また遊ぼうね
ある日のことです。私が息子と遊んでいると、田辺さんから連絡がありました。
田辺さん「はーい!仕事が夜からの日あってさ!それまで空いてるからみたらし(息子のあだ名)と遊びたいんだけどどうかしら?〇日!」
息子に早速伝えると、彼は大喜びしました。
私「みたらし喜んでるよ!ありがとう」
田辺さん「良かった!でもみたらしって会ったら冷たいのよ!なんで?!私がしつこいからだね!」
田辺さんはハイスピードで自己完結し、その日は遊ぶことだけ決めて終わりました。その後、
あんりちゃん「私もみたらしと遊びたいです!」
はるちゃん「私も行く!」
あんりちゃんとはるちゃんも、「その日は夕方から仕事だけどそれまで遊びたい!」と言ってくれ、ぼる塾と息子でお台場にあるレゴランド・ディスカバリー・センター東京に行くことが決まりました。
私(この夏、息子に特別なお出かけあんまりしてあげられなかったからみんなありがとう…!)
そして当日。
あんりちゃん「おーい!みたらし~!」
田辺さん「みたらし!田辺さんだよ!」
ゆりかもめを降りると、あんりちゃんと田辺さんが出迎えてくれました。(用事があったはるちゃんはレゴから合流)
あんりちゃん「まず昼ご飯を食べよう!」
ぼる塾と言えばごはんです。
あんりちゃん「みたらし何食べたい?」
息子「マクドナルド!」
あんりちゃん「よし!マクドナルドに行こう!」
田辺さん「billsでパンケーキはどうかしら?」
息子「マクドナルド!」
田辺さん「お台場のbillsは素敵よ~」
あんりちゃん「田辺さん!マクドナルドで決定です!」
こうしてお昼ご飯が決まり、みんなでマクドナルドに向かいます。
田辺さん「マクドナルド…嫌じゃないわよ…でも…」
運良く席も確保でき、息子は大好きなハッピーセットを前にして大喜び。あんりちゃんもポテトを前にして負けないくらい大喜びしていました。
あんり「みたらしポテト良いね~!あんりもポテト食べるよ~!」
田辺さん「私はポテト食べられない…」
田辺さんがマクドナルドに行くのをちょっと嫌がった理由。田辺さんはテレビ番組「ラヴィット!」の罰ゲームで【ポテト禁止期間】だったのです。
田辺さん「マクドナルドにいるのにポテトが食べられないなんて生殺しだよ」
田辺さんはすでに一度「ポテト禁止」をやぶってポテトを食べてしまい、さらに禁止期間が延長されていました。
あんりちゃん「みたらしポテト美味しいね~」
息子「美味しい!」
田辺さん「くそっ!」
あんりちゃん「田辺さんはお金ないからポテト食べられないんだよ」
田辺さん「違うよ!ラッピー(ラヴットの可愛いうさぎのキャラクター)にポテト食うなって脅されてるの!」
あんりちゃん「ラッピーは関係ないだろ!」
食事中、あんりちゃんは息子がナゲットをソースにつけたら、
あんりちゃん「オレはナゲット。風呂に入れてくれてありがとう」
と、ナゲット役まで演じてくれたりと、ずっと息子を楽しませてくれました。田辺さんも、
田辺さん「見て!田辺さんもナゲット食べてるよ!ナゲットは禁止されてないからね!」
と、自分が【ナゲット禁止】ではないことをアピールしてくれました。お腹がいっぱいになり、みんなでちょっとお台場をぶらついた後、はるちゃんと合流していよいよレゴランド・ディスカバリー・センター東京に到着しました。
全員「わ~すごい!」
初めて行くレゴランド・ディスカバリー・センター東京は、レゴの工場やアトラクション、アスレチックなどレゴ満載の夢のような場所でした。これには息子だけではなく大人もテンションが上がります。
私「シューティングゲームがあるからやってみよう」
私達は乗り物に乗ってレーザー銃で敵を倒すアトラクションに乗ることにしました。
田辺さん「これは5人一緒に乗れるけど前と後ろに別れる感じだね」
はるちゃん「みたらしは誰のお隣に座りたい?」
息子「はるちゃん!」
はるちゃん「わーい!嬉しい!」
息子「はるちゃんとオレがお隣でママと田辺さんがお隣ね!行こう!」
あんりちゃん「私消されてない?」
なんと、息子はあれだけ一緒に遊んでくれたあんりちゃんを消したのです。これに田辺さんは大喜び。
田辺さん「いひひ!あんり消されたよ!あんりどこ行ったのさ!」
あんりちゃん「ほんとだよ!あんりどこ行ったんだよ!」
はるちゃん「あんりも可哀想だからいれてあげて」
息子「いいよ」
あんりちゃん「いいよってなんだよ!みたらし、さっきのマツケンサンバそんなに嫌だったの?」
息子があんりちゃんに冷たくなった理由。それはマツケンサンバです。あんりちゃんは消される少し前にマツケンサンバを全力で歌っていました。
あんりちゃん「オーレ、オレ―」
息子「それやめて!」
あんりちゃん「オーレ、オレ―」
息子「やめてよ!」
あんりちゃん「オーレ、オレ―」
あんりちゃんのいきなりマツケンサンバに息子は怯えていました。田辺さんは、「あんりってマツケンサンバのとき声が低くなってちょっと怖いね」と感想を述べていました。
あんりちゃん「マツケンサンバでまさかこんなことに…」
田辺さん「あんりのマツケンサンバ全力過ぎてちょっと怖かったよ」
あんりちゃん「マツケンサンバは全力で歌うもんですよ!マツケンが手を抜いてマツケンサンバ歌ってるところ見た事あります?」
田辺さん「それもそうだね」
なんだかんだ五人で乗り、その後もみんなでアトラクションで遊んだりワークショップに参加したりとレゴの世界を楽しみました。
あんりちゃん「そろそろ私とはるちゃんは行かないと」
楽しい時間はあっという間に過ぎ、あんりちゃんとはるちゃんとのお別れの時間がやってきました。
あんりちゃん「みたらし!ちょっと待ってて!」
戻って来たあんりちゃんの手には大きな紙袋がありました。
あんりちゃん「みたらし!今日はありがとう!これはお家に帰ってからママと遊んでね!」
あんりちゃんはレゴのお土産を買ってくれていたのです。
私「みたらし!すごい!良かったね!」
息子「すげ~!すげ~泣きそうかも!わ~泣きそうかも!…泣きそうかもー!」
あんりちゃん「そこまで言ったら泣けよ!」
はるちゃんもレゴランドで沢山みんなの写真を撮ってくれ、ワークショップでは、「できないよー!難しいよー!」とやる前から言っている息子に、
はるちゃん「大丈夫!はるちゃんと一緒に頑張ろう!」
と、ずっと優しい声をかけて完成までのお手伝いをしてくれました。息子ははるちゃんとワークショップの先生と眼鏡を忘れたためパーツが判別できないけど『やればできる!』と言い続けてくれたあんりちゃんのおかげで無事にレゴのパトカーを完成することができました。
あんりちゃん、はるちゃん「「また遊ぼうね!みたらし!」」
優しかったお姉さん2人が帰ってしまいました。残されたのは、家からずっと元気過ぎる息子を追いかけまわしてヨレヨレの私とワークショップで何も始まっていないときから「難しすぎだよー」と言い出す息子に、
田辺さん「みたらしったらまだ何もしていないのに『できない!無理!』って言うところ私にそっくり!あんりとはるちゃんに励ましてもらってる所まで私に似てる!私をリスペクトしてる?」
と、言っていた田辺さんです。
私「この後どうする?」
田辺さん「お茶したいね」
その後も三人でレゴの世界で遊び、正直大人2人はちょっとお茶でもして椅子に座りたい気分でした。なんならちょっとどころかずっとお茶をしていたい気分でした。
息子「トランポリンしたい」
レゴランドに行く途中で通った道に屋内遊園地があったことを息子は覚えていたのです。私と田辺さんは見つめあいました。見つめあった二人には愛ではなく疲労が浮かんでいました。
田辺さん「ママと田辺さんはお金ないからそこには行けないよ」
私「そう、私達お金ないの」
息子「なんで?」
田辺さん「あんりとはるちゃんはお仕事しに行ったけど、ママと田辺さんはここにいるってことは働いてないの。だからお金ないの」
息子「二人もちゃんと働きなよ」
田辺さん「なんだって?!私達だってちゃんと働いてるよー!」
田辺さんは無茶苦茶でした。
田辺さん「ママも田辺さんも普段それはそれは一生懸命働いてるの!だからお金ほんとはあるの!良いわよ!行きましょうトランポリン!」
田辺さんはそのとき、「自分でも何を言っているのかよくわからなかった」そうです。田辺さんは入園料を支払う時に、やはりお金がないと思われたほうが都合が良いと思ったのか、
田辺さん「田辺さんはやっぱりお金ないの!ほらお金ないからカードで支払うの!」
と声に出して息子に言い、それを聞いた受付のお姉さんが心配そうな顔をしていました。田辺さんはその後、穴に入った子どもを転がす遊具で息子を転がしてくれました。
田辺さん「みたらしまた遊ぼうね!絶対だよ!」
息子「うん!」
また遊ぼうねだからおわらない
おまけ
この日の思い出を語るあんりちゃん。
あんりちゃん「私がマクドナルドでナゲットになったとき、私はナゲットとしか言っていないのにみたらしが、
息子『ナゲットマンそんな声じゃないよー!』
って即座にナゲットマンって名前つけてくれて嬉しかったです」
*
ぼる塾エッセイシリーズ第三弾「酒寄さんのぼる塾晴天!」発売されます!この本だけの書き下ろしのみたらしとぼる塾のお話も収録されています!詳細はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/4847074912
ぼる塾エッセイ第二弾です!今よりもっと小さいときの息子とぼる塾の友情話が収録されています「酒寄さんのぼる塾生活」好評発売中です!詳細はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/4847072804
第一弾「酒寄さんのぼる塾日記」発売中です!赤ちゃんの息子とぼる塾の友情をぜひ。詳細はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/4847071301