政治素人がインボイス制度に反対してみた話ー豊島区『請願』『意見陳述』編④
政治素人は、一体どんな請願を出したのか。
さて、請願書の提出期限までに、無事区役所に提出はできました。
肝心の請願の内容について、ここで少々触れておこうと思います。
まず、豊島区に対して何をしてほしいのか。
これはもう「インボイス制度で区民などがとても困ると言っている。なんとか考え直してもらえないだろうか」と国に意見を言ってほしい、ということです。
しかし、豊島区はあくまで「地方」レベル。
インボイス制度を中止してください!
…と「地方」が「国」に対して意見を言うのは、なかなかハードルが高いのです。
とはいえ、国が決めたインボイス制度で、直接困るのは多くの国民であり、それぞれの地方に住む住民です。
私個人としては「地方議員こそ、住民の声を拾って、国に積極的に意見をしてほしい」と思うわけです。
「国が決めたことだから、地方議員は従わないと…」
などと弱気なことを言っている地方議員がいれば、少なくとも私は「なら私はあなたではなく、違う人に投票しますね」という判断をします。
国が決めたことには従わなければならない、のであれば、国がおかしな法律を作ったときはどうすればいいのでしょうか。
…さて、話を戻しますが。
「インボイス制度の中止」の陳情・請願は、実は豊島区だけではなく、色んな地域でもう出されているのですが、その多くはハードルが高すぎて不採択になっています。
では「インボイス制度の再考」ならどうでしょうか。
つまり「やめて!」ではなく「内容を考え直して!」ということ。
しかし、これは豊島区で既に不採択になっていました。
一度不採択になったものと似たような内容の請願は、出してもそもそも委員会で扱ってくれません。
ただ「こんな請願出されました」って請願書のコピーが議員に配られるだけ。ふーん、そうなんだ。って見られて終わり。
それでは請願をする意味が無いので「再考」も今回は却下。
ならもう「インボイス制度の延期」をお願いするくらいしかない。
延期…それはそれでハードル高そうだな、と無所属の会の控室で作戦会議。
塚田ひさこさん、入江あゆみさん、そして経験豊富なわがい哲代さんにアドバイスをもらいながら、文面を考えました。
「延期」も他の地域で不採択になってることも多いし、与党議員も採択しやすそうな「理解を求める」という言い方も考えました。
ただ、何をしてほしいのかが分かりにくいのと「理解はもうしてるし」と言われたらおしまいかも、ということで、結局「延期も含めて理解をお願いします」で請願を出すことにしました。
ざっくり説明すると、
・まだインボイス制度導入前なのに、問題発生しすぎ
・取引排除されたり値引きされたりしてる
・独占禁止法違反、下請法違反の圧力多すぎ
・声優、アニメーターなどの3割が廃業を検討している
・クールジャパンの危機では?
・豊島区は文化・芸術や小規模事業者を大切にしているんですよね?
・コロナ禍で事業者はまだ大変な状況
・物価がますます上がるので消費者にも影響あります
・この状況で「今」インボイス制度本当に導入します?
・ギリギリ踏みとどまっている事業者にトドメをさしますよ
・文化の衰退はすぐ数字には表れない
・5年後、10年後に文化芸術も地域経済もボロボロになる
・こういう窮状を理解して延期を考えてほしい
といった内容の請願を提出しました。
内容としては、政治素人の一生懸命さや、窮状の内容が分かりやすくまとめられたので、かなり評判は良かったようです。
あとは署名待ちの人たちのお返事を待って、委員会当日にしっかりと意見陳述をがんばるのみ!
豊島区『請願』『意見陳述』編⑤に続く。