『釣り糸の売り方』人生釣り三昧#42
おはようございます。
コンビニのレジ袋が有料化して以来「袋は必要ですか?」に対する返事が面倒だなぁと常々感じているのですが、先日お酒を買ったときにマスク×声が小さい店員さんの「年齢のご確認お願い致します」に対して「いや、大丈夫です」と言ってしまったかずおかです。
#やり取りが増えるってめんどくさいね
さて。
今回は『釣り糸の売り方』という壮大なテーマで「釣り糸ってどうアピールすれば売れるのよ?」という事について僕の考えをお話したいと思います。
というのも商品企画の傍ら販促関係のお仕事にも携わっているので過去の販売数データを分解しながら「なぜ売れたのか?」「なぜ売れないのか?」を考えるのが最近のちょっと楽しみなもんで。
データ(事実)を見ながら当時起こった出来事だったりを踏まえて分解すると色々な事が見えてきます。
そういった事を繰り返していく中で「釣り糸を売るために考えるべきこと」ってことが少しだけ分かってきた気がするのでそれを書いていきたいと思います。
ルアーフィッシング目線での考えという点を踏まえてご覧ください。
考え方自体は他でも応用できると思います。
さてさて。
販促の手法として釣り具の中でも全て同じ考え方、手法で効果が得られることは殆どなくて大きく分けると『ロッド、リール、ルアー』、『ライン、フック、その他消耗品小物類』の2つに分けられると考えています。
この違いは『単体の販促に効果が期待できるか』というのが一つの分岐点で『ロッド、リール、ルアー』に関しては単体で製品説明の販促を行っても十分な効果が期待できる釣り具。
一方、『ライン、フック、その他消耗品小物類』はそれ単体で販促を行っても殆ど効果を期待できません。
ここに生まれる差をさらに掘り下げて考えると『使わずとも魅力が伝わるか否か』という点も重要なのかな~という考えに至ります。
『ロッド、リール、ルアー』は性能や使用感が購入前に分からなくても見た目も判断要素に含まれるため写真や動画を通じて購入を決断することができます。
例えばシマノさんの製品を例に挙げるとステラ、カルコン、アンタレス…どれも性能に限らず心を満たしてくれる部分が大きい製品ではないでしょうか?
ダイワさんのハイエンドモデルもイグジスト、ソルティガ、スティーズとありますがどちらかというと社風的になのかブランドイメージ以上に機能面を推してる印象が強いので精神面を満たす意味合いではシマノさんの方が秀でているような気がします。
※あくまでも個人的な意見です
しかし『ライン、フック、その他消耗品小物類』は見た目という判断要素では選びにくく性能や使用感も購入して試してみないと分からない部分が大きいんです。
確かにリールやロッドに比べて価格差が見た目では分かりにくいと思います。
それ故に製品単体で販促を行ってもあまりいい結果に繋がらない事が多い。
「なら、どうすれば売れるの?」ってことに繋がるんですが過去の販売数推移を見返していると明らかに起こった出来事と販売数の変動がリンクする事例が少しだけありました。
具体的な販売数については出せませんがその事例の中でも特に目立って分かりやすかった物をいくつか挙げたいと思います。
1つ目は2016~2017年における『BMS AZAYAKA 14~16lb』
この時に起こった出来事といえば北大祐プロのバサーオールスタークラシック2連覇ですね。
クランクベイトとスピナーベイトを駆使し、巻物で2連覇という衝撃的な出来事でしたがこの時主に使っていたのがこのライン。
ライン自体が派手なので巻いているとすぐに分かる事も影響したのか各メディアやSNSで見ていてもその勢いを感じたことを覚えています。
2つ目は2020~2021年における『シューター 16lb』
これは伊豫部健さんが国内販促活動において使用するメインラインで釣りの大半をベイトタックルで行う伊豫部さんにとって最も使っているラインと言って過言ではありません。
特に上記の期間については言葉に発して16lbを推していた成果が表れたのかここ2年近く販売数は回復し勢いそのままに右肩上がり。
釣り方としてはパドフリと真冬のスイムベイティングが印象的で本人も真冬から早春にかけてはかなりの数ヘッドボムシリーズを売ったと言っていました。
#ZONE
3つ目は2020~2021年における『シューター 20lb』
これについては言わずもがな冨本タケルさんのボトムジャーク旋風の影響です。
実はシューターという一製品全体で見てしまうと年々販売数は落ちているのですが太い号数14~20lbについては完全にその流れと逆の動きを見せています。
18lbと20lbは完全に冨本さんのお陰と言っても過言ではないでしょう。
ちなみにうちのテスターは競技者が多いので3lb~4lb、12~14lb辺りの支給量が多いのですが販売数的には右肩下がりとなっています。
シューターに限らず20lbの支給量なんて微々たるものです。
そういった点からも今回挙げた三つの事例の中でも『冨本タケル×シューター20lb』は特に強烈でした。
このような事例を見ていると
『釣り方とラインをセットで宣伝すること』
はとても重要なだと言うことが分かります。
そう、上記の例に限らず『ライン単体で大きなブームが起こった事は一度もない』という事がとても重要です。
ラインのブームが起こるときには必ずロッド、リール、ルアー、フックそのどれもが影響を受けて市場で動きを見せています。
「それって当たり前じゃね?」と思う方も多いかもしれませんが意外と『ライン、フック、消耗品小物類』って釣り方とセットでは宣伝されていません。
新しい製品が出るたび「耐摩耗性〇%UP!」「直線強力〇%!」と謳われますが素材が変わらない以上、劇的な変化が起こることは起こりえません。
ユーザーにとってよく分からない数値を並べられるよりも「この釣りにはこの糸の何lbが良い!!」と訴えかける方がよっぽど効果的なようです。
それが曖昧な物ではなく鮮明なものほど市場の動きは起こりやすいと言えます。
だから一個人の宣伝としては「ライトリグにはBMS AZAYAKA!」と言うよりも「ミドストのレンジキープにはBMS AZAYAKAの4lb!」と言い切った方が遥かに効果的ってことですね。
よっぽど信者力があれば一製品全体、もしくはブランドごと売り上げを伸ばせるというパターンもありますが僕が考える限りそれは『金森さん×シーガー』『村田さん×サンヨーナイロン』くらいだと思います。
(前者については釣り業界全体に「フロロカーボンと言えばシーガー」というイメージが刷り込まれたというのも大きいと思いますが…)
兎にも角にもそのクラスの人は業界全体でも両手で数えるほどしかいないと思うので基本的に売り上げに貢献することを考えるのであればあれもこれもを推すより一点に集中するのが良さそうです。
こう考えると自分ならではの軸の釣りを持っている人が圧倒的に人材として魅力的ですがその都度状況に対応し、フィネスな傾向が強いのが競技者なので難しい部分です。
前も言いましたがその点で今江さんは本当に立ち回りと魅せ方が上手い人だと思います。
競技者としての魅せ方と表現者としての魅せ方を使い分けつつも共存している極めて稀な例ですね。
(だからこそ今江さんどストライク世代から見ると今の若手は釣りが上手くても華が無いように見えるのでしょう。)
勿論、試合が絡む釣行では勝つための釣りをすること自体問題ないのですがそれとは別軸で自身のプロモーションのためのスタイルを持っておかないと対して目立つことはなく終わるのかなぁと。
どうやら「やりたい事をするためにやりたくない事もする」ということから目を背けることはできないようです。
ここまで読ませといて申し訳ありませんが各々のスタイルや立ち回り方については人それぞれなのでここで答えを出すことはできません。
とりあえずライン単体で宣伝してもそれは殆ど響かないので釣法・テクニックとセットで宣伝する事を心掛けると良いと思います。
そしてもう一つ。
ここまでに書いてきたのは『売れる方法』
ただ、分解・分析していく中で本当に難しさを感じるのが『売れ続ける方法』です。
似たような言葉ですがこちらは本当に難しいです。
ライン一つを取って考えてみても売れた理由は一つではなく様々な理由で手に取られていると考えます。
それぞれの理由がどの程度の割合を占めているのか、その割合は将来的にどのように変動するのか。
どれだけ細かく分解して分析できるかが次の打ち手の精度を高める事に繋がります。
お客さんのニーズを紐解いていくと『FCスナイパー』はフロロじゃなくても良いのかもしれないという可能性もゼロではありません。
今の選択肢の中で選ぶなら『FCスナイパー』というだけであって新しい選択肢がすべてのニーズを満たすのであればお客さんはそちらへあっという間に流れるのが市場の絶対です。
お客さんのニーズに応えて進化し続けたにも拘らずガラケーはiPhoneの登場によって瞬く間に廃れてしまいました。
こういった例は探せば結構出てきます。
ラインに絞って考えてもPEラインが登場して以来、ソルトルアーフィッシングを中心にモノフィラメントライン(ナイロン、フロロ、エステル)を道糸に使用する人は皆無となりました。
この調子で書き続けると今回のテーマからどんどん脱線してしまうので今回はこの辺で締めたいと思います。
『売れ続ける方法』については今後も考えを深めながら色々と試しつつ「何をして、どんな反応があったか」をここに書き残していけたらと思います。
それでは今回はこの辺で。
でゎでゎ👋
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