うちのたかし
私はドラゴンボールのピッコロさんが好きです。小さい頃から大好きで、今風に言うと推しです。
どれくらい好きかというと、【ドラゴンボールのピッコロさんと孫 悟飯とぼる塾の田辺さんと私の四人でディズニーランドに遊びに行ったら】というテーマでおばあさんになっても話せるくらい好きです。
因みに、ぼる塾の田辺さんは私のリアル友達です。私のピッコロさんへの思いを一番聞いてくれる存在です。ピッコロさんと私が想像上で出かけるときは田辺さんも一緒に出かけます。なぜなら、田辺さんも一緒にストーリーを考えてくれるからです。四人で出かけたディズニーランドの話しも田辺さんと二人で作り上げました。田辺さんはもうひとりの同行者である孫 悟飯に対して、
田辺さん「孫 悟飯がしたこと(ドラゴンボールのストーリーで起こったこと)は私絶対許さないよ」
と、私と彼女が出会った当初は憎しみすら抱いていました。ですから、私たちのストーリーは、
・ピッコロさんと私が一緒にいる(いられるだけで良い)
・田辺さんと孫 悟飯の和解(これは私の余計なお世話)
という二大テーマでどこに発表するわけではないですがお送りしていました。(しかし、ここ最近で田辺さんと孫 悟飯の関係は、田辺さんの「私が彼を誤解していた」という理由で和解しました)
つまり、「ピッコロさんは私にとってとんでもない存在」だということです。
ここから本題に入るのですが、少し前にピッコロさんのフィギュアをいただきました。とても格好良いフィギュアです。もう箱の時点で格好良かったので箱から出すか迷ったのですが、
私「ピッコロさんを飾りたい」
という欲望に負けて箱から出しました。ピッコロさんはとても格好良く、箱から出して良かったと思いました。私が満足げにピッコロさんを眺めていると、
息子「それ何?」
4歳の息子がピッコロさんに興味を持ちました。息子はまだドラゴンボールを通っていません。彼が生まれて初めてピッコロさんの存在を認識した瞬間です。
私「ピッコロさんだよ」
息子「格好良い」
息子がピッコロさんを「格好良い」と言ったそのとき、「わが生涯に悔いなし」という言葉が頭に浮かびました。自分の子どもがピッコロさんの格好良さを理解できるまでに成長したことに喜びを感じ、「そろそろ正式にドラゴンボールデビューさせるか」などと考えていると、息子はピッコロさんで遊び始めました。
私(ただ飾るよりも息子が遊んだほうがピッコロさんも嬉しいだろう)
映画【トイ・ストーリー】でおもちゃの気持ちを学んだ私は、ピッコロさんと息子が仲良く遊ぶ姿を見守ることにしました。ピッコロさんはうちにあるシルバニアファミリーの赤ちゃんに対し、
ピッコロさん(息子)「前回りしろ」
と、言って前転させ、
ピッコロさん(息子)「上手。上手」
と、褒めていました。そんなやりとりを見ていると、息子が、
息子「ピッコロさん踊って!」
そう言って、私にピッコロさんを手渡しました。
私(ピッコロさんを躍らせる?!私が?!)
私の人生、ピッコロさんに出会った瞬間からピッコロさんに踊らされっぱなしでした。そんな私がピッコロさんを躍らせる?(ピッコロさんをディズニーランドに連れて行ったりはしましたが)
ピッコロさん(私)「たらったらったらた~♪」
私はピッコロさんに【うさぎのダンス】を躍らせました。息子はその後、「ピッコロさんとごはん食べる」と言って、ピッコロさんと夕飯を食べ、
息子「ごはんママが作ったんだよ!」
ピッコロさん(息子)「上手。上手」
私はピッコロさんから冷ややっこを褒められるという嬉しいイベントが発生しました。その後も、ピッコロさんは我が家のシルバニアファミリーを集合させ、
ピッコロさん(息子)「前回りしろ」
と、言って前転させ、
ピッコロさん(息子)「上手。上手」
と、ひとりひとりに向かって褒めていました。
私(このままいけば、息子もピッコロさん好きとして成長するかもしれない。そしてうちのシルバニアファミリーは超強いシルバニアファミリーになるかもしれない)
しかし、そんな私の願いをよそに事件が起こりました。その日も息子はピッコロさんで遊んでいました。
息子「たかし~」
たかし?
息子「たかしがゾンビハンターね!」
息子がピッコロさんを【たかし】と呼んでいたのです。
私「その子、【たかし】って言うの?」
息子「たかしだよ!」
私が知らない間にピッコロさんは【たかし】になっていたのです。【たかし】はシルバニアファミリーの赤ちゃんたちを引き連れてゾンビになったトミカを倒していました。
たかし「ゾンビが上からきた!」
シルバニアファミリーの赤ちゃん「パンチ!」
たかし「上手。上手」
息子「たかし!消防車きてる!」
たかし「キック!」
そこからピッコロさんはピッコロさんなんだけど、もう【たかし】にしか見えなくなりました。
豆腐が好きなたかし
足の部分によく豆腐をつけているたかし
シルバニアファミリーにトレーニングをつけるたかし
褒め上手なたかし
ダンスが好きなたかし
息子に抱っこされるたかし
勿論、私の中にずっと憧れの存在であるピッコロさんはいます。ですが、目の前のピッコロさんはそのピッコロさんと同じ姿をしているけど、【たかし】。ピッコロさんとはまた別の大切な存在になった【たかし】。名前というものがすごいパワーを持っていることを、私は息子と【たかし】に教えられました。
息子「たかし何色が好き?」
たかし「黒」
息子「たかし踊って!」
息子は【たかし】のダンス担当を私にしているのか、必ずダンスのときは私に手渡して来ます。
たかし「たらったらったらた~♪」
息子がこれからさらに大きくなって、いつか【たかし】のことをピッコロさんと呼ぶようになっても、私にとって彼は【うちのたかし】です。
おわり
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