアニメから古いアニメに進まないので、アニメのクオリティにギャップを感じることはないでしょう。もっとも、一番古い禁書1期も今見てもそこまで古臭くはないです。

アクセラレータは本編で一方通行が好きになったらで大丈夫です。出来は十分良いのですが、なんというか、外伝アニメって感じなので。後回しにしても違和感もないです。

2. 興味はあるけど、ちょっと量が多くて尻込みしちゃう。 or 能力もの見慣れている訳じゃないし、まずはサクッとどんな感じか見てみたい。 

レールガン1期→禁書1期→禁書2期→レールガン2期(順不同)→禁書3期orレールガン3期(順不同)→(アクセラレータ)

正直、禁書1期よりレールガン1期の方が頭に入ってきやすいと思います。
実はレールガン1期のエピソードは禁書1期より時系列が若干前です。
加えて本シリーズが独立して見れるように説明も手厚い作りなので、こちらを先にしてもあまり違和感はないです。
とげとげ頭の男が本編主人公、シスター服の少女が本編ヒロインと知っていれば。

レールガン後に禁書1期を2、3話見て、合わなそうと感じたらそのままレールガン2期、3期と進むのも手です。
ただ、レールガン2期の半分ほどは禁書1期にでてくるエピソードを大幅なリメイクをしたもので、またレールガン2期は劇場版スタッフがそのまま作成した関係でクオリティがすさまじいのもあり、レールガン2期→禁書1期と進むとややもの足りない感を感じる部分があります。
個人的には上に載せた順でみることをおすすめします。

3. 同時視聴等の配信者で、シリーズをいったりきたりしたくない。or 一気見できないし、前の話とか設定とか忘れちゃうわ

禁書1期→禁書2期→禁書3期→レールガン1期→レールガン2期→レールガン3期→(アクセラレータ)

他の見る順番と異なり、話が連続して進むので、「自分、設定忘れがちだな」と思う方や、「視聴者が辿れなくて同接、視聴数に影響しそう」と思う配信者はこちらがおすすめです。
レールガンと禁書の順番を逆にしてもいいとは思いますが、さすがに見劣りするし、2.でも書いたように、重複エピソードの問題があるので、視聴感に影響するかなと。
なので、禁書を見るつもりならおすすめはしません。禁書とレールガンは、エピソード自体は独立しているのでどちらかだけを見ても見れないことはないのですが。
同時視聴向きなのはレールガンな気もしますが……

4. コラボで見たレールガンの子たちの話がみたい・履修したいけど、違和感はなく見たい(主にレールガンを見たい)。

パターンA レールガン1期→禁書1期14話まで→レールガン1期→レールガン2期→レールガン3期→(禁書続き)
パターンB 禁書1期14話まで→レールガン1期→レールガン2期→レールガン3期→(禁書続き)

とにかくレールガンを見たい人向け。いやまあレールガンだけ見てもいいんですけどね……
この順番のいずれかでみれば、レールガンの途中でサブキャラのひとり(本編主人公)が急に活躍することの違和感は低減でき、2. 、3. で書いた重複するエピソードを旧→新の順で見れます
レールガン3期見た後に本編が見たくなっても、さすがにアニメは見劣りしますが見れなくはない、はずです。
パターンBのほうがより自然ですが、レールガン見たい人に最初から別の作品をというのも。。。
一時期はとにかくコラボが多かったレールガン。ブルアカとのコラボは話題になりました。


おわりに

外伝のアニメ化が2つあり、放映順、作品内の時系列も入り組んでいるこのシリーズ。他にも色々な意見があると思いますが、参考になれば幸いです。
アニメ見終わったら、ぜひ原作も! アニメに引けを取らない面白さがあります。

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