最大コンボのその先にある「判断力」
最大コンボは基礎の基礎。それが当たり前に出来るようになって初めて、最大コンボを基準としたコンボ判断力が身に付いていくというお話。
最大コンボを叩き込め、そこがスタートだ
この記事の趣旨は「最大コンボを覚えよう」ではありません。むしろ「最大コンボはスタート地点に過ぎない」という話です。
そう書くとコンボを覚えるのに四苦八苦している初心者・初級者の方々は面食らうかもしれません。
コンボを覚えるのがだるいという意見もありますし、そういう「感想」を否定するつもりもありません。ただしコンボを抜きに強い人に勝ちたいと言ってるならたわけの一言ですし、このnoteを読むような人には、そういうタイプの中級以上のプレイヤーは居ないと思います。
最大コンボ(以下、最大と略)を覚えると何が嬉しいのか。より少ないチャンスで勝利しやすくなるというのは言うまでもありません。加えて、相手の行動に伴うリスクを最大化し、相手の行動を制限することができます。
…とまあ、そんな誰でも解説するようなありふれた話はいいんです。どうでも。
ここで説明したいことは、最大を基準にして状況を判断する力、そしてより適したコンボを選ぶ力が徐々に身についてくるということです。
どういった意味なのか。これから説明していこうと思います。
前提として
まずは前提条件の確認です。ここの内容がキツいと思った人は、きっとコンボを覚えること自体が十分な伸びしろです。ふんふんと読み流して、違和感なくコンボが出来るようになったぐらいでまた読みに来てください。
最大で出せるダメージを基準に様々な判断を下すためには、最大を必要な時に自然と使えることが絶対条件です。当然ですね。
というわけで、ノーゲージ最大コンボを習得し、必要な時に100%出せるようにしておいてください。なんなら今日の夜ご飯は何にしようかな〜とか考えながら出せるようになってください。
「基準が必要」という意味では最大である必要はないように思えるかもしれません。しかし、必ず「今の最大なら倒せたなあ…」という反省が生まれるはずです。
ここから先の説明をするにあたり、自分が基準に選んだそのコンボが最大ではないにしろ、最大を選ばない十分な理由を用意しておくべきでしょう。例えば滅茶苦茶難しくて安定しないとかね。
ノーゲージ最大を起点とした基本的な判断力
さて、ではここを基準、スタート地点として持っておくとしましょう。すると、対戦を重ねるにつれ以下の判断が身についてきます。
ノーゲージ最大を入れて相手を倒し切れた(スタート地点)
↓
ノーゲージ最大を入れたが相手の体力が残り、倒し切れなかった
↓
1ゲージ支払ってダメージを伸ばして倒し切れた
↓
1ゲージでは倒し切れないので、2ゲージあるいはCAを使うことで倒し切れた
要は相手を倒し切るためのコンボ(リーサルコンボ)を選べるようになってくるということです。
ただ、この判断が適切にできるようになるためには、各ゲージ状況の最大ルートを予め知っている必要があります。知識として持っていなければ、使えるはずがありませんよね。
コンボルートは予め調べるか、人から教えてもらいましょう。CA最大から覚えていくと、相手の体力ゲージがモリッと減って気持ちいいですよ。
この記事を書きながら気づいたことがあります。サラッと書いてしまったこの過程も実はかなり複雑なプロセスだということです。
この過程を少しずつでも進んでいける人は、体力ゲージの目算ができ、また自然な反省ができる人なのです。
目算はかなり高度な判断ですし、僕が呼ぶ「自然な反省」というものにはある種の素質が要求されるということを説明したいのですが、これも非常に重要なテーマだと思うので、また別の記事にします。(いつものフェルマー的方式)
上にサラッと書いた、ゲージを使う使わないの判断ですら、実はかなり複雑な精神の働きであるとだけ、今は理解してください。
最大コンボは常に最良の選択か?
という訳で次の話に移るのですが、既にかなり難しい話をしてきたわけで、当然ながらここからは完全に上級者向けです。
明快な答えが出ない話とも言えます。何故なら、前の項目ではゲージに応じた最大コンボが入れられたかどうかは事実として画面に現れます。しかし、ここから先は答えが明確に画面に現れないからです。
さて、上記のようにダメージを伸ばす方法に熟達したとしましょう。それなりに複雑な判断が下せるようになりましたが、さらにその先があります。
それは最大コンボより良い選択肢があることを悟るということです。少しケースを挙げて考えてみましょう。
★ゲージを使い切れば確実に相手を倒し切れて1ラウンドを取れる。しかし相手がラウンドを先行して取っている。次のラウンドにゲージを持ち越すため、敢えて温存してもう一度読み合う
スト5ではEXゲージよりラウンドを優先すべきという考え方が主流なので、この考え方は正攻法ではないかも知れません。
一般にEXゲージよりラウンドを優先すべき理由はVトリガーが最も重要な勝つための手段であるからです。Vトリガーはラウンドあたり1回は発動できるたわけお手軽逆転法強力なシステムです。
しかし思い出してください。Vトリガーが強いキャラばかりではありません。また、相手に勝つためにはラウンドを2つ取る必要があるのです。1ラウンドでは不足なのです。
相手がラウンドを先に取っており、しかも相手が3ラウンド目にゲージを潤沢に持ち越す状況に対して、こちらのゲージが空で挑むのはVトリガーに頼れないキャラにとってはかなり不利なのです。
そのため、次のラウンドを見据えて敢えてゲージを温存する。この考え方も戦略レベルの選択肢としては一考に値します。
僕は割といま紹介した考え方をするタイプです。リュウさんのVトリガー弱いので。特に相手キャラに不利な場合や、相手が自分より強い場合に採用するケースが多いです。逆に立ち回りで有利を取れるキャラや、事故らなければ勝てそうな相手には、ゲージを多く使ってラウンドを優先させます。
では、次のケースに移ります。
★絶対に相手の体力は残るが、敢えてゲージを使うことで次の読み合いで倒せる可能性を高める
例えばノーゲージでは投げを受け入れられるだけの体力ゲージが残るが、1ゲージを支払うことで投げ圏内とし、投げを捨てられない有利な読み合いを作り上げる。
あるいは1ゲージを支払って小技1発圏内に持ち込み、何が当たっても勝てるようにする。
これらは倒し切れないならゲージを使わないという選択肢とは正反対のある種の勝負行動です。一方で1ゲージをコンボに使わずに守りの無敵技へと回すのも、また考え方としてはアリです。
大事なのはゲージの用途を数パターン想定した上で、何らかの明確な根拠を基に、どのパターンを選択するかが定まっていることです。
こういう判断を下せるようになれば、かなり格ゲーへの理解力がついて上級者に近づいているのではないかと思います。たぶん。
ちょっと少しレベルの高い余談を挟みます。EXゲージが関係ない話です。
トッププロの試合で、画面端でダウンを奪った後、重ねで垂直ジャンプ強攻撃をガードさせる選択肢を見たことがあると思います。
あれはランクマでもよく見る原人狩りに非常によく似ていますが、目的はそうではありません。そもそもプロレベルが原人狩りを喰らうことはあまり期待できません。
あれは白ゲージを背負わせることで倒し切りの選択肢を増やしているのです。
僕は誰かから上記の内容を解説されたわけではありませんが、画面上のゲージ状況(体力ゲージを含む)、相手キャラの昇龍対空の有無、そしてダウン時の有利フレームの長さから、そういった事だと理解してます。ドヤ顔で間違ってたらスマン。
というわけでね、中途半端な有利フレでの原人狩りはやめよう。ランクマですら絶対に通りません。
おわりに…判断力の正体
上級編になるにつれて、取った選択肢の正解不正解は、ある種の結果論で片付けられてしまう部分も出てきてしまうほど微妙な話になってきます。
取った選択肢の結果、相手を倒せたから正解だったのか、倒せなかったから不正解なのか。それらは決して一対一に対応していません。
この記事で最も言いたかった判断力とはなんなのか。それは、複数の選択肢を頭に用意して、なんらかの基準と根拠を以てして、最適と思われるものを選ぶ作業の精度だということです。
そしてその基準の第一歩には最大コンボがお勧めというわけです。何故なら、コンボを入れている間、自キャラが次に何をするかを最も有利かつ能動的に判断できるからです。
かなり高度な内容となりましたが、何らかの参考になると嬉しいです。