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高知から世界へ、起業という挑戦
こんにちは、株式会社アングラーズのCTO渡邊です。
釣り人のなかで少しずつプロダクトが認知されてきたことを実感しつつも、まだまだ事業や開発組織には成長余地がたくさんあるため、心地良いプレッシャーを感じながら日々がんばっています。
今回のnoteでは、自己紹介とともに少し昔を振り返りながら、アングラーズの開発組織の現状と、私が大事にしているエンジニアリング文化を書いていきます。
希望の光と決断
前職では、地元高知でシステム開発をしていました。百貨店や銀行などのバックエンド・フロントエンド・バッチ業務などを幅広く携わる、いわゆるSIerです。デザインパターンを経験したjava servletなども良い思い出ですが、「COBOLもやってました」という話をすると、エンジニアの人にはややウケます。
SIerとして忙しい毎日を送っていましたが、ある日、大学時代の友人である若槻(現CEO)とその友人の藤井(現COO)から
「起業するから一緒にやらないか?」
と誘いがありました。その言葉に、私の心が大きく揺さぶられたのを覚えています。
前職在籍中は、開発したサービスが実際にどんな人に使われているのか、どのように役立っているのかなど、エンドユーザの顔を知ることなく黙々と仕事をしていました。それが必ずしも悪いわけではありませんが、きっとどこかモノ虚しさがあったのかもしれません。
当時はそこまで言語化できたわけではなく、なんとも言えない感覚的なものでしたが、きっと言語化するなら「降りてきた仕様をただ黙々と熟していく毎日で良いのか?」「このままの人生で良いのか?」そんな気持ちだったかと思います。
ちょうどそのタイミングで二人から誘いがあり、迷いなく、二つ返事で一緒にやろうと決断しました。
自分たちがつくったサービスを、直接世の中の誰かに使ってもらえることほど嬉しいものはないと感じたからです。実際にそのような事業を生み出す瞬間に、私も立ち会いたいと強く思いました。
とかっこよく書きましたが、半分はそんな気持ちがありつつ、もう半分は「スーツを着て仕事をしたくなかったから」というのも正直な気持ちです笑。
服装や環境も含めて、働くうえでの最適なルールをつくる側にまわりたいとも感じました。そう決断した私は、迷いなく二人とともに起業の道を歩み始めました。
挑戦の始まり
創業当初は、資金も人手も不足していました。さらには人脈もないなかで、まず最初に決めたことは、東京に出ることでした。当時、私は高知、若槻と藤井は関西にいましたが、
「スタートアップに挑戦するなら、一番そういう人たちが集まっている場所にまず行こう」
ということで、東京に住まいを移し、三人で一つ屋根の下に住むことになりました。
限られた生活費の中で、食費を切り詰め、まず何をやろうかと議論する日々。試行錯誤や仮説検証を繰り返しながらも、これといった成果や芽が出るものがなく、2012年頃はいろんなアプリやウェブサービスをリリースして実験していました。まさに葛藤の日々です。
そんなある日、釣り業界のある著名人の方とお話しできる機会がありました。その方から、釣り人が抱えている課題や、まだまだ釣り業界がアナログであることなどをヒアリングさせていただき、この業界に対して可能性を感じました。
12年前の2012年当時は、まだスマホが普及し始めたタイミングでした。今後のデバイス浸透の未来により釣り業界へのアプローチがしやすくなる、課題が解決しやすくなるというチャンスを感じ、いろいろ立ち上げたなかから「ANGLERS」一本に絞りました。
とはいえ、当時は投資家からの反応が良かったわけではなく、資金調達も苦労しましたし、芽が出るのにも時間がかかりました。(そのあたりの苦労話は代表若槻のブログをご参照いただければと)
その後、まずは明確な課題を解決する「機能的な部分」に焦点をあてながら、以下のように進化してきました。
釣果の写真1枚であらゆる情報を一括記録
グループ内での釣果の共有機能
釣果の公開
スマホならではのオンライン釣り大会
釣りの話題や雑談を投稿できる釣りトーク
本音の口コミが集まる釣具通販タックルボックス
そして2024年初夏には、、、
釣り人に寄り添うシステムを目指して
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釣りにおいて、もっともセンシティブに取り扱わないといけないことが「釣り場情報」の扱いです。ピンポイントで場所がわかってしまうと、次の週末には釣り人だらけ、、、ということが起こりかねません。
ANGLERSでは、「絶対にピンポイント位置情報は公開しない」というルールのもと、ざっくりとしたエリア公開というやり方でアプローチしてきました。
位置情報からLogicを通じてエリアを決定します。エリアには親と子という概念があり、釣り人によってはもう少しエリアをぼかしたいなぁ、と思ったら任意の親エリアを選択できるようにもしました。
また、コロナ以降は釣り禁止場所も増えてきました。
なかには釣り禁止場所での釣果もありますが、そういった報告をあげてくれる釣り人がANGLERSユーザにはいらっしゃいます。釣り禁止場所なども、ANGLERSだからこそ素早く多くの釣り人に周知できることだと考えています。カスタマーサクセスチームと連携し、釣り禁止場所には釣果が投稿できなくなるように、管理画面上で随時コントロールしています。
開発組織は、釣り人のみならず社内の業務効率化を技術面でサポートしていくことを掲げています。その結果として、さらに釣り人・釣り業界への価値貢献ができればと考えています。
開発組織の現状
アングラーズの開発組織は、現在13名体制です(業務委託含む)。
モバイルアプリ(兼フロントエンド): バックエンド : LLM
=5:4:1
モバイルアプリの技術は、数年前からreact-nativeを採用したことでフロントエンド(react)との親和性が高く、これからさらに効率よく開発できるように設計していく予定です。
技術選定ではモダンやトレンドといった理由で選定するのではなく、基本は現状のプロダクトの状態と組織のリソースを加味しながら進めています。一方、チャレンジしていける分野は、リスクを最小限に抑えつつではありますが、スタートしていけるストレッチさが必要だと考えています。
例えば、LLMについてはこちらでも発表させていただきましたが、タックルボックスのレコメンドコンテンツで徐々に検証し始めています。
大切にしているエンジニアリング文化
CTOとしてのリーダーシップ・技術戦略・マネジメントは重要ですが、ここでは大事にしたいエンジニアリング文化について記載します。
技術ではなく、まずユーザの課題に目を向ける
「つくりたいものをつくる」では、結局ユーザに使われません。これは技術選定や、細かくいえば日々のコーディングにさえも現れると思っています。
私自身への戒めとしてもですが、エンジニアはどうしても先に技術的な観点が頭をよぎってしまいます。それが必ずしも悪いわけではありませんが、事業創造の視点では、どの入口から入ったとしても、ユーザの課題を前提にしなければいけません。
釣り人の課題、さらに大きくいうと釣り業界の根本的な課題を想像することがとても重要です。そこから打てる施策や解決手段を考えるという段階で、エンジニアが持っている技術が生きてきます。
必ず釣り人の課題を明確に解決することが大切です。その結果として、自分自身へ返ってくるものがあります。
ここまでいうと、エンジニアは釣り人でないといけないのか?と思うかもしれませんが、そうではありません。そこは安心してください。もともと釣りをしていなかったメンバーもたくさんいます(半分くらいがそうです)。
釣り経験がなかったとしても当然活躍はできますし、もし釣りを始めたいときは、メンバーの誰かが何かしらの釣り誘いをSlack(雑談チャネル)でしています。優しい人たちばかりなので、初心者でも釣りを楽しむことができます。また、釣り支援金という福利厚生もあり、釣りを全力でサポートしています。
周りへの感謝と尊重を忘れない
今のフェーズになってくると、私はほとんどコードを書くことはなく、周りのメンバーがどんどんタスクを消化していってくれます。これまで築き上げてきた資産(コード)に対して、痛みを伴うような修正を任すこともあります(負債ですね)。
つくった直後から負債は積み上がっていくものだと認識しつつも、そういった部分をお願いするのは心苦しさがあります。その一方で、釣り人への価値提供を優先すると起こり得る現象であり、その積み重ねが大事だということも認識しています。
現在、アングラーズは新たな挑戦の真っ只中です。
新機能案件のタスクを担当しているエンジニアは、スピードと質を求められます。どのスタートアップも同様かもしれませんが、期限間際の勢いと、それに対しての責任感は尋常なものではありません。
私がCTOとしての役割に注力できているのは、紛れもなく周りのエンジニアメンバーのおかげです。まず私自身が、その感謝とリスペクトを忘れないことが大切だと感じています。有難いことに、私以上にそれを意識してくれているメンバーがたくさんいるため、アングラーズ組織内でもお互いを尊重しあう、協力文化が醸成され始めています。
メンバーが日々の業務に集中できるよう、ひきつづき最適な環境づくりをしていければと思います。
釣り業界の課題解決に挑めるだけではなく、自然の中でリフレッシュしたい人にとっても、アングラーズは最高の環境と仲間が存在すると思います。エンジニアの方でご興味のある方は、ぜひお待ちしています。
一緒にはたらく仲間を積極採用中!!
アングラーズでは、様々なポジションで積極採用を行っています。
少しでも気になった方は、以下よりエントリーをお待ちしております!
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