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【戦隊レッド 異世界で冒険者になる 1~4話感想】OPが期待させる、隠れた良作になるか?

本日は2回行動の日です。

戦隊レッド 異世界で冒険者になる』、皆さんはご覧になってますでしょうか?
今期のアニメ紹介のnote↓で良さげとコメントしておりましたが、もしかすると想像以上に良くなるのかもしれません。

今回は1〜4話をまとめて、さっくり感想を書いていきます。


異世界もの×戦隊ものとして

タイトルが示す通り、特撮作品である戦隊シリーズの架空作品異世界もののテンプレートを掛け合わせた作品です。
異世界ものとしては(現段階では)特筆することもないでしょうか。大きく外すこともなくテンプレートといった通り。

戦隊ものの設定はかなり良さそう。
絆創膏という、本家でも昨今多い、子供に身近でかつ少し外したアイテムに、絆を創るという作品の根幹を与える関係性テーマを被せるのはいいデザインです。
この当たりがしっかりしてると、作品のテーマの説得力だけでなく、作中作のリアリティも見え、戦隊シリーズの作品で異世界ものを作っているというファンの共感も得やすいと思います。
作中作が設定される作品は、大概そのクオリティがネックになって没入感を阻害しがちです。作品1本分に2つの設定を盛り込むと複雑になるからですね。
ですが、本作の設定を見るに、そこが問題になることはないと予測します。

ただ、現段階ではまだまだリスペクト・オマージュの範疇ではあります。今後の脚本にどう活かしてくるのか、この作品の価値を決める鍵になってくるのだと思います。
原作を読んでいないので予測になりますが、現段階では十分に期待が持てる作品だと思います。

大きく崩れることなくまとまったクオリティの作画、脚本

なにを当たり前のことを、と思われる人も多いと思います。
ですがアニメ業界、異世界モノは一部を除いて、数を打つ戦略を取っているように感じます。少し前の学園能力ものライトノベルみたいな感じですね。
明らかな地力、ネームバリューのある作品を除いて、何が当たるか判断するのは難しいので、当たりの多い流行り物が多く作られるのは致し方がない。

ただ、そのせいもあって異世界もの作品は低予算感のあるデザインをしていることが多いのですが、それでも扱いが難しいのか作画が崩れる作品が他ジャンルと比べても多く、しばしば散見されます。(何とは言いませんが)

現状、この作品も作画が飛び抜けてどうこうというレベルではないですが、大きく崩れてはいません。
この感じであれば、最後まで一定のクオリティを維持できそう

そしてメディアミックス作品につきものである、アニメ化による脚本のムラも、(原作読んでいないので推測ですが)違和感はありませんでした

OPが良い

声を大にして言いたい。OPが良い

OPの重要性

オープニング、OPというのは、クレジットとしての機能以外に、作品への導入となる部分で、特に近年の作品においては、単なるキャラ紹介だけでなく、作品と一体化するような形でのテーマの強調と強化に寄与している部分です。(新世紀エヴァンゲリオンのOPが高情報系OPが流行るキッカケと言われてますね)

私個人としては作品そのものと並んで、かなり重要視しています。
ここが良いアニメは、少なくとも作品の重要点、売りを整理しようとしていると考えられます。
そしてこれらが曖昧なアニメはいくら絵や音響が良かろうとも話が面白くなかったり、まとまりがない作品になることがほとんどと言っていいでしょう。娯楽作品としては致命的です。
なので、OPは良作品を見極める判断材料として有用だと思います。

OPが当たりな作品でもダメなアニメはたくさんありますが、今まで見た中で、OPがイマイチな良いアニメ作品はほぼありません
感性、興味が合わない場合もなくはないです。ですが、ほとんどの場合作り手側の作品理解、設定が甘いのか、あるいはそれに至る余力がないのか、凡アニメ、駄アニメの割合が多いと感じます。。(クソアニメはほとんどの場合事故なので、OPからは判断できないことが多い)

それに、やっぱりテンションが上がっていた方が冷めた目で見るより作品が面白く感じるものです。そういう意味で、OPは作品の一部だと思います。

本作のOPの出来

さて本作はどうでしょうか。
冒頭で示される、戦隊メンバーの全員の後ろ姿の絵と、切り替わって異世界に入り一人になってしまったレッドこと浅垣灯悟のみの絵。
前者では左手を腰に手を当てやる気、熱意に満ち溢れているように見えますが、後者は左手がダラリと下がり、右手のガッツポーズも肘が下がっていて表情がなくても、もの寂しさが伝わってきます。
次のアップになるカットでガッツポーズから開いた右手を眺めていることがわかります。(引きの絵では開ききってないようにも見えますので、閉じていた手が開いていくような流れとも考えられます)
並んで流れるOP歌詞の、「どうしようもなく、誰もが一人きり」

ここまでイントロ前半部。すごい引き込まれます。

昨今の異世界ものテンプレートは現実の逃避(いい意味、悪い意味で)がほとんどですが、本作はそうではなく、古典的異世界作品のテンプレート、つまり異世界で物語が進みながらも、現実に回帰するような感情があるという方向性の作品であることが伝わってきます。
OPのない1話で提示される、絆が力となるという設定と合わさり、現実世界で気づき上げてきた絆を失ったしまった喪失感が示され、そして切り替わる歌詞の「Cuz I」がそこから始まる物語であることを示しており、作品として重要なテーマ、基盤が何であることを提示しています。

このイントロ部だけでも、この作品が単なる戦隊シリーズオマージュの異世界作品でなく、一作品としての面白さを期待させてくれます。

イントロ後、Aメロからキャラクター紹介のパートに入ります。キャラクター一人が少し動き次のキャラに映り、悪役がさっくり提示されるという戦隊を含む特撮では定番のOPオマージュですが、ベースとなる色が黒色で、作品が少しダークな雰囲気をはらむことを感じさせます。
歌詞も例えば、Aメロ繰り返しの部分で「何もかも引き剥がされ」「情熱信じるしか」と作中明るい熱血漢としている主人公の中にどういった感情があるかを示しています。

この後も仔細に語るのはやめますが、本作1〜4話までのオマージュ感・コメディ感の強い作風と反しその上に付け加えられるシリアスな面白さが示唆してあります。

単なるOP詐欺でなければ、絆というテーマを軸に描かれる物語としてまとまりがあり、想定以上に物語としての面白さが期待できそうです。
また、そうであるならば、単なるOPとしてのクオリティに加え、物語を見たい視聴者を繋ぎ止める補完としても機能しており、序盤語ることのできないキャラクターのバックグラウンドを暗示していることも含め、完成度の高いOPであると言えます。

まとめ

正直に言えば、OP見る前までは単なるオマージュ作品だろうと侮っていた部分はあります。4話段階まではまだ1話前の期待通り(オマージュの完成度は期待以上)ぐらいですが、今後の展開に期待しております。

正直、原作未視聴の良作品は我慢しきれず原作に手を出してしまうことも多いのですが、この作品は毎週の楽しみとしてワクワクしながら見届けたいと思います。

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