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『すずめの戸締まり』のアニメ俳句一覧

こんにちは。アニメ俳句部です!

先日、X(旧Twitter)で『すずめの戸締まり』の俳句を募集したところ、104句の俳句が集まりました。この記事では、その俳句の一覧を公開します。

【イサクさん作】
蝶の居て夢から醒める朝のあり
自転車の坂のはつこいはついなづま
養花天奇石は猫になりたがる
顔のある椅子ですあたたかき椅子です
浴衣着て〆はLINEの猫ぺこり
友が友となるよ愛媛は夏ですよ
あああれは伏線青嶺の観覧車
スナックのソファーに伏せる夏の夜
夏来る教員採用試験落つ
なつやすみ蚯蚓は落ちるために飛ぶ
驟雨いまみみずの体液めきて嫌
雷や彼の締まらぬカブリオレ
夏闇を吐き出すダイジンサダイジン
椅子だって死ぬのは怖い冬の海
あたしはねあなたの明日春を待つ
ゆっくりと帰る三陸夏の果

【一久恵さん作】
海からの南風と出会う坂の道
風鈴の優しき音や絆創膏
草いきれ廃墟に隠る魔の扉
秋めける電車の中の猫の伸び
高速の斜めに刺さる大夕立
津波あと雑草そよぐ夏の果
絶望を認めぬ人の息白し
万緑やあなたは私の家族です

【香田ちりさん作】
春泥をひとりぼつちのコンバース
かつちりと扉に鍵や春ゆだち
囀りて渦の大きくなりにけり
手づくりの椅子に遊べる蝶々かな
鳥雲に入るや列車は東京へ

【里山子さん作】
見えぬものもゐて東京の空は水
雨水てふすずめの涙色の空
桜守椅子にこころがあるならば

【水蜜桃さん作】
八月の扉へ白と黒の猫
生も死も喜怒哀楽もや星月夜

【高尾里甫さん作】
秋暁や貴方と歩むための靴
桐一葉教採ぶっちしたあいつ
秋野行く自転車 子に捧げた時間
天漢渺々おかあさんどこにいるの
蝶や蝶二枚の板でできた椅子
春を往け朝がどんなに綺麗でも

【龍田山門さん作】
母いづこいづこと泣ける雀の子
夏の海美しき男を遣はしぬ
雲うつす泉の白き扉をひらく
青嵐走る猫椅子恋乙女
大凶や夏の大橋わたる猫
涙して目覚むる夢に燕来て
常世かな昼の春野に星の輝る
どの人も扉をあけて霞かな
深く打つ蚯蚓鎮めの要石
ひとりの戸締めてふたりの秋となる

【土佐藩俳句百姓豊哲さん作】
人参へ星の型抜き突き通す
澄む秋の水へローファーつかりけり
ローファーの踵秋寒の石像
山腹に深紅のミミズそぞろ寒
突っ立てる真白き扉秋の水
背もたれにまあるき瞳涼新た
月光や温もりがある子供椅子
秋麗に真白き猫の画像かな
白猫に車掌の帽子秋澄めり
よみがへる地域の声音秋澄めり
秋の夜の隠し包丁つまみ出す
行灯とスマホのコード星月夜
バス停に赤き髪留め秋の天
姉ちゃんが富士山になる秋夜かな
ゴンドラの扉全開後の月
背もたれに口づけの息秋の朝
A席のサンドイッチを食む残暑
そぞろ寒車体の下に白き猫
舗装路に黒きローファー秋夕焼
秋の日の地下に巨大な大手門
真っ白なトートバッグや秋澄めり
オンボロのペダル漕ぎたるむら薄
日記には異界の扉花野風
両手には猫の石像秋の夜
秋天や大事なものはもらってた

【鳥田政宗さん作】
花曇ネトフリで観る映画かな

【南方日午さん作】
春愁の閉ぢる扉の重さかな

【猫髭かほりさん作】
木の芽雨こぼるる光の先は明日

【ノセミコさん作】
教室のマーガレットは倹約家
痩せぎすのネコ喋りだす夏の窓
夏の庭椅子にまなこを彫る日暮れ
とぐろ巻く空よ渋谷の夕焼よ
夏蝶の集る田んぼの事故現場
太陽と月朝と夜あまたの死
母さんを探す常世のいつも月
三月に置きっぱなしの「行ってきます」
てのひらの猫の温みや旱星
どこかへは行ける扉よ慈雨ぬくし

【広瀬康さん作】
はじまりは廃墟の扉より蚯蚓
出会いって坂ころがってくる蜜柑
廃園のゴンドラに飼う星月夜
夏の夜の家出少女へ焼きうどん
人からは見えない仕事みづ温む
猫の子の予言いつぱい人が死ぬ
うちの子になろう吹雪の贄やめて
嘘ついてソフトクリーム以外闇
愛情につぶれるソフトクリームよ
十二年ぶりの帰省や風やさし
絵日記の三月十一日の黒
春泥を踏んでわたしにある明日
マフラーを風に任せて再会す

【渡辺香野さん作】
思い出の椅子受け継がれ春の星
春日影やせっぽっちとなりし身の
椅子と化し余寒のパンを受け付けず

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以上です。お読みいただきありがとうございました!

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