『競技者と顧客の距離感』人生釣り三昧#40
おはようございます。
相変わらず著名人の不倫や不祥事を次から次へと袋叩きにしていく報道が溢れる中、唐突にやってくる「上野動物園の双子パンダに歯が生えた!」といったニュースにめちゃくちゃ癒されたかずおかです。
#もう全部ネコとパンダでいい
さて。
ここ数日、藤田プロのJBTOP50檜原湖戦優勝についてTwitterを中心にかなり話題になっており様々な議論が繰り広げられております。
今回はこの手の話について自分が今感じていることをダラダラと書いてみたいと思います。
文章としてまとまりが無いかと思いますがご容赦ください。
さてさて。
今回の件については本当に色々な意見が飛び交っており、一般ユーザー寄りの人からは「アジングでは普通」「スモール相手にマイクロルアーは常識」「魚探(ライブスコープ)ずるくね?」「こんな釣り見ても面白くない」といった意見。
一方、他トーナメンターや業界人寄りの人からは「ルールの範囲内で戦っているだけ」「他業界でもある話」「運営側の問題もある」的な意見が多いのかな~といった感じでしょうか?
いずれにしても国内トーナメント市場がざわついている事自体は良いことだと思います。
他魚種の釣りに比べて廃れつつあるとはいえ競技市場が残っているバス釣り業界。
SNSの普及、他魚種の市場拡大に伴いトーナメント成績を当てにしたトーナメントプロとのスポンサー契約はメーカー側からすると提供量に対して費用対効果はほぼ望めないよね、って話は少し前にもしました。
https://note.com/angler_kazuoka/n/n735bd0ca206b
今回の件を見てバス業界を振り返ってみても『ワーム自体の登場』『常吉リグ(ダウンショット)、ネコリグ等の新ライトリグ登場』『フロロ、PEの細番手の活用』『GPS魚探導入』『スポットロック機能付きエレキ導入』等々、「それはずるい」的な議論自体は度々起こっています。
これまでに起こったそれらの議論と比べる声もありますがここ最近起こっている事は過去の出来事に比べて『導入コストが高騰し、一般的なユーザーが真似出来ない』という状態になっているのが一つの問題なんじゃないかなと僕は思っています。
上記の例を見ても、その釣りを真似するのに必要なコストは桁違いに高騰しているんですよね。
ワームやリグ、ラインは数百円~千円程度、リールやロッドについてもせいぜい5万円以内。
ところが魚探やエレキとなると当たり前のように数十万、数百万円というコストが掛かるわけです。
(ボートや車まで含めるとさらにとんでもない額になるかと…)
これまでの出来事はなんだかんだ言いながらも簡単にマネできて結果が出るからやっぱり釣果を求めて多くの人が真似するうちに定番化する印象でしたがここ最近話題に上がる設備的なところはあまりにもかけ離れているんですよね。
その結果、最新鋭の設備ありきの釣りを展開されたところで『真似できないから面白くない』という人が増え、そういった釣り自体を否定してしまうのは自然な流れでしょう。
まぁ以前からトーナメントプロよりメディアプロが目立っていたのは事実ですしそれがより露骨になってきただけと言えばそうなんですが…
僕自身、ライブスコープやスポットロック機能付き魚探を始めとした最新鋭の設備を使ったことはありませんが機能を見るに明らかなのは「これまでまともな精度で狙う事ができなかった魚を狙える」という点でしょう。
実際にTOP50というカテゴリーについては遠賀川戦を今年の大会も含めて3回(内1回はオブザーバー)見てきましたが今年は本当にバンクを流す人が減ったと感じました。
それまでは春開催が多いという事もあるのか大半のプロが「バンクを流す」という行為をしていた印象がありましたが今回はほとんどの選手が沖に浮いており、その景色を見た時に本当にトーナメンターの戦い方が変わってるのを感じました。
季節柄バンクに近い位置を狙っている人も勿論居るにはいるんですが明らかに止まっていて、流す釣りをしない。
上位陣に居る人ほどそんな釣りをしている印象でした。
これまでは「ここには魚が多くいると思う」「このポイントの魚は大きいと思う」だったのがライブスコープの登場により「思う」の部分が確信に変わっているんでしょうね。
「いるかも?」で大雑把に一つのストレッチを流すよりも「いることは分かっている」状態でその魚を狙い続ける方がもはや効率的というわけです。(春は特に顕著かと)
それだけ精度を高める設備と環境が生み出せるからこそ『1インチワームの10mホバスト』なんて異次元の釣りが可能となるのは間違いなさそうです。
今回はスモール戦だったので特にフィネスな方向に釣りが向いた事もあり余計に目立った気がします。
そして優勝した藤田プロにばかり目が行きますが準優勝の佐々プロも同サイズのリグなんですよね。笑
※Instagramより拝借
極論、上記のような設備がそれぞれ5~10万円以内に収まるのであれば一気にローカルトーナメンターや一般層にも普及すると思いますが魚探なんて使いこなせない人が大半でしょうし、皆があんな設備を使いこなせるようになるといよいよ魚の反応も悪いどころの話じゃ無くなる気もします。
ここら辺は運営としてもかなり悩む部分だと思います。
ここに規制をかけてしまうとその設備を提供する企業からすればスポンサーに付く理由もなくなります。
かといってボート市場自体の再活性化は国内じゃ絶望的に望めないので規制をかけないまま今のルールで続けても益々トーナメント市場とユーザーの温度差は開く一方。
むしろ今トーナメントに出ている人も今の環境では勝負にもならないと引退する人が出てもおかしくない状況かと。
実際その辺について運営側と選手はどう捉えているんでしょうかね?
藤田プロ自身、「この釣り(魚探サイト)を30歳超えても継続するのは多分厳しい、同次元でこの釣りが出来るのは青木唯くんだけ」と発言していますしこの発言を真に受けるのであれば大半の選手は同じ設備をもってしても本気で恐れる相手にはならないのかなと思ってしまいます。
実際に横で見たわけではありませんが本当に捉えている次元が違います。
X軸、Y軸を捉える難易度に比べてZ軸を捉える難易度って極端に跳ね上がるんですがこれを捉える精度が半端なく高いのが彼らの釣り。
この手の話になると僕は漫画『マギ』に出てくる力魔法の描写をイメージするんですがこのように『水中を分解してバスのスピードとアプローチするルアーのシンクロ点(座標)となる場所を狙うイメージ』と言えばとりあえず難しい事は伝わりますかね?笑
まぁそんな感じなんでなのでこれをきっかけに世代交代か!?という期待もありますが若手プロがのし上がる為の必須条件としてこれがのしかかるのは重い負担だなぁと正直感じます。
かといって資金面で余裕の出た年齢になって導入しても身体能力が低下してしまって習得できなければ本末転倒。
僕自身、歴史上テクノロジーの進化に勝る発明は無いと信じていますが釣り市場においてはどうなんだろうと思う場面が最近は特に多いです。
便利になることが正義になる市場もあればそれを拒絶することで楽しさを保つ市場もあるでしょう。(自然相手の遊びは特に)
最近は情報が簡単に手に入る時代だからこそ、それらの情報と距離を置いた方が釣りにおいては楽しめるだろうなと感じている自分もいます。
こういった話も含めて僕らの世代(20~30代)のトーナメンター、メーカー社員、店舗スタッフ、ユーザーでも思う事はバラバラだと思うので色々と意見を聞いてみたいなぁと感じます。
あとは棲み分けですかね。
バス市場においては野球とソフトボール、サッカーとフットサル的な感じである程度棲み分けてあげた方がハッキリして良いかなと個人的には思っています。
今は組織も個人もその辺がかなりブレブレというかまだ色々と試している段階なのかもしれませんがメディアプロやYouTuber、インフルエンサーの人たちは一般の人に寄せていき、トーナメントプロ(競技者)についてはもうとことん一般の世界観から切り離しても良いのかもしれません。
これは『共感』に寄せるか『憧れ』に寄せるかという部分です。
今の国内バストーナメントを見ているとブレブレっすよね。
ブレブレというか見ててカッコよくはありません(特に映像で見ると顕著)
資金力的な面はもちろんあると思いますがオリンピックの演出も含め日本って国は本当にこの部分が苦手なんだろうなとしみじみ思います。
(決定権や発言権を持つ人が年配の方に偏りがちだから?)
最上位カテゴリーについてはエレキ限定フィールド(弥栄ダム等)での大会を開催しないのも一つの手かもしれませんね。
とことん一般的なユーザーから切り離す方が『憧れ』の対象として成立しそうです。
(他スポーツ業界を参考にするのであればですが…)
一昔前は情報の発信源というか構造上の問題でトーナメントプロとメディアプロは共存できていましたが今はそれを共存するのがかなり難しくなっています。
個人的な目線ですがその両立が出来ている人ってTOP50参戦プロ、いやJB所属プロの中でも今江さん、三原さん、江口さんぐらいだと思います。(黒田さんとかは少し特殊なポジションからアプローチが出来ているなぁと捉えています)
僕なりの『発信力』についての考え方についても少し前に書いた記事があるので気になる方は是非ご覧ください。
https://note.com/angler_kazuoka/n/ne758ce5c1200
とは言え国内トーナメントについても最新鋭の機器を駆使して戦う姿や自分のスタイルを貫いて戦う姿、試合への向き合い方は見せ方次第でめちゃくちゃカッコいいコンテンツになるのは間違いないと感じていてその土俵だと藤田さん、沢村さん、野村さん、小森さん、福島さん、早野さん、佐々さんと色々な競技者がもっと輝きを増すと思うんです。
ここら辺の人の発信を選手任せにしてしまうのが本当に勿体ない。
勿論記録用として負担になっていないのであれば良いのですが多くの競技者にとってこれは無駄な労力となっているでしょう。
それを踏まえて発信力の計算式を参考に考えてみると『ブースター』の部分をJBのような組織が担えると理想的かなぁと。
トーナメントプロは試合に勝って賞金を稼げばいいという考えもあるので一概には言えませんがアメリカと違って日本という市場で賞金のみで食っていくのは現時点でほぼ不可能というのが余計に話をややこしくするんでしょうね。
勝ちに執着すればするほどトーナメント結果が与える市場への影響は小さくなる反面、魅せる釣りで勝てるほどもう甘くはない競技市場。
いや、本当に書いてて思うんですがTwitter程度の文字数で結論には辿り着かない内容ですよね…
とりあえずトーナメント組織にはこのざわついている雰囲気をしっかりと分析してもらってカッコいい国内バストーナメントの世界観を生み出すきっかけにしていただきたいです。
それか…、もし新しいトーナメント団体が生まれるならこのタイミングなのかもしれませんね。笑
そんなこんなで書けば書く程、思う事が溢れて収集が付かなくなるのでもう今回はこの辺で終わりにします。
色々な問題が絡みすぎて訳が分かりませんが一つずつ紐解いて上手く歯車が回るようになればいいなぁと願うばかりです。
それでは今回はこの辺で。
でゎでゎ👋
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